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絵じゃないかおじさんぐるーぷ
<ドン作雑文集より>
平成初めの頃です。
「男と二人むつびあふ時にも、嬉しいとは一夜も思はなかった。」
こんな女性の態度は男には、すぐに伝わるものだ。君が輝いている若い間は、それはそれで持つかも知れないが、そんな時代はアッという間に終わる。せいぜい半年~1年がいいとこだ。君にも皺が増え白髪が生え歯が欠け目も悪くなる時は、すぐにやってくる。姿・形なぞは一刻のまやかしもの。それに、また、いつ何時、病気や交通事故に遭遇し、姿・形が一変するかわからない。その落差を救うものは心だ。心の繋がりしかない。君の悲恋の原因は、自分の心を甘やかし、恋を甘く見すぎたことだ。また、男の心を軽く扱ったのもいけない。男がのぼせ上がっているのを、いいことに、その地平に安住しすぎていた。君も、もっともっと燃えなければならなかった。愛とは己が己を燃やし燃えるものなのだ。別れる時、相手の男にすがりついて泣いてもごらん。彼も君を捨てて、親父にくっついて陸奥の国などへ行かなかったに違いない。親父や権力と大喧嘩してでも、君を手放しはしなかったはずだ。もっとも、ゼンジー(君の恋人の呼び名だ)が、どのくらい、君のことを想っているかによるものだが・・・
つづく