「ええーい!」
ズガーンと私の腕……というかポニちゃんの腕が伸びて目玉を押し出す。本当は破壊したいよ。けどただぶつけるだけではポニちゃんのこの腕では衝撃が足りないのです。
なにせポニちゃんの腕は……というか体は柔らかい。それはダメージを受け止めるには最高の体と言えます。けど、逆にダメージを与えるのには向いてないです。それはわかってたこと。
けど色々と応用ができることでもあるはずです。なにせそれは柔軟性と言い換えても良いことですからね。だからただパンチのように拳を握る……という感じじゃなく、もっと別のなにかにすれば?
「ポニちゃん回転です!」
私はそういって今度はポニちゃんの腕を回転させて伸ばします。けど……なんか違う……何も考えずにただポニちゃんに任せて回転させたら、腕が回転してるだけの伸びるパンチ……になっただけでした。
それは別に以前と変わりありません。私の予想ではもっとこう……回転が加わったパンチはすごくなる……そう、すごくなる予定でした。
(一体何が悪かったの?)
「ん?」
なにやら目玉達の中で、腕の先が広くなってる奴らがやってきた。それはある一定の距離で止まってる。そしてその先端をこっちにむけてる。レーザーでもだすのかしら? とか思ってると、なにやらビクッとポニちゃんがしたのを感じた。
一体化してますからね。ポニちゃんが私の事をわかってくれるように、私だってポニちゃんのことをある程度一体化してることでわかるのです。
それによるとなにやら……ポニちゃん怯えてる? 体の表面がブルブルとなってるような? そんな気がします。まさかポニちゃんが怯えるような攻撃? それが来るというの?
私は身構えます。すると風が……起こる? 見えない刃? いや、私の髪の毛が前に流れてる。向かってくる系じゃない! これは引き寄せる系だ!! 私がそう判断した瞬間、いっきに吸引力が強くなった。
「ポニイイイイイイイ!?」
そんなことを叫んで、ポニちゃんが一気にその体の面積を縮こませた。それだけどうやらこの攻撃? にトラウマがあるようです。でも縮こまれたら踏ん張ることが……できないです。
私はポニちゃんの腕や脚を伸ばして壁に貼り付けようと思ったのにこれでは無理です。そうやって耐えつつ、次の戦略を……とか思ってましたけど、そんな余裕はないみたい。
なにせ全く持ってポニちゃんは伸びてくれません。なんとかアーマーとしては維持しくれてますけど、これでは攻撃では期待できません。
それなら私自身が私の力でやるしか無いでしょう。覚悟を決めないと。私は力強く近づく目玉たちを見ます。