今年の夏の話だけど俺の彼氏(二十歳)が学校(高校程度)に提出したと書いたことがありました。
いずれ公開すると書きましたがそれっきりで。
今年が終わっちゃう前にその人権作文を公開しますね。
つたない文章ですが、良く書けていると思います。優しく読んでやってくださいね。
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2005年8月13日東京レズビアン&ゲイパレードに初めて参加しました。
これは、私たち同性愛者の人権を認めてもらい世間一般の偏見や差別をなくしていこうという運動のひとつです。
世界でも約30カ国で同じようなパレードを行っています。
私は、昔から「キモイ」「変人」「オトコ女」「男らしく」などと言われ続けてきました。
でも反発するように「何がいけないの?僕は僕だもん」って心の中で思って強く生きてきました。
そして15歳の時、母親に「僕は男の人が好きなんだ」と言いました。
その時、母親は何も答えてはくれませんでした。
次の日、顔をあわせるのが不安でしたが、何事も無かったかように接してくれ、今では普通に彼氏の話をしたりもします。凄く嬉しくて感謝しています。
でも最初聞いたときは母親は泣き崩れたと聞きました。
さて、東京レズビアン&ゲイパレードについて話します。
まず代々木公園を起点に渋谷・表参道を通ってデモ行進をします。
今回は3500人の人達が思い思いの格好をし、自分が主張したいことをプラカードに書き、虹色の旗を持って歩きました。
虹色の旗は、色とりどりにいろいろな色があるように人も多様である、ということを示した私たち同性愛者のシンボルです。
私も旗を持って歩くことで今まで以上に自信がつき強く生きていこうという誇らしい気持ちになりました。
沿道にはたくさんの人たちが、さまざまな視点や角度から見ていました。
その中で、高校生くらいの2人組の男の子たちにびっくりしました。
一人の子がパレードの楽しいノリに興味を持って「ついていってみようよ!」と言ったのですが、
もう一人の子が「お前なに考えてんだ、俺たちまでそう思われるやろ!」と言っていたのです。
そのとき、その子の心の中にある差別意識が出てきたことがとても悲しかったです。
このあふれた情報社会の時代でも、何かのチップを埋め込まれたかのように固定観念を持って表現する人がいることに、それもあんな若い人でも、と差別の根深さを感じました。
パレードの前に、大阪府議会議員の女性が、この日レズビアンだとカミングアウトしました。
その女性が「私がレズビアンだと気がついたとき、この世で一人だけ変ななんじゃないか」と思ったそうです。
でもたくさんの仲間がいることを知ったとき、すごく自信や生きる勇気をもらったそうです。
今も孤独に一人悩んでいる人もたくさんいると思います。
それは、この国にはしっかりとした法律も無いし、世間の縛られた意識の中に埋もれているからではないかと思います。
性的指向(異性愛・同性愛)には人格がそれぞれ多種多様であるように、多様な性があってもまったく不思議ではありません。
今世界の国々では同性愛者の人権を認め同性同士の結婚制度もあるのです。
しかし日本では、まだ法律も無く差別意識が高いのが現状です。
あなたの周りにも、同じ授業を受け、給食を食べいている、すぐ身近に存在しているのです。
この現状を変えていくためには、当事者である私自身が声を上げ目に見える存在になって主張をしていかなければ何も変わりません。
これは、どんな人権や差別の問題でも同じであると思います。
一人の個人の小さな力であっても、変えてやる!と強い意志を持っていれば必ずいつかは幸せな未来が待っていると、私はこの夏強く感じました。
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拡大読書機という字を大きくする機械を使って、彼が一生懸命原稿用紙に書いたこの作文を見せてくれたとき、俺は嬉しくてね。今年一番の宝物だと思う。
俺が日頃話していたことも、この夏パレードで二人感じたことも彼なりに表現されててね。
この作文を学校の宿題で提出した。
彼にとっては初めて正式に行った社会に対するカミングアウトだ。
人権担当の先生が預かっているそうだが、この先生、この作文をどう扱うものか悩んで自分で納めてしまっているらしい。
直接聞いてもまだ悩んでいるのだとか。
彼としては何のために書いたか分からないですよ。ちゃんと考えてくださいとお願いしてるそうだ。
先生に強烈な宿題を突きつけているというわけだ。
この人権担当の先生とは運動会のときに俺とも会って挨拶させてもらった、後で彼が彼氏ですと紹介したようだ。
埒があかないので、彼は別の仲の良い先生に、こういった作文を書いたことを話し、先生に借りて読んでみてくださいとお願いしたとか。
その先生、ちゃんと聞いたらしいけど、うーんとごまかされて読ませてくれなかったらしい。
仕方ないからと、その先生にはコピーを見せて読んでもらったんだと。
俺の彼氏もなかなかやってくれます。
さー先生どうする!?
とりあえず棚上げはいけませんよ!