「ごめんなさい勇者様」
またまた勇者様に助けていただきました。私が不甲斐ないから……勇者様に迷惑を……腕はなんとか破壊できました。けど、私達を巻き込むかのように腕が爆発。その爆発範囲はそこまで広くもなかったですけど、至近距離にいた私達は巻き込まれて然るべきだったでしょう。
でも勇者様がかばってくれました。勇者様の腕の中で……聞こえる鼓動で……私は不謹慎にもちょっとドキドキしてます。
「大丈夫。つっ!?」
強がって見せた勇者様ですけど、ダメージはあったようです。いつもなら爆発の中心にいたって笑顔でやり過ごしてそうな……そんなイメージが有りました。
それだけ勇者様は頑丈なはず。けど今回は相手が悪いのかもしれないです。なにせこの船……それはどうやらかなり技術が高いからです。
さっきの爆発もただの爆発ではなかったのかもしれないです。
「勇者様……私のせいで」
「違うよ。それにこのくらい問題ない。一本は持っていけたんだ。素早くあれを倒そう」
「はい」
私は勇者様に同調してうなづきました。二本あった腕も今ので一本になりました。それならどうにかなる……そんな思いが私達にはあります。だってそうでしょう。残り一本となるとこっちの精神的な負担も軽くなる……というものです。
流石に一本では勇者様やアイ様の攻撃を凌ぐのは無理なはずです。私? 私のはきっとどうにでもできるでしょう。でもお二人には一本では対応できないはずです。
爆煙の中から、再び腕が見えてきます。片腕は元気ですけど、爆発した方の腕は手首の先がなくなってます。ダメージはそのまま。これならいけます! そんなことを思ってると、たくさんの部品が目玉を作ってたこの場所から引き寄せられるみたいに集まっていきました。
一体何が? と思ってると、その部品がどうやってなのかは全くわかりませんが、なんと新たな腕ができました。そんな……てかそんな風につくられてるんですか? それが私の素直な感想です。
「どうやら、もう一度壊さないと行けないみたいだ」
勇者様が私に背を向けて聖剣を構えます。それに触発されて私もレプリカの聖剣を構えました。そうですよね。「何度でも」……それが諦めないと言うことでしょう。
私はちょっとがっくりしてました。恥ずかしいです。一度だけで無駄だと……そんなことを思ってしまった。でも一度で諦めたらだめですよね。だってわたしたちはまだ戦えます。
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