UENOUTAのお絵描きとかブログ

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ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第十二話Part3

2024-09-07 19:00:21 | 日記
「ほらっこれ」
 
 幾代の奴が何かを放りなげた。それはどこかから持ってきたのかわからないし、よく見てもなかった。けどなんか「ほらっ」と言われたから野々野足軽ははそれに反応してた。けど……バサッとそれが落ちたのはかなり足軽から離れた所だっだ。
 
「ちょっと! なんでとってくれないのよ!」
「そんな事いわれたって……それならもっと近くに投げろよ」
 
 そこそこ離れた草むらに飛んで行った何か……それをいきなり取れというのは無理筋というものだ。いや、野々野足軽なら力を使えばとれた。けど流石にそこまでするほどでもなかったな……と思ってたのだ。てか取った方が不自然だろうと考える。
 
「てか何を何をなげたんだ?」
「え?」
 
 ガサゴソと一応飛んで行ったほうの草むらを探してみる。なにか貴重なものでもあったのか? と思ったからだ。それならちょっと気になる足軽だ。
 
「――虫だけど?」
 
 ピシッと固まる足軽。そして頭で高速で思考した。
 
(いやいや、虫? 違うだろう。流石に聞き間違いだ。だって女子高生が虫を掴んで投げるか? 普通「きゃー」というだろう。なんで掴んで投げてくるんだよ? そんな女はいない)
「え? なんて?」
 
 野々野足軽は確かめるためにもそんな声を出した。その時も野々野足軽の体は一切動いてない。まるで石のように固まってる。
 
「いや、だから虫」
「それは昆虫という意味の虫か?」
「それ以外何があるのよ?」
 
 寧ろなにかあれよ……と思う野々野足軽だ。てかなんで虫? 
 
「いや、虫なんて投げるなよ! なんでそんな事したんだ?」
 
 流石にここまで来たら振り返ってそんな風に声を上げる足軽だ。けど幾代はどうやらなんでこんなに足軽が怒ってるのかわかってない。ちょっと考えるような素振りをしつつ、何かを思いついたのか「ポン」と手と手を叩いた。
 
「大丈夫、投げたのは実はセミの抜け殻でした! 生きてるとおもった? そんな事しないよ」
 
 けらけらと種明かしをした幾代は笑ってる。確かに生きてる虫よりかは全然いいが……それでも怒らないわけはない。だって都会育ちの足軽と小頭にとってはセミの抜け殻だって十分に気持ち悪いものである。いや足軽はまだそれを掴むとかはできる。虫だって触ることだっでできないわけじゃない。けどいきなりはだめだ。それはセミの抜け殻だってかわらない。
 
「もうこれだから都会っ子は。案外よく見たら格好いいよ?」
 
 それを女子がいうのか……と思う野々野足軽。やっぱり田舎は色々とスゲーな――と感じた。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 62

2024-09-07 18:56:17 | 日記
 ポニちゃんが怯えてアーマーの機能が六割位使えない状態。こういう弊害もあるのですね。別になにか特別すごい攻撃を目玉達はやってきてる分けじゃないです。
 
 ただ単になんかすごい吸引力を披露してるだけ? といえる。けどそれにポニちゃんが異様に怯えてしまってる状態です。
 でも確かにあそこに腕を伸ばしたりしたら、ポニちゃんの体が吸い込まれそうではありますね。それがきっと怖いんでしょう。
 
「大丈夫ですよポニちゃん」
 
 私はそうつぶやいた。なにせこれまでさんざんお世話になってるのです。それに私がこうやって戦える許可をもらえたのはポニちゃんが力を貸してくれたから。私一人では絶対にこうやって戦わせてもらえませんでした。
 
 でも私だって戦いたかった。思いっきり体を動かしてワチャワチャした戦いをしたかったのです。それを叶えてくれたのはポニちゃんです。だからその感謝を示すためにも、今は私がポニちゃんを助けます。
 
 チラッ
 
 ――と私はアイ様を見ます。いや、ほら、もしかしたら彼女がペチョッと潰してくれるかもしれないじゃないですか? だって別にあの人なにも影響ないですし。けどアイ様はどこ吹く風です。自身に向かってくる目玉達以外はガン無視状態。
 けどきっと私達の状況は把握してるはずです。なにせそういう人ですし。それに危険ならそれとなく助けてもくれるはず。このくらいは私達の力でなんとかしろ――ということなんでしょう。
 
 とっさに私は壁に腕を突っ込んで耐えてましたけど、その壁もベゴっと剥がれて私は吸引力に負けて吸われます。
 
(この勢いを利用する? 勢いよく内部に入って破壊するのはどうでしょう?)
 
 私はそんなふうに考える。逆転の発想というものです。内部からなら簡単に破壊できるかもしれません。けど……
 
(だめだめ!)
 
 となんか伝わってきた。実際には声が聞こえたわけじゃないです。ただポニちゃんのそれはだめって感情が私に流れ込んできた感じです。そっかこれはだめですか……ならばどうするか。そんなことを考えてる間にも目玉の腕の大きな吸引口が迫ってきます。
 
(これはまずい?)
 
 私の頭が今までないくらいに動き出して、そして口ずさむ詠唱。さらに――
 
「ポニちゃんもお願いします」
 
 私はそういってその詠唱を何重にも重ねることにしました。