最近 久しぶりに不動産屋さんとの付き合いをしています。
不動産業というのも、また業界の革新の必要性が叫ばれながら、一向に変化の気配のない業界だなぁ・・・
不動産屋さんというのは、企業の採用担当の人事と似ています。
店子が信用できる借り手かどうか?家賃を滞納しないか、家をめちゃくちゃにしないか。
人事にたとえると、遅刻しないでちゃんと勤めてくれるか、優秀かどうか?
そんな風に人を見るわけです。 評価の基準ははっきりしています。
賃借人。そこには、白か黒かしかなく、その人が苦労してきた人なのか。
ラクに支払いができても払わないで遊んでしまう人なのか、そうした個性は勘案なし。
ドライな世界です。
しかし、その評価に使用するモノサシのほうは…ほとんどありません。
不動産売買における信用評価のモノサシは、ただ一つ。
大企業にお勤めかどうか?
です。大企業にお勤めなら、支払いも滞らない、というわけです。
ちなみに私も名刺を渡すだけでタクシーに乗れる、という企業名つき名刺を保持した時代が
あり、その点をちょっと確認しましたが、仮にタクシー運ちゃんが”つけ”を会社の人事に
請求しても人事は「個人の事情には介入しません」と突っぱねるだけなのだそうです。
別に人事がその従業員に「ちゃんと支払えよ」と連絡してくることもないのだそうです。
それは要するに過去に使ってもいないタクシーのつけをどこからともなく流れてきた名刺
で根拠なく請求してくる運ちゃんその他がたくさんいたからなのだそうです。
なので、大企業にお勤めしていれば、万が一の際には個人の負債を会社が立て替えてくれると
いうのは的外れな期待です。もっと言えば幻想です。
けど、実質、不動産のやり取りに際して、個人の信用力、というのは、お勤め先しか測る
モノサシがない…
年収500万円で大企業にお勤めの人のほうが、年収2000万円で事業主の人より信用力で上
というのはよく聞く話。自営業の人は大変です。というか家屋敷がある人しか自営業できませんね。
ココのところが変わらない限り、親が子供に大企業を進める風潮は改まらないでしょうね。
でも、家賃の不払いをしない…なんてのは、はっきり言って常識です。ほとんどの人がちゃんと家賃を払っているし、家賃を払えるかどうか、ってのは、定収入があるかどうかより、
家賃と収入のバランスが取れているかどうかによる…と思います。
しかし、実際は年齢が上がるにつれ、信用力は上がるどころか下がります。ひどい話ですね。
老後は賃貸に住みたくても貸してくれる家がないことが多いのです。
■ レファレンスシステム
思うに、信用力の証明には過去の滞納履歴をつけるのがいいのではないでしょうか。
これはレファレンス(照会書)といって欧米では転職する際によく利用します。
レファレンスは誰でもよく、第三者であれば誰でも照会先になれます。
滞納があった人は信用力が下がる仕組み。滞納がないことを証明する書類というのが
普及すれば日本の不動産の売買も少しは流動性が高まり、適正化するのではないかと思えます。今は買いたくても買わせてもらえない人が多いし、借りたくても借りれない人が多く、
誰が借りてよく誰が借りてはいけないか?というさじ加減は不動産屋さんが閻魔大王のように握っています。
さらには大家さんとしての立場からいうと、部屋を掃除しないで散らかし放題の人よりも
掃除をキチンとしてくれ、モノを大事に扱ってくれる人のほうがいい・・・そういう人なら
多少は安く貸してあげたい!
…のですがそういう部分は、何が判断材料になるかと言うと…見た目。
ヤンキールックは駄目で、おとなしめワンピースルック(いわゆる義理の母に会いに行くカッコウ)がよろしいのだそうです。しかしそんなことではキレイ好きかどうかは分からない、というか分かるはずがない。
いくらキレイ好きでも家をキレイに保つために人が住むのではなく、あくまで人が
住むために家はあるのですから、家と言うのはやっぱり消耗品の部分もあります。
結局、そうなると掃除をする人かしない人か、というのは大家側のリスクとして取ることに
なります。
リスクが大家側なので、掃除をしない最悪の人が住んでも出た後に容易にリセットできる家がいい、ということになります。
そうなると、貸すための家、というのは、消耗品が取り替えやすい家、ということに。
その消耗品とは・・・?
1)壁紙
2)床
3)設備(キッチンなど水周り)
です。つまり、家の印象を決める内装の大部分が消耗品。 消耗品であるからには究極には
トイレットペーパーと同じ原理で市場で選ばれるわけです。
・・・安ければ安いほどいい・・・
今現在市場で一番安い壁紙は塩ビニール壁紙です。質感最悪、で、接着に使われる糊が
シックハウス症候群を誘発し健康に悪い…と分かっていても塩ビが市場で一番安い以上
塩ビの牙城は崩れることはありません。
というわけで、賃貸市場ではその99.9%が塩化ビニールシートの家です。日本中で
ビニールに囲まれて生活しているわけ。考えたら気持ち悪いですね。これだけエコが
叫ばれていて、ビニールに囲まれて生活しているなんて。
つまり日本人は塩ビニールシートの家から逃れるには 自宅を購入するしかない わけです。
ところがココでまた立ちはだかる信用力の壁。
つまり、家を買うなら、大企業にお勤めか、即金で買うしかない、って訳です。
いや~日本ってホント生きづらい国ですよね。
ただこの生きづらさが何に起因するかと言うと
・信用力を測るモノサシは、勤め先以外にどうしたらよいだろうか?なんて考えるイノベーション力のなさ、
・現行の仕組みを変えられない、というイノベーション力のなさ
ということに尽きるとおもうんですが…。
子供たちに大企業にさえ勤めていれば安心なんていたずらに勧めなくていい未来を大人としては作っていってあげたいものですよね。
そこんとこ変えていこう!というのはやっぱり今閻魔様を演じている不動産さんには
期待しづらいです。なにしろ、一手に権力を握っているわけですし、たとえ店子選びに
失敗しても、不動産屋さんは一回の手数料で商売が成り立っているので、失敗リスクは
大家もち。
つまり信用力のない店子でもちょっと不動産屋さんに弾めば・・・ってことも可能なわけです。
うーん。イノベーションの風はどこから吹いてくるかなぁ・・・仕組みを変えられる立場の
人がいない…というのもこの業界が変わらない、変われない理由ですね。
不動産業というのも、また業界の革新の必要性が叫ばれながら、一向に変化の気配のない業界だなぁ・・・
不動産屋さんというのは、企業の採用担当の人事と似ています。
店子が信用できる借り手かどうか?家賃を滞納しないか、家をめちゃくちゃにしないか。
人事にたとえると、遅刻しないでちゃんと勤めてくれるか、優秀かどうか?
そんな風に人を見るわけです。 評価の基準ははっきりしています。
賃借人。そこには、白か黒かしかなく、その人が苦労してきた人なのか。
ラクに支払いができても払わないで遊んでしまう人なのか、そうした個性は勘案なし。
ドライな世界です。
しかし、その評価に使用するモノサシのほうは…ほとんどありません。
不動産売買における信用評価のモノサシは、ただ一つ。
大企業にお勤めかどうか?
です。大企業にお勤めなら、支払いも滞らない、というわけです。
ちなみに私も名刺を渡すだけでタクシーに乗れる、という企業名つき名刺を保持した時代が
あり、その点をちょっと確認しましたが、仮にタクシー運ちゃんが”つけ”を会社の人事に
請求しても人事は「個人の事情には介入しません」と突っぱねるだけなのだそうです。
別に人事がその従業員に「ちゃんと支払えよ」と連絡してくることもないのだそうです。
それは要するに過去に使ってもいないタクシーのつけをどこからともなく流れてきた名刺
で根拠なく請求してくる運ちゃんその他がたくさんいたからなのだそうです。
なので、大企業にお勤めしていれば、万が一の際には個人の負債を会社が立て替えてくれると
いうのは的外れな期待です。もっと言えば幻想です。
けど、実質、不動産のやり取りに際して、個人の信用力、というのは、お勤め先しか測る
モノサシがない…
年収500万円で大企業にお勤めの人のほうが、年収2000万円で事業主の人より信用力で上
というのはよく聞く話。自営業の人は大変です。というか家屋敷がある人しか自営業できませんね。
ココのところが変わらない限り、親が子供に大企業を進める風潮は改まらないでしょうね。
でも、家賃の不払いをしない…なんてのは、はっきり言って常識です。ほとんどの人がちゃんと家賃を払っているし、家賃を払えるかどうか、ってのは、定収入があるかどうかより、
家賃と収入のバランスが取れているかどうかによる…と思います。
しかし、実際は年齢が上がるにつれ、信用力は上がるどころか下がります。ひどい話ですね。
老後は賃貸に住みたくても貸してくれる家がないことが多いのです。
■ レファレンスシステム
思うに、信用力の証明には過去の滞納履歴をつけるのがいいのではないでしょうか。
これはレファレンス(照会書)といって欧米では転職する際によく利用します。
レファレンスは誰でもよく、第三者であれば誰でも照会先になれます。
滞納があった人は信用力が下がる仕組み。滞納がないことを証明する書類というのが
普及すれば日本の不動産の売買も少しは流動性が高まり、適正化するのではないかと思えます。今は買いたくても買わせてもらえない人が多いし、借りたくても借りれない人が多く、
誰が借りてよく誰が借りてはいけないか?というさじ加減は不動産屋さんが閻魔大王のように握っています。
さらには大家さんとしての立場からいうと、部屋を掃除しないで散らかし放題の人よりも
掃除をキチンとしてくれ、モノを大事に扱ってくれる人のほうがいい・・・そういう人なら
多少は安く貸してあげたい!
…のですがそういう部分は、何が判断材料になるかと言うと…見た目。
ヤンキールックは駄目で、おとなしめワンピースルック(いわゆる義理の母に会いに行くカッコウ)がよろしいのだそうです。しかしそんなことではキレイ好きかどうかは分からない、というか分かるはずがない。
いくらキレイ好きでも家をキレイに保つために人が住むのではなく、あくまで人が
住むために家はあるのですから、家と言うのはやっぱり消耗品の部分もあります。
結局、そうなると掃除をする人かしない人か、というのは大家側のリスクとして取ることに
なります。
リスクが大家側なので、掃除をしない最悪の人が住んでも出た後に容易にリセットできる家がいい、ということになります。
そうなると、貸すための家、というのは、消耗品が取り替えやすい家、ということに。
その消耗品とは・・・?
1)壁紙
2)床
3)設備(キッチンなど水周り)
です。つまり、家の印象を決める内装の大部分が消耗品。 消耗品であるからには究極には
トイレットペーパーと同じ原理で市場で選ばれるわけです。
・・・安ければ安いほどいい・・・
今現在市場で一番安い壁紙は塩ビニール壁紙です。質感最悪、で、接着に使われる糊が
シックハウス症候群を誘発し健康に悪い…と分かっていても塩ビが市場で一番安い以上
塩ビの牙城は崩れることはありません。
というわけで、賃貸市場ではその99.9%が塩化ビニールシートの家です。日本中で
ビニールに囲まれて生活しているわけ。考えたら気持ち悪いですね。これだけエコが
叫ばれていて、ビニールに囲まれて生活しているなんて。
つまり日本人は塩ビニールシートの家から逃れるには 自宅を購入するしかない わけです。
ところがココでまた立ちはだかる信用力の壁。
つまり、家を買うなら、大企業にお勤めか、即金で買うしかない、って訳です。
いや~日本ってホント生きづらい国ですよね。
ただこの生きづらさが何に起因するかと言うと
・信用力を測るモノサシは、勤め先以外にどうしたらよいだろうか?なんて考えるイノベーション力のなさ、
・現行の仕組みを変えられない、というイノベーション力のなさ
ということに尽きるとおもうんですが…。
子供たちに大企業にさえ勤めていれば安心なんていたずらに勧めなくていい未来を大人としては作っていってあげたいものですよね。
そこんとこ変えていこう!というのはやっぱり今閻魔様を演じている不動産さんには
期待しづらいです。なにしろ、一手に権力を握っているわけですし、たとえ店子選びに
失敗しても、不動産屋さんは一回の手数料で商売が成り立っているので、失敗リスクは
大家もち。
つまり信用力のない店子でもちょっと不動産屋さんに弾めば・・・ってことも可能なわけです。
うーん。イノベーションの風はどこから吹いてくるかなぁ・・・仕組みを変えられる立場の
人がいない…というのもこの業界が変わらない、変われない理由ですね。