通勤時に気になるヒトがいる。自宅から最寄り駅まで歩く途中、自転車でオレを追い抜いていく女子高生だ。平日はほぼ毎日、見る。なぜ気になるのかというと、脚のキレイさだ。ふくらはぎ、足首は見事に締まり、太ももも適度なふくらみを持ちながら引き締まっている。ただ痩せているわけではない。内からあふれるエネルギーに満ちた、はち切れそうな見事なフォルムなのだ。そして、これも見事な小麦色。想像をたくましゅうするに、きっと、テニス部か陸上部なんだろう。
最初に気付いた時は、模様のない黒いリュックだったが、夏前になると、何て呼ぶのか知らんが、女子高生がよく持っているカバンを背負うようになった。「部活を引退したんだな」と思っていた。
(写真・本文とは関係ありません。マドンナは膝上20センチ以上)
おカオを拝顔したいと思っていたんだが、いかんせん、よほど高級車に乗っているのか、近付く音が聞こえない。ちなみに、オレは日陰を選んで左側歩行をしている。気が付くと黒い自転車とキレイな脚が通り過ぎていく。そしてすごいスピードで視界から消える。同級生にほのかな恋心を描いた数十年前を思い出した気分だった。
それが、夏休み明け、リュックに戻ったが、脇にはいくつかのマスコットをぶら下げていた。そして、驚くほどスカートが短くなっていた。夏休みに何かあったのかな? と思っていたが、最近、信号待ちでなんと隣あったのだ。まぶしくて正視できなかった・・・のは数十年前だろうが、しっかりとご尊顔を見させてもらった。
篠原涼子をきつくした感じか。髪をかき上げる仕草は、色気というより、スポーツ選手のそれだった。そして、信号が青になると、彼女はいつもの通り音もなく走り始めた。しかし、自転車の後輪の枠(何ていうんだっけ)に貼ってある高校のシールだけは読めた。きっと、学校の駐輪場の許可証みたいなもんなんだろう。
夜、家に帰ってその高校をネットで調べてみると、偏差値62の公立校。そしてビックリしたのは、学校の位置だ。オレが向かう最寄駅から2つ先の駅と3つ先の駅の中間くらいにある。どこに住んでいるのか知らないが、短く見ても10キロ近くあるだろう。それを毎日往復するには、高性能自転車もうなずける。逆に、自転車往復生活となると、ヘンな街遊びも覚えなくていいかなとも。ここまでくると、親の気持ちだ。
月曜も颯爽と追い抜いて行ってね。