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絵じゃないかおじさんぐるーぷ
* 新益京のワープロ(028)
私は、ワープロを使う時、
マニュアルは手放せない。
ちょっと複雑なことをすると、
即落し穴に落ち込んでしまう。
それを、だ!
ガキ(私の子供たち)どもは、
いとも簡単にマニュアル無しでボカスカ扱うのだ。
ファミコン・パソコン慣れしていて、キーボードなど
恐がりはしない。
親父の威厳もクソもあったものではない。
ある日のこと、サヤカがワープロを打ってみたいと言い出した。
彼女の能力も大分上がってきて、
周囲1km以内に人が居なければ話しかけてくる。
このあたりでも10km以内に人が居ないところなど
限られている。
荒れ模様の天気の日に山の、
それも大分奥深い所でないとそういう条件にならない。
少々の雨では人が出ているからだ。
つづく
あ@仮想はてな物語 新益京のワープロ(2/3)
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絵じゃないかおじさんぐるーぷ
荒れる山のなかは恐ろしい。
路は滝のような水が流れ川のようになる。
岩も転がり落ちてくる。
木は左右150度ぐらいに揺れ動くし、
山全体が日頃の欝憤を晴らすように、
猛烈な口喧嘩をしているようになる。
サヤカと、どうしても話をしたい時には、
そういうなかを走ってゆかなければ
ならなかった。
しかし、これからはそんなことをしなくても気軽に
話ができそうだ。
有り難い。
投資しただけの価値はあった。
サヤカも、駄犬コロのように暇を持て余しているに違いない。
普段の日は、カバーを掛けられて一週間に一回しか、
お呼びが掛からない。
かといって、私は、しがない会社員。
土・日以外は、そうそう乗れるものではない。
定年になったら思う存分連れ回してやるからな、
と言っても、
お互いヨレヨレのジイちゃんと、
スクラップ寸前のマシンレディ。
ああ、術なきものか、世の中の道。
憶良じゃないけど、ボヤきたくなる。
つづく
あ@仮想はてな物語 新益京のワープロ(3/3)
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絵じゃないかおじさんぐるーぷ
サヤカは、暇つぶしにワープロでも覚えたいのだろう。
けれども、練習できるのは土曜日の午前中、Oさんが買物に
行っている間だけ。
まあ、それでも刺激にはなるか。
彼女はもの覚えがいい。
エンジンを掛けて変速ペダルの所へ割り箸を括ってやると、
器用なキータッチで、ワープロを打つ。
大したもんだ。
機械、機械と侮ってはいけない。
実は、ここだけの話ですが、
この文章は、彼女に打たせたものなのです。
次々と ワープロ・パソコン 生まれ来て
金は続かぬ 頭は持たぬ
ち ふ
この項おわり
註、
平成31年の今2月も
ワープロを愛用しています。
中古品ですが。
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