私は尋ねられれば、どんな料理のレシピもホイホイとお教え致します。
お料理で生計を立てている訳では有りませんし、
そんなことより、例え全く同じレシピで作ったとしても、
作る人によって違いが有り、絶対に同じ味にはならないと思うのです。
使用する食材はもちろん、料理人の人生経験や性格によって味が決まるのが家庭料理ですし、
いつもと同じレシピで作ったのに、”なんか今日、味が違うー”などという事も有ります。
私にとって、それこそが家庭料理の醍醐味でございます。
ですので、レシピを死守する必要を感じないのです。
が!
私が近しい人に絶対に公開していないレシピが一つだけ有ります。
理由は、意地悪ではないですよ。
もう数年、このレシピで作った一品が、贈り物として喜ばれ続けているからなのです。
届くのを待ちこがれていて下さる方もいらっしゃいます。嬉しいことです。
何年も続けて、同じ方に喜んで頂ける贈り物を考えることはとても難しいものです。
特にとても裕福で、あらゆる最高級品に囲まれた生活をしておられる方など、
もう、何をお贈りして良いのかサッパリ判りません。
そんな私が、せっせと作ってお贈りすれば絶対に喜んで頂けるもの。
それが本日ご紹介するキャラメルクリームです。
このレシピは、レシピと呼ぶのもはばかられる程簡単で、どなたにも作れてしまうのです。
そうなると、私はまた贈り物で頭を悩まさなくてはいけなくなります。
だからね、教えないの。
ですが彼らは日本語を読まないので、このブログでご紹介しても屁のカッパです。
お料理に使う為に買った生クリームを使い切る為に、
最終的に私は必ずこのキャラメルクリームを作ります。
今回は150CCの生クリームが余りましたので、こちらを使い切ります。
サッと水で濡らした鍋に、生クリームと同量の白砂糖を入れ、
生クリームの1/4程度の(いい加減で結構です)水を加えて混ぜ、中火にかけます。
徐々に砂糖が溶けて、このように茶色に色づき始めます。
ここまで、結構な時間がかかります。
色付き始めたら、少し火を弱めて絶対に鍋底を火から離さず、かき混ぜず、
コンロの上を滑らすように鍋を廻しながら、均等に色を付けて行きます。
あまり頻繁に動かしたり、かき混ぜたりすると、砂糖が焦げるより早く水分が蒸発して、
砂糖の結晶が鍋肌に着き始めます。これは失敗の始まり。。。
この焦げ加減が、キャラメルの苦みを決めますので、お好みで調整して下さい。
私は苦みの強い物を好むので、これくらいまで頑張ります。
この段階で、家中がスウィーツ・パラダイスの様な香りに包まれます。
お好みの色になりましたら、一気に生クリームを注ぎ込みます。
一部分だけにタラタラと流し込みますと、キャラメルの温度が下がった部分だけが、
べっこう飴のように固まってしまいますので、まんべんなく一気にお願いします。
流し込みますと、加熱された生クリームが吹き上がりますので、
大きめのお鍋で作り、尚かつこの様に必ずシンクの中で作業して下さい。
静かに全体をかき混ぜます。
生クリームを注ぐ手際が良ければ問題なく出来上がるはずですが、
場合によると所々固まってしまうかもしれません。私も最初の頃そうでした。
そんな時、慌てる必要は有りません。
もう一度弱火にかけて、ゆっくりと静かにかき回していますと、
ちゃんと固まりは溶けてくれます。慌てないことです。
かき混ぜておりますと、このようにつややかなクリーム状になって参ります。
この段階ではまだホットチョコレートぐらいのサラッとした状態です。
ここから緻密な温度管理をしつつ練り上げますと、生キャラメルになりますが、
私の作りたいのはキャラメルクリームですのでここでおしまい。
キャラメルクリームの出来上がり~
これを、容器に移して冷まします。
完全に冷えますと、マヨネーズぐらいのトロミになります。
冷蔵庫で保存しますと更に固まりますが、室温に戻せば柔らかくなります。
私はこちらのクリームを可愛らしい保存便に詰めて、
季節のお花や、旅先で買い集めてある小物と一緒に、
ギフトバスケットを作ってプレゼントするのです。
このクリームの使い方は無限です。
アイスクリームに掛けたり、飲み物に加えたりする単純な使い方から、
生地に練り込んでキャラメル風味のフェナンシェを作ったり、
キャラメルバタークリームを作って、ロールケーキに巻き込んだり、
クッキー生地に少量のコーヒーとともに練り込んで、
キャラメルコーヒークッキーなどを焼くことも有ります。
そのままスプーンですくって舐めていたら、止まらなくなったなどという強者も居ます。
ひとたび気に入って下さった方には、他の何を贈るよりも喜んで頂けるキャラメルクリーム。
このレシピは、永遠に秘密にするつもりです。
次回はこのキャラメルクリームを使った簡単デザートをご紹介。
では