ゲイリーマンのカミングアウト的思考

長年サラリーマンしながらLGBT活動。45歳にしてフリー。同性愛者らが自分らしく生きられる社会を地方から目指す。ミラー版

同性パートナーの相続認めず。あなたは居候・・

2020-03-28 11:20:13 | Weblog
同居生活を40年以上続けたゲイカップル。
急死した同性パートナー(75)の火葬への立ち会いを拒否され、ともに築いた財産を相続できなかったのは違法だとして、大阪府の男性(71)が親族に財産引き渡しや700万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、大阪地裁は3月27日、請求を棄却した。

男性側は、生前に財産贈与の合意があったと主張したが、裁判長は「男性の供述以外に証拠がない」として、合意の成立を認めなかった。
親族は男性について、「(パートナーが)雇用している従業員で、同居の居候と認識」を裁判所が認めた。

この裁判の経過を気にしていたが厳しい結果だった。
自分たちも長年同棲もしてきたゲイカップルなのでこの判決は堪らない。
老後に自分らもこんな仕打ちを受けないといけないのかと思うと震えてくる。
40年付き合ってきた関係が、ただの居候だとされるなんて・・・あまりにひどい。

この裁判のお二人は、二人で事務所を開いて長らくともに仕事をしてきたそうです。
生活も仕事も一緒に仲良くされてきたのでしょう。
養子縁組や遺言なども検討していたそうですが、亡くなった彼には母がいて、その母にはゲイであることを伝えたくないと考えていた。
そうして年をとり、ようやく母も亡くなり、そろそろ養子縁組をと考えていた矢先、彼は銭湯で急死した。

事務所の名義も口座も、生活上自宅や口座の名義も亡くなった彼になっていた。
仕事上も、亡くなった彼の仕事を手伝う従業員であるという形になっていた。

そして、遺言もなかったので残された親族(兄弟だろうか)がすべてをもっていかれました。
残された彼は何も手出しできないまま追い出されてしまった。


同性カップルの関係の不安定さは、老後や相続の時に一番に表れてくるとしみじみ思う。
せめて自筆遺言でいいから残してもらえていれば良かったろうに。

裁判では亡くなった人の意思が何も残されてないということは、彼に残す意思はなかったのだとされたのだ。
70歳も過ぎた大人が、もし自分が亡くなったらどうなるか?を考えてなかったということは考えにくいという捉え方もある。
想像だけど、この二人には強烈な上下関係があったのだろうか?亡くなった彼の支配の中での付き合いだったのか?
遺言が無ければ、財産は当然親族に回っていくことは分かっていたはずだ。

亡くなった彼も、もう少し残される彼のことを考えてあげて欲しかった
残された彼も、もしもの場合に自分がどうなるか?ということを真剣に彼に相談しておく必要があった

悔やまれる
亡くなった彼も想定外の死であったのなら、死にきれないだろう。

財産をすべて片方が握ってしまうことは危険だなあ、いろいろできる工夫はあったろうに。
ただし、人はいつ死ぬのか分からない
この二人も、まさか急になくなるとは思ってなかったろう。
そのうちにと思っているとまさかの日がくるのだろう。恐ろしい。

もし亡くなった彼が遺言を残し、すべての財産は彼に残すとしていれば、相続税はかかるけれど(親族なら無税になることが多い)相続することはできただろう。兄弟への相続は、本来遺留分もないのですべてを引き継ぐこともできただろう。
その場合でも、お金に目がくらんだ親族が遺言を無効として争うことは考えられるが、今回のように裁判所に「男性の供述以外に生前に財産贈与の合意があった証拠がない」とまで言われることはなかったろう。

ゲイカップルはいくら長年つきあっていても、法的にはただの他人
長年同居していても、ただの同居人なのだ・・・
男女の場合では、通常これらは内縁関係として認められ、結婚ほどではないが二人の関係は守られ相続もできる
法的関係があまりに薄い私たち同性カップルは、この厳しい現状の中で生活していることにもっと意識的になっておかねばならない


今回の裁判結果をもとに、だから同性婚が必要なのだ!!と活動に利用している人もいる。
しかし、この二人は親族にはゲイカップルであることを伝えてなかった、隠していた。
仕事の付き合いの人には兄弟だと言っていたとも聞く
亡くなった彼は、長年クローゼットとしてカミングアウトをしてこなかった。
そんな二人が同性婚があったとして、利用しただろうか?
親族に遠慮して、特に母親に知られないよう、母親の存命中は絶対にできなかったろう。

自分も戸籍に関わることは親の存命中はしづらいなと考えている。
この日本でできることは養子縁組をして彼を子どもとすることで家族になる方法だが、親の存命中は親の許可なくできないと思う。
自分らの関係を親は知っているし、尊重もしてくれているが、家の財産相続に関わる養子縁組となると親は難しく考えるだろう。

一部の自治体であるパートナーシップ認証制度を手続きすることも、隠れた当事者にはできないことだ。
また、この制度があっても相続のことはまったく別なので、残されたパートナーが守られることはほとんどない。
パートナーシップ認証制度も今回の事とは関係ない。

本当に社会を変えたいと考えているなら、活動家はカミングアウトできる当事者のことよりもカミングアウトできにくい当事者が生きやすい社会の変化を考えるべきではないのか?
自分はそこを考えてLGBT理解増進法の必要を考えている。

同性婚といった社会の制度の根底から変えなければ自分たちの生活は守られないのか?
社会にあわせ隠れた当事者ほど、そんな途方もない気の遠い話はないなと考えるだろう。
夢見る制度のことでなく、現状の中で自分たちの生活を守る方法をもっと真剣に考えておかねばならないのだ!と今回の裁判をみても改めて思った。

虹力(にじから)スペースでも、生活防衛策について話し合っていきたいと思う。
また弁護士の方にも話を聞ける機会もつくっていきたいと考えています。
いろいろみんなで話して事前に考えていける機会を作っていきましょう。皆さんの思いを聞かせてください。


■同性パートナー訴訟、請求を棄却 相続や火葬参列認めず、大阪地裁 (共同通信)
https://this.kiji.is/616167344131982433?fbclid=IwAR0-fHSyNfDZvd5yW5wk2lyI3yY-SLKmtj-Ar71SDlehz1lzcnZxKQ7ZDGI
■同性パートナーの相続認めず 親族「居候と認識」―大阪地裁 (時事通信)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020032701015&g=soc




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http://rainbowpride-ehime.org/shisetsu/
(同性愛や性別違和、LGBTQ+かな?という皆さんや支援者の方が気兼ねなく過ごしてもらえる場です)
運営 レインボープライド愛媛 
http://rainbowpride-ehime.org/

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コロナでもスペースは開けていますのでお越しください。
 
3月28日(土)14:00 ~18:00  
3月29日(日)14:00 ~18:00
4月4日(土)14:00 ~18:00  
4月5日(日)14:00 ~18:00

正確な開館情報はサイトのカレンダーをチェック
http://rainbowpride-ehime.org/shisetsu/
(利用にあたってスペース維持のためにカンパご協力をお願いします)


●えひめLGBTカレッジ
4月5日(日)14:00~18:00
新型コロナ蔓延防止のため取りやめとなる場合もあります。
(当日、虹力(にじから)スペースは開けています)
学生や若いLGBTのみんなで交流会(10代20代あたり)
中高校生も、専門学校生もOK!学生でない若者もぜひ! 
参加費300円以上のカンパ

●カレジジイ会 
4月5日(日)14:00~18:00
新型コロナ蔓延防止のため取りやめとなる場合もあります。
(当日、虹力(にじから)スペースは開けています)
若くないゲイたちが若者に張り合ってしゃべる会!?(笑)
参加費300円以上のカンパ

●レインボープライド愛媛・家族の会 (今回は取り止め) 
※2020年3月22日(日)18:00~の予定でしたが、新型コロナ蔓延防止のため取りやめとします。
次回の開催日は未定です。
LGBTの親御さんや家族のための交流会
食事会もあるので当事者の参加もOK 
1000円以上の利用カンパ(カレッジ参加者は800円~) 
次回開催日はおってお知らせします


レインボープライド愛媛
http://rainbowpride-ehime.org/




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