みなさん、ロマネスコという野菜はご存知でしょうか?たいへんおもしろい形の花蕾をもったカリフラワーです。以前、苗から育ててみた印象は、菜園の占有面積にしては収穫できる花蕾が小さいなといったもの。さらにカリフラワーなので一株に一つしか収穫できないからブロッコリーに比べてコスパは良くないなぁと感じました。面白い形なので一度は栽培してみるのもいいかもしれません。苗だけでなくタネも売っています。今回、画像に使用したロマネスコは先日スーパーで手に入れたものです。
一つの花蕾は大きくみれば一つの円錐の形状をしています。さらに幾つもの円錐状パーツがくっついて一つの花蕾を形作っています。円錐表面にある粒々も円錐であり、それが渦巻き模様を作り目が回りそう。よく見ると、渦巻きは右回りと左回りのものがあります。そして各渦の本数は、以前に「すご〜い背の高いひまわり」で解説した通りにフィボナッチ数列と関係しています。
拡大してみると・・
美しい模様です。一つ一つの円錐表面に並ぶ粒々は、それも自体も円錐状をしており、その表面にも粒々があることがわかります。さらに拡大すると・・
さらに拡大して顕微鏡・・
小さな粒々にもさらに小さな粒々があり、これを含めると円錐状の繰り返しが6回でした。最後の一番小さな粒々の表面にはそれ以上の渦巻きは観察できませんでした。
これの花を咲かせてみるのも面白いかもしれませんね。花穂の出方ってどうなるんでしょう。渦巻き状にたくさんの花が咲くのでしょうか?
数学用語であるフラクタル(fractal)とは・・
フラクタルはマンデルブロ(B.B.Mandelbrot)によって作り出された語で、次の二つの性質を持つ形状のことです。
- 形状に自己相似性がある
- 形状を特徴づける長さを持たない
ここで「特徴づける長さ」とは、例えば球の半径や物体の長さのように、図形の特徴あるいは性質を決める長さをいいます。 フラクタルでは、いくら拡大や縮小をしても同じ相似図形が現れるので、 一つの長さでその図形を特徴づけることができません。 完全なフラクタルとは言えませんが、それに近い形状は雲の形、稜線や海岸線、植物の枝や葉の様子など自然界に実に多く見ることができます。一見複雑に見える植物の形でも基本となるルールは限られ、それが繰り返されているだけで、後は風などの物理的な力が加わったり、虫に食べられたり、光を受ける方向が偏ったりと外的要因によって形状に影響し複雑化していると考えることができます。
今回のロマネスコの渦巻きや円錐がマトリョーシカのように繰り返す様子も「フラクタル的である」と言っていいでしょう。
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