UENOUTAのお絵描きとかブログ

 お絵描きや小説、YouTubeとかの報告とかしていきます。

ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第十四話Part3

2024-09-21 19:02:39 | 日記
 力を使って遠視をしてる野々野足軽。そしてそこには衝撃の光景があった。
 
「あがああああああああああああああああ!!」
 
 そんな化け物の叫び声。そしてバゴオオオン! やらドガアアアアン!! とあの廃村の周囲でそんな音が轟いてた。これだけの田舎で、周囲には時々一軒の家が山の中にある……程度のド田舎だ。だからこそ、これだけの音がしてても、どうやら気づいてる人はいないみたいだ。きっとこんなド田舎のあんな辺鄙な所の家にはお年寄りしか住んでないだろう。
 だからこそ、きっとこんな音がしてても家の中にいたら聞こえてないのかもしれない。実際はちゃんと耳を澄ませば、足軽の耳にもその音は届いていた。でもやっぱり遠視した先で見るほどの衝撃はない。おじいちゃんの家で聞こえる程度なら、どこかで工事でもしてるのかな? くらいの音になってる。だからきっと誰もこの音を化け物が争ってる音……とは思わないだろう。
 足軽はあのサルのような見た目の何か……は足軽を監視してたから、まだそれをやってたら、足軽の方から軽く挨拶でもして上下関係をはっきりさせるのも悪くない……とか思ってた。なにせさっきまで逃げに徹してたのは、幾代や小頭がいたからだ。今なら姿を消したとしても言い訳は何とでもできる。だから守る必要がない時に攻めに転じるのは戦略上重要なことだと思ってた。
 けどどうやらあの何かは、別の存在と戦ってるようだ。それは足軽達も見たあのこけしのような黒い靄。けど足軽達が見たときはただゆらゆらと揺れてる別段そんな強そうもでもない、ただ不気味な存在だった。でも今はどうだ? 別に今も強そうかと言われたら首をひねるが、何やらそれは大きくなってた。まるで村にいたあのこけしたちが集合して合体したかのような……そんな大きさになってる。
 そしてその黒い靄の体から、次々と棘のようなものを射出してるみたいだ。それは別にあのサルのような化け物がいる方だけに攻撃をしてるわけじゃない。全方位に向かってそれを出してる。なんと傍迷惑な……とか観戦してる足軽は思った。けど……確かに激しい戦いの音は聞こえてくる。けど……
 
(ん? 今、貫かれたはずの鳥が……なんの影響もうけてない?)
 
 よく見てるとそんなことがあった。だってあの大きくなったこけしは周囲に攻撃をばらまいてる。当然だけど、野生動物とかだってその被害を受けてしまう。でも……どうやらあの攻撃は動物には影響を与えないらしい。確かに衝撃として木々は揺れたりしてるから、影響を受けてる存在もあるんだとおもうんだが……どういう原理かはわからないが、動物たちは無事だ。
 
 でも確実にお互いにはダメージを与える事が出来てるみたいだ。だってサルのような化け物はその棘を一生懸命避けてるし、強引に近づいてはその腕を振るって、こけしの体の靄を削り取っていく。たしかにその時は穴が空く。けどすぐにその欠けた部分は戻っていく。あれはダメージとして蓄積されてるのか……こけしには目のようなところは見えても、そこから感情を推し量ることはできないから足軽にはわからなかった。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 72

2024-09-21 18:57:38 | 日記
「成功した……かな?」
 
 私は手元のストップウォッチを観た。入った時とズレの無い時間。どうやらちゃんとできたみたい。入った瞬間に早くなったような、いや逆に時間という概念を感じて遅くなったようにも感じたあの瞬間、私の拡張された思考にあらかじめ組み込んであったプログラミングがシステムに促されて発動した。
 私の有機生命体としての思考と、合理性を突き詰められるG-01のデータ。それによって導き出された時空間への干渉術式。それのお陰でどうやら上手く私は『前』に進めることができた。
 
 今まではどうあってもこの時空間に阻まれて私は『戻』ってた。進むことができなかったとも言い換えて良い。時空間の狭間が進むという概念を打ち崩していたのだ。
 けど、私やG-01の干渉によってはそれは反転された。今や誰が通ってもちゃんとこの場所に出ることが出来るだろう。え? それって大丈夫なのか? さあ? である。
 きっと問題があればメタリファーが勝手に修正するでしょう。なにせあいつにとってはこんな時空間の操作なんてのは児戯に等しいだろうからね。私はとても苦労したが、そもそものここの番人であるメタリファーなら文字通りこんなのは朝飯前のハズだ。
 
 というか……私は確かにこの時空間の法則を書き換えたけと、戻す方法はしらない。いや、理屈的にはわかる。私がやったことの逆のことをやれば、また元の法則を内包した時空間の狭間になるだろう。でも……だ。でも考えてみてほしい。
 そんなの面倒じゃん? 私の目的はあの眼の前の円盤に行ってみることである。そのためにこの時空間の狭間が邪魔だった。だから私はそれを攻略した――うん、それて終わりだ。
 戻す? それは私の役目じゃない。なので私はさっさと超でかい円盤へと近づく。てかこうやって見ると本当にでかい。有に端が見えないし……こんなのが上にあっても影一つ落ちてないって……まあここは不思議空間だからね。別に上から照明が当たってるわけじゃない。そういうことだろう。
 
 そして私は気付いた。色々とこの円盤の周囲をウロウロして思ったんだ。
 
「あれ? これどこから内部に入るんだ?」
 
 ってね。いやだってどこにも内部に侵入できそうな部分がない。これだけでかいんだよ? どこかにハッチ的な搬入口が在るはずなんだけど……恐ろしいほどにこの円盤……どこにもつなぎ目が見えないんだよね。恐ろしい精度でこの円盤は組み上がってるみたいだ。