とある商店街。
ここに同級生がお店を出していると、風のうわさに聞いていた。
平日の、まだ夕食の買い物には早い時間。人もまばら。
以前に通りかかった際にはあまりの混雑に確認することができなかったが、
今日はその姿を見つけた。
とてもとても久しぶりに見る彼の姿は、思い出の中の幼顔から、
鼻筋の通ったステキな大人になっていた。
お客から声を掛けられたら機敏に対応できるであろう、構えと立ち姿。
そういえば、運動神経抜群だったことを思い出した。
皆より、一足先に社会に出たことで、クラスのだれよりも早く
現実を見つめて生きてきたと思う。
今ではお店を持つまでになって、その頑張りに対し、眩しい思いがする。
声を掛けずに行き過ぎたが、何だかうれしくて笑顔が止まらなかった。
また別の同級生と、電話やメールでやり取りをしているのだが、
少し前に「”鼻筋君”はどうしているのだろう?」という話をしたので、
早速連絡をした。
「元気でやっていることがわかりこちらも元気をもらった、
自分達もがんばろう!」ということだった。
やはり、彼女の心にもさわやかな風がそよいだようだった。
住まいが遠くなったり、生活時間やそのスタイルの違いによってなかなか会えないが、
それぞれの存在を確認するだけで、気持ちが浮き立つ、そんな一日だった。