カリフォルニア便り ーFROM OQ STUDIOー

~南カリフォルニアから~
陶芸家の器と料理、時々王様の日々

王様、おやつだよ!

2011年02月23日 | 王様

王様には、出来るだけ美味しい物を召し上がっていただこう。

4年間のタフな過去を持つ王様には、それくらいの権利は有るよね。

食事は全部手作りしていた頃も有るよ。出来れば今も私はそうしたい。

ただね、緊急事態にドッグフードを受け付けないような事になってはいけない。

これは2年半程前に近くの山で大規模な山火事が有って、

瞬く間に麓の街まで燃え広がり、

あわや我が家も非難区域になろうかという怖い経験から学んだ。

災害時、事情が判らないまま普段と生活が変わるストレスを、

まともに食らうのは人間じゃない。

食べる事、排泄する事、安心して眠る事が出来ないと、小さな体はひとたまりも無い。

それについては書きたい事が山ほど有るけれども、

きっと愛するペットの事は飼い主の皆様が

しっかり考えておられるはずなので割愛シマス。


ということで、基本的に王様はドッグフード。

だからおやつは手作りね

今日はササミのカリカリ・チップス!

薄く切ったササミにラップを掛けて、薄~くたたき伸ばす。

ラップを掛けてレンジで2~3分加熱した後、

オーブンシートの上にひとつ並べにして、

今度はラップなしで両面を加熱し、水分を飛ばす。(大体片面4分ずつ?)

時間はお肉の大きさや電子レンジによって異なるので様子を見ながらね。

いいニオイがするのに何も出てこず

待ちくたびれて、不満だらけの顔で寝た振りをする王様。

こんな感じにきつね色になったら出来上がり。あ~ら簡単

粗熱を取るとカリカリになるよ。

王様、おまたせ~

 


一枚の写真

2011年02月22日 | Music

自分の中の弱気や不安が頭をもたげた時や、

これから超えようとしている山の高さに怖じ気づきそうな時、

私を励まし、一喝してくれる一枚の写真が有る。

 

カレッジの卒業式の写真。

私は同世代のほとんどが少なくとも進むべき道を見つけ、

ある人は既にその道で頭角を現し、

ある人は親として命を育むという一大事業も山場を超える頃に、

もう一度ゼロからのスタートを切る事にした。

未来の事など何も判らず、具体的な計画も、多分夢さえも曖昧だったな。

言葉も生活習慣も自分の年齢も、何もかも不安だらけでスタートした学生生活。


人より多くの努力を必要とする事は承知で始めた事だから、

苦労話をするつもりは無いけれど、

いつまでたっても毎朝学校の門をくぐるたびに今を夢の中のように感じた。

ほんの少し前、日本で仕事をしていた自分と、

今の自分が全く一致しないまま年月が流れた。

けれども、もがきながら生きていたら、ちゃんとこの日はやって来た。

卒業式は未だに馬鹿な人生を歩んでいる私の唯一誇れる一日になった。

自分が決めて始めた事は必ず終わらせる。成し遂げる。

この写真を見るたびに、それが決して不可能ではないと思い直す事が出来る。

 



人生の中で出会う事の出来る素晴らしい景色の中に、

自分の決めたゴールを自分の力で切った人にしか見る事の出来ない世界が有ると思う。

それは他人から見た輝かしい成功でも、ましてや地位や名声とも違う。

もしかしたら自己満足という名の幻かもしれない。

でもそんなワンシーンが自分を支えてくれる事も有るのだから、

心にゴールを持つ人達に、その清々しい景色を見て欲しいと願い、

静かにエールを送り続ける。


あっ、自分にもね。

ひとつのゴールを切れば、また次が有るってこと。・・・・

 


私が学生時代も今も聴き続けている大好きな曲

この歌の歌詞は、そのまま私の心なんだ。


Frank Sinatra - That's Life



 


うつわ冥利

2011年02月21日 | Ceramics

言わずと知れた芸術性の低さを別にしても、

私の作る器は眺めて楽しんでいただける種類の物ではないと思う。

なぜなら使い手によって使われて始めて完成される器だから。

どんな花も、どんな食材も受け入れる事が出来るように、

どんなインテリアにも、どんなお洋服をお召しになった方にも似合うように、

それが私の思い。


私の器を幾つかお使いいただいている日本画家の女性から、

とても嬉しい言葉を頂いた。

” 貴女の器が我が家にやって来てから、

私は毎日貴女の器の為の一品を作るようになりました。

貴女の器がテーブルに出ていない食卓は寂しいのです。”

こう言っていただくと、陶芸をしていて良かったと心から思う。

きっと器も、うつわ冥利につきているに違いない。

少々手荒でも構わない、とにかく使っていただきたい。

それが私の心からの願いなのです。

 

 

くるんと巻いた耳の付いた浅鉢を作った。

外側は光沢のある天目で、フチと耳は赤。内側はベージュ。


同じお料理(お手製ミートソースね)を違う器で比べてみると・・・・

これは、来客用に沢山そろえてある市販の陶器の洋皿。

で、こちらが私の新作。

どちらの器がしっくり来るかのお好みは、もちろんそれぞれなのだけれど、

器の違いで同じお料理が違う表情を見せてくれると思うのです。


色とりどりのカラートマトを盛ったり、

お庭で採れたグレープフルーツを使ったツナサラダを盛ってみたり。

スープボウルやカレー皿にもちょうど良い大きさです。

どうかどうか、この器達も誰かに愛されながら使っていただけますように

 

この器を作ってしばらくして、美術館に行ったら、

こんな物を発見しちゃった。

当然私の器より、かなりアーティスティックだけれど、

なんとなく『あれ、気が合うね』と嬉しくなった

 

 


Get Away Vol.3 ディナー編

2011年02月20日 | Food

『非日常』のテーマでスタートした今回の Get Away、

ディナーは「今まで一度も食べた事の無いものを食しましょう」という事に。

食は五感を刺激する Experience。で、前から狙っていたここに決定

今回のホテルを決めたのも、実はようやく今回予約の取れたレストランが、

このホテルの中に有るからというのが大きい。

お食事の後のドライブは、出来れば避けたいものね。

ただの食いしん坊です。

ペインのとあるレストランに、なんとしてでも行きたいと思い続けて6年。

少し前にそのレストランで修行された一人のシェフが、

この界隈に彼のお店をオープンしたと聞いたものの、

全く予約が取れず、本日ようやくたどり着きました。

このレストランはね、賛否両論。正統派からは批判も多い。

このように評価が賛否両論な場合、私達は大抵『賛』サイド。

なので大変に期待しておりました。

お料理はスペインなので基本はタパス。

メニューは全てシェフに”おまかせ”でお願いしましたよ。


例によって私の感想など全く持って無駄なので、お写真をどうぞ

私の座った席

 

液体窒素を使ってカクテルを作るバーテンダー

 

この日オーダーしたカクテルの数々をご紹介


マンハッタンのチェリー、実は液体

バブルソルトのマルガリータ&わた菓子が瞬時にカクテルに変わるモヒート

 

ギムレット

 

それではお料理を

スウィートポテトチップス&山羊チーズのディップアニス風味

オリーブの食べ比べ:左はオリーブのアンチョビ詰め 右は液体オリーブ

うなぎのグリルを極薄のキュウリでロールして食べます

アボカドのトルティーヤ風

チェリートマトのマリネと液体モッツアレラチーズのバジルソース

ガーリックシュリンプ・スパニッシュ風味

グリルしたトマト

小イカのグリル イカ墨ソース

カリフラワーのクスクス仕立てオリエンタルソース

キャビアのコーン

キングクラブのラズベリーソース

グリルした赤ピーマンのチーズ詰め

きのことシーフードのリゾット

ラムステーキのグリル野菜添え

フィリチーズステーキ

ホッとチョコレート・ムースのアイスクリーム&フルーツ添え

 

ええ、以上17種類全て頂きましたとも!完食です。

私も長いこと生きて来て、様々なお料理を頂いたつもりで居りましたが、

どれひと皿として、以前似たような物を食したと言えるお料理は有りませんでした。

いったい次は何が出て来るのか

最後までワクワクしながら楽しませていただきました。

シェフの食への探究心、プロとしての食材選び、テクニック、プレゼンテーション、

そして何よりも食を通じて人を楽しませたいという情熱を堪能させていただきました。

忘れがたい夜に心からの感謝です。


ブラボー

 


 


Get Away Vol.2 プール編

2011年02月19日 | Travels

ホテル最上階にあるプールへ。

水遊びには季節が少し早いけれど、

夏に向けてテラコッタ肌の準備に取りかかるにはいい季節。

ちょうどこの時は、シルクガウンの下にシンプルなビキニのマダムが、

日光浴を楽しまれていました

プール自体は小さいから、泳ぐというよりプールサイドでの時間を楽しむ場所。

最上階とは言え、ビルの谷間にあるホテルだから、見せたい景色と見せたくない景色有り。

解決策としてプールを取り囲むように、沢山の大きなアートフレームを配置。

見せたい景色はそのまま抜いて、見せたくない部分は鏡、磨りガラス、アートを配置。

全体を見渡すと、所狭しと並ぶファニチャーがちょっと騒々しく感じるけれど、

リラックスしている時の人の視界って割と狭いから、

デッキチェアーに寝そべってみて見ると、それほどでもない。お見事

浅いプールの真ん中に張り出したデッキチェアーで、豚さんと日光浴出来るよ。

様々なプライベートブースがいくつも有って、Reservedのパネルも幾つか。。。

沢山のスタイリッシュな椅子があちこちに配置されていて、

椅子好きな私には見所満載

プールもデザイナーの手にかかればこんな風になるのね~。

勉強になりました。


明日はディナーの事なんぞ。

ちゃお