UENOUTAのお絵描きとかブログ

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転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 66

2024-09-11 23:40:27 | 日記
 あれからどのくらい経ったのでしょう? 私はガムシャラに戦って前に進んでいました。私はただアイさんが言うように進んできただけ。すると……
 
「こっちこっち」
 
 そんな風に私達に手を振る男性の姿が見えました。勇者さまです。けどその後ろにはなんだか目玉が3つくっついたような化け物がいます。
 
「危ない!」
 
 私はそう言って駆け出します。でも――「ああ、大丈夫。だってこいつは――」
 私が近くに来た時に勇者様は続きを紡ぎます。
 
「――もう死んでる」
 
 すると、光の線が3つくっついた目玉に走ります。そしてそこから強い光が漏れ出てきて、バッガーン!! と弾けました。どうやらもう終わってたみたいです。
 
「よかった」
「ありがとう、それよりも……強くなったね」
 
 そういって私に笑顔を向けてくれる勇者様。その瞬間、顔がボッと赤くなったような……熱を持った感覚がありました。何でしょうこの気持ち? なんだか勇者様を直視できません。
 
 私は周囲に頭を回しながら、変な音を出してしまいます。
 
「あわわ、はわはわ、えっ? え? そのその……」
 
 そしてようやく絞り出した言葉がこれです。
 
「ありがとうございます……」
 
 下を向ききつつ、ちらっと私は勇者様の方を見ます。すると目があって優しげな瞳で笑いかけてくれました。更に高鳴る心音。まるで脳天を突き抜けたかのような……そんな気がしました。
 
「サボりですか?」
「そうじゃないだろ。待ってたんだよ。ちゃんとやることはやってるよ。はいこれ」
 
 何かを勇者様はアイさんに渡しました。それを彼女は胸の所に収めます。おっぱいに押し付けると何やら沈んでいったのです。
 それを見て勇者様はバッと顔を背けました。そんな様子をみて、何故かチクッと胸が痛みます。なんでしょうこれは。実際はあんまり二人はそんなに仲が良いようには見えません。
 会話だってそんなにするわけじゃないです。二人きりで居ても無言の事がおおいです。それか勇者様が会話を振ってるか。アイさんは必要な事、しか喋りません。 
 でも、妙に勇者様はアイさんに歩み寄ってるような? そんな気がします。いえ、なにせ仲間ですからね。気まずいよりは気安い仲になりたいというのは当たり前です。
 それに優しい勇者様はきっと人間関係にも気を使ってくれてます。私にも優しい。だからきっと、気にするようなことじゃない。そのはずです。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 65

2024-09-11 23:36:39 | 日記
 私も多少はアイさんから魔法の知識を授かりました。けど本当にこの短時間での間、その説明を聞いてるだけだった私。アイさんはとてもペチャクチャ――はなんだか言い方がわるいですね。
 そう、ものすごい勢いでまるで口が回転してるんじゃないかと思うほどでした。でも当然、彼女と私の前提知識は全く違ってます。きっと私はアイさんが持ってる知識の一割もあれば良いほうでしょう。だからはっきり言って私には彼女の言葉ちんぷんかんぷんだった。
 だから私自身はなにかした……ということはないです。でも考えてみたら私が教えてもらった魔法だって別に超常のなにか……が作ったわけじゃなく、教会が長年かけて作ったと、そういう風に聞いてました。
 ならば改良だってできておかしくないです。それも私達の世界よりもずっと進んでるアイさんならなおさらでしょう。
 
「すごい……」
 
 私はポツリとそんな風につぶやく。だって今私はいままでよりも多くの魔法を使った。けどその前……それこそ太くしたあの光線よりも疲労度が全く違います。あのときは実際もう倒れそうだったと言っていいです。
 なんとか私は……いや私だけじゃなくきっとアイさんもそれらから勇者様もでしょうが、自身のエネルギーが切れたとしても、きっと緊急で補充するためのなにか……をもってるはずです。
 私が身につけてるアクセサリーであるように、それぞれになにかあるでしょう。それがあるからこそ、私は倒れる事はありませんでした。けどあれで私自身の魔力はすっからかんになってました。
 なので本当ならあそこでおしまいです。自然に魔力は回復しますけど……
 
(いえ、世界が変わりるとそれはないんでしたっけ)
 
 たしかそんなことを言われたような。だからこそ、自身のエネルギーである魔力は元の世界にいたときよりも大事にしなさい――という注意事項がありました。魂から漏れ出るエネルギーで徐々には回復できるようですけど、それは元の世界での自然回復の十分の一くらいとかなんとかだったはず。
 だから私はあの時、ピンチだった。追撃があったら危なかったし、自然回復……なんてのは望めなかった。それから私はアクセサリーで回復して、実際回復した今は、元よりも調子がいいくらいです。
 それに一度私を全快にしたくらいではアクセサリーにあるエネルギーは尽きはしないみたいです。まだ何回か分はあります。実際こんな小さなアクセサリーに自身以上の力が宿ってる……というのはなかなかに不思議な感覚です。でも事実ですからね。
 そして今、確信しました。
 
「すごいですアイさん! 沢山の魔法の使ったのに疲れ具合が全然違います!」
「かなり無駄が多かったから……それをちょっと直しただけよ」
 
 そんな風に謙遜するアイさん。でも私にはどこをどうしたらこんなにも変わるのかわかりません。やっぱりアイさんもすごいです。