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創作怪談 第三夜 審判 後編

2006年07月22日 00時19分29秒 | ウェブノベル
目の前で兄を処刑された少女。いや、自分の手で兄を死に追いやったのだが、平然とした顔で次の日の審議に顔を出した。
時々、空間を見つめてブツブツと何か唱えていたが、意識ははっきりしており、大広間に集まっている人達に目を向けて審判をくだした。

全ての罪人と、自分の両親の死罪を。
それから来る日も来る日も処刑は続き、連日町に火が放たれた。

ついにある日、大臣の一人が少女に問いつめた。
こんなことをしてたら国がつぶれてしまう。
少女は答えた。

「神の意思です…」

そう言われたら逆らえない…。
そして彼女は少しななめ上を見てうなずくのだった。
そこに兄の霊がいたのかは、今となっては定かではない。
ただ、この騒ぎは国民のほとんどを失うまで終わらなかった。

少女の役目は、民やみんなを兄のいる「あちら側」に送る事だった。
力が衰えたこの国が、燐国に攻められ朽ちはてるのに時間はかからなかった。
陥落していく城の中で、少女は満面の笑みを浮かべていた。
家族たちにかこまれて…。

「やっと私もあっちの世界にいける…」

第三夜 後編終わり
(この話はフィクションです)

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