けど私とその世界の人達には決定的な違うがあるだろう。だって私が乗ってるこのG-01は全ての世界でもきっと一番と言えるくらいの技術が詰まってる。そしてその記録を残してた世界は私が伝ったこれまでの世界よりは確かにその技術は進んでた。
でもきっとG-01ほどでは絶対にない。だから彼らが足りなかった要素……そうそれがあれば私が失敗することを防いでくれるはず。過去の事象を元に、そして残ったデータを解析して、そして記録を再現。勿論それは仮想的なシミュレーションだ。
様々な可能性をG-01が計算してくれる。そして完璧じゃないデータでもある程度、こういうことじゃないか? ――という結果を導き出す事ができるんだ。いやそれは結果とは言わないかもしれない。
推論かな? でもそれはかなり角度が高い推論だから信憑性はある。更に……だ。更にここには完璧な時空間の狭間がある。これも大きい。だってこんなのG-01の中にだってデータはない。
それだけ時空間の崩壊というのは記録的には少ないということだ。まあそんなのが頻繁に起こってたらそれこそ恐怖だしね。そんな頻繁に時空間が広がって世界が崩壊してたら、流石にもっと記録が多いだろうし。
勿論全ての記録がG-01にあるとは思ってないけど、時空間の事故はG-01の中でも百件もない。
世界はかなりの数がある。それこそ無数と呼べるほどだ。その中には成熟した世界もあれば、未熟な世界だってある。きっと本当に様々な世界があるんだろう。そもそも世界とはどうやって生まれるのか? 今は空獣とかいう世界の敵によって世界が凄い勢いで減ってるらしい。
けどそもそもがそれを上回るくらい生まれてたら問題ないのでは? いや、それなら危機を感じるのはおかしい。でも実際、様々な世界……そして神が空獣を脅威に感じてる。それは確実だ。
「とりあえず、やってみよう!」
私の元にはとてもよいサンプル……いやお手本と、そして悲しいけど失敗の記録……それらがある。それらを慎重に分析した結果、私は時空間の干渉方法を自分なりに得られたと思う。
滅んだ世界に足りなかったもの……それは勿論慎重さとか、更には運もある。なんの知識もない相手が勝手に使おうとして、それがなぜかこれまでにない規模に拡大したという運の無さもある。
でも結果には原因があり、そしてそこに至った過程というのがある。流石に完全にその崩壊した世界を再現は出来ないから、G-01のシュミレーションだって完ぺきではない。
その世界の必然的な物質、それを完璧に知ることは出来ない。構成物質でやっぱり色々と反応とか変わるしね。でもそこら辺は優秀なG-01である。そこら辺は沢山のシュミレーション例でカバーできる。
それに深いところ……本質的なところは見えてる。わずかな要素が失敗に繋がる程に危険な時空間という事象な訳だけど、完璧な正解があるおかげで逆算をすることができる出来てる。
「だから私は出来る……」
私はG-01の腕を時空間の狭間へと伸ばす。