UENOUTAのお絵描きとかブログ

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ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第三十六話part1

2025-02-17 19:29:55 | 日記
 そうやって何とか芋虫妖怪も柱にできた。これによってかなり広範囲、少なくともこの街の範囲くらいは行けるだろう。もしかしたらこの街の外に行ってる妖怪もいるかもしれないが、でも結構妖怪たちはそこらへんにいる。あまり遠出はしないみたいだ。それにそもそもが強い妖怪が遠くにいくイメージがあった。でもそんな強力な奴らは既に柱になってる。地獄の門からでて一目散に遠くを目指す……というのはしてないみたいだ。強力な妖怪たちも。
 なので徒歩移動くらいしか出来なさそうな雑魚い妖怪たちはなおさらそこらにいるだろうと考えられた。
 
「大丈夫おばあちゃん?」
 
 幾代は一番力を消耗してるはずだ。だって強力な妖怪たちを止めて、柱とした。そして命令をしないといけない。これからが、その最後の部分をやることになる。それもやっぱり幾代の力に頼ることになる。力……と技術。幾代の中にある呪術師としての知識は大いに役に立ってる。でもだからこそ、それを扱えるのが幾代しかいないから、彼女には負担が大きく偏ってるといえる。小頭は自分でも何かできれば……と思うが、その方法なんてない。そもそもが幾代がそれを許さないだろう。
 幾代にとって小頭は目の中に入れても痛くない程に溺愛してる孫である。孫のくくりとしては足軽だってそうだが、やっぱり男の子と女の子では対応が違ってしまうものだ。愛情の深さが違うわけじゃない。孫としてどちらだって幾代にとっては大切だ。でも男の子の方がより雑に? というか適当に扱えるのものだろう。それに対して女の子となると花よ蝶よと対応されるものだ。だからいくら小頭が苦しみを分かち合おうとしても、それがもしもできたとしても、幾代は絶対にそれを承諾することはない。
 
「だい……大丈夫。これでようやく四つの柱を作ることが出来たわね。ここからよ。この街にいる妖怪たちに命令を送らないと」
 
 力の共振、そして振動を起こして、四つの柱を共鳴させることで育代の命令をこの街にいるすべての妖怪へと伝える……そして強い妖怪の命令とあれば、弱い妖怪たちは従う……という見立てだ。実際そうなのはよくわからない。けど鬼男と鬼女が言うからにはそうなのだろうと小頭と幾代は納得してる。だって今更……というかここまできて? 鬼たちが二人をだます必要もない。彼らは自分たちの世界に帰りたいと……そういってるのだ。
 そしてそれが出来るかもしれない可能性がこの方法だ。だからこそ、この行動は鬼たちの願いにも沿ってる事だ。だから最後まできっと協力できる。
 
 少しだけ、流石に幾代には休憩をとってもらった。十分くらいの休憩だ。空から探した自動販売機でジュースを買ってきた小頭。それを四人で飲んだ。空き缶は鬼男と鬼女が片手で簡単につぶしてた。そしてこれまでできなかった話をちょっとだけした。二人の身の上話とかである。でもその時間はほんの十分くらい。
 
「やります」
 
 そういう幾代の決意と共に、この街すべての妖怪たちに伝える命令を発信することにした。

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 180

2025-02-17 19:18:44 | 日記
「人権……ですか?」
『ああ、人権とは人らしく暮らす権利の事だな』
 
 いや、知ってるけど。まあ私が知ってる『人権』とG-01を作った世界の『人権』が同じかはわからない。でも聞いた限りでは同じっぽい。人としての権利を認める――ということが人権だろう。まさか世界が変わってもそれを聞くとは……
 
「でも、私普通の生命じゃないですよね?」
 
 そうだ。人権は確かに大切だ。でもそれって試験管ベビーとかにも適用されるの? そこら辺が色々と問題だったような気がするぞ。でも彼が言うにはどうやら私にも人権は認められてるみたい? だからこそ、私は私の意思で行動出来てるわけだからね。
 つまりはかなりそういう意識が進んでた……ということか。
 
『俺の世界ではそういうのはうるさかったからな。人権だけじゃない様々な命に対する保障や保護を主張する奴らはおおかった。そのせいでどれだけ科学の発展を邪魔されたか……』
 
 なんか個人的に彼には恨みがあるみたいだ。確かに科学の発展と、そういう権利というのは衝突するというのは歴史が証明してるよね。非人道的な行いをなくすために権利を公にする……という目的もあるしね。
 けど何もできなくなると科学の発展とかは阻害されたりする……というのが科学者とか技術者からする主張なんだろう。まあだからって非人道的なのはダメだとは思う。
 
「私もあなたの世界に行くと一人の人間として扱われるってことですか?」
『残ってればそうなるな』
 
 残ってれば……ね。でもよかった。いつか世界を渡ってればその内G-01や私自身を作った世界へもいけるかもしれない……とは思ってた。その時、ただのG-01のパーツみたいに扱われるのは嫌だなって思ってたんだ。
 少なくとも私には人権があるようだし、パーツとしては扱われないだろう。
 
『さて、全ては順調に引き継がれた。いい機体だ』
「もちろん、私のですから」
 
 なんかG-01を褒められたら自分の事のようにうれしい。けどどうやら彼がそういったのには他の理由もあるみたいだ。
 
『彼女の意思が残ってる』
 
 そういえば彼が想ってた彼女は機械的な発展を支えてたような天才だった。ならば……確かにG-01の方には彼女の作り上げた技術が多く使われてる可能性はある。
 
『ソードコアの注意事項はある程度渡しておいた。理論もそっちの奴が受け取っただろう。あとは……君たちが検証してほしい。なにせ上手く行ったのは初めてだからな。これは歴史に残ることに違いない』
「長年の研究の成果……とかですか?」
 
 私は満足そうな彼を観てそう聞いた。けど……彼は首を振るう。
 
『俺の専門はこっちではない。だが……それら全てを託す。その相手が来てくれてよかった。やはり俺の判断に間違いはない。そしてこれこそが、俺の研究の集大成だ』
 
 そういうと、何やら響くアラーム。外の映像を見ると、ここにきて一切姿を現さなかったメタリファーの姿がこの船の外にあるらしい情報が入ってきた。そして彼はいう。
 
『約束を果たすときだ』