待ちわびる春へ

嬉しい便りがきた。待っていたけど片隅に置くくらいの期待だった。
嬉しかった。
丁寧に応えてくれる律儀さがありがたかったし、求めていること。
私を傷つけることもないと思う。
大切にしてくれるから大切にしたいと思える未来が見えてきた。

一方で決定的に傷ついた恋も思ったより影をひいている。
姿を見るたびに目が会うたびにすれ違っても会話ひとつないふたりになってしまった。
無意識に探してしまうのはそれでも愛しく思うのは愛憎で嫉妬だ。
ままならない、意のままにならないことにはらをたてているだけで、
これは執着や所有欲でしかないとほんとは気づいてる。
てにいれたくて仕方ないのに手に入ったとしてもきっと信じることはできない。
あきらめた恋だった。一度は棄てたものだった。

君が見えない。
だから私は先にいくね。