UENOUTAのお絵描きとかブログ

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ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第十四話part2

2024-09-19 02:51:48 | 日記
「あらあら、どうしたの足軽」
 
 暑い外から帰ってきたおばあちゃんはさっきまで近くの畑に行ってたんだろうと思える格好をしてる。頭には布が首まで覆うように垂れてる帽子に服も汚れていいようなものだ。
 そしてこんな暑いのに腕や脚も完全防備。絶対に暑いと思えるような格好だ。いつものおばあちゃんは細いから一瞬わからなかった足軽だ。
 
「いや、なんでも……ちょっと暑さにやられというか……」
「そうね、今日も暑いわね。それじゃあ、美味しい麦茶を入れてあげましょう」
 
 そういって玄関からキッチンの方へとおばあちゃんは籠をもっていった。そしてそこで「あら小頭。お兄ちゃんにも持って行ってあげなさい」とか言われてた。
 
 すると小頭が「んっ」と出てきて足軽に氷がたっぷり入った麦茶を渡してきた。それを足軽も「ん」といって受け取る。そして喉に流し込む足軽。
 
「プハァ!!」
 
 ――と気持ちよくコップの八割を一気に飲み干したら周囲にはもう小頭はいなかった。
 
(やっぱりショックだよな)
 
 家に帰ってくるまでは小頭はがっちりと……それこそ今まで以上に足軽にくっついてた。けどきっと家に無事に戻ってこれたことで安心したんだろう。それはとてもいいことだと足軽は思った。
 それにまだ実は昼にもなってない。だって本当なら三人で弁当をついばむ予定だったからだ。きっとあの村ではなく、もっと風景も雰囲気もいい場所でもあったんだろう。
 そこに育代は村の次に行く予定だったはずだ。流石に廃村で弁当なんて……な、と足軽はおもってた。でもあんなことがあって帰ることになった。流石に三人でいるのが怖くなるのは仕方ない。一刻も早く、大人たちがいるところに帰りたいと思うのはなんにもおかしなことじゃない。
 話したところで信じてはくれないだろうが、それでも大人というのは子供にとってもとても大きな存在だ。なにせ庇護者だから。だからその傍にいると守られてると思えて安心できる。
 きっとそんな風になって、小頭は落ち着きを取り戻したんだろう。そしてそっけないのは……
 
(きっと恥ずかしがってるだけだな……)
 
 足軽はそう勝手に思って優しい目で見てた。なにせ普段はそんなことないお兄ちゃんにべたべたしてたのだ。我に返ると恥ずかしくなるのは仕方ない。
 
「さて……」
 
 足軽は玄関の扉を見る。いや違う。足軽が見てるのは玄関じゃない。その先だ。その力を使って遠視をして彼はあの廃村に向けて視線を飛ばしている。

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 71

2024-09-19 00:05:35 | 日記
 伸ばした腕が時空間の狭間へと触れる。そうなるともう後は強制的にそれは起こる。時空間の狭間へと吸い込まれて、そして気づくと……元の場所に吐き出される。
 それは一瞬……いや、正確には一瞬でもない。だって……だ。だってそれには時間という概念が重複してるからだ。どういうことか……それはこの狭間が空間だけの狭間じゃないからだ。
 時空間……その意味を考えてほしい。この狭間は別の空間で、そしてこの場所とは違う時間が流れてる。それはいくらかこの現象を体験することで観測できた。
 いくつかの時計を用意することで、それを観測することができたのだ。私のこのコクピットある私の主観の為の時計。そしてG-01の体の内側に作り出した時計。
 さらにはG-01の外側に無理矢理つけた時計……それは単純に時計というか、ただ時を刻むだけのストップウォッチの様なものだ。全ては同時に動き出し、そして時空間の狭間に触れて次に私が元の場所に戻ったと気づいたときその秒数を確認すれば、違いが出てた。
 
 私のコクピットとそしてG-01の防具の内部に仕込んだ時計は変わらない秒数を刻み続けてた。けどG-01の体の外……そこにあった時計だけは違った。進んでた。時間が。そして二つの方、内部の時計は実は進んでたと言ったけど、正確には何もなってなかったというほうが正しい。つまりは時間は元のままだったのだ。
 それってこの時空間の狭間の中の時間は違うということだよ。てかメタリファーならこんなズレを合わせるなんて事は簡単に出来るんじゃないか? とおもった。
 だってメタリファーは時空間を司る番人である。もしかしたらその認識が間違ってる……という線もあるにはあるけど、事実としてメタリファーは時間と空間を操ってるのは私も見てる。
 だからあいつは簡単にそこら辺を操れるはずだ。ならきっとこれにも意味はある。メタリファーがこの状態で放置してる意味。それは……
 
「簡単だよね。つまりこの状態が完璧だからだ」
 
 ……そういう事だと思う。この状態が完璧に安定してるから、メタリファーはこの時空間の狭間の時間を外のこっちの時間と合わせてないのだ。つまりはそれって空間の安定には時間が必要ということになる。狭間の中では進み、そして私たちの時間は戻る……実は私はちょっとしたタイムトラベルを体験してる。それにも意味はある? 
 けどここは焦点を絞ろう。それは勿論時空間の狭間……それに対してである。安易に進まなければ――って考えるのは危険ということだ。だって普通なら時間が進まない=変化がない――と考えるだろう。だって時間が進んでないんだから、全てはその場で停滞してるはずだ。
 でも時間を内包してる空間は……違うのかもしれない。それを踏まえつつ、私はこの完璧な空間に干渉して、新たな出口を作らないといけない。キーワードは進んでる時間、安定してる空間、そしてそれを崩しつつ整えられるだけの処理能力、最後に戻ると時間は進んでない――である。
 
 それは一瞬だった。いや、とても速かったといっていいかもしれない。私が次に見たのはさっきよりもより近づいた巨大な円盤だ。