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都民芸術フェスティバル 「大公とます」室内楽の夕べ

2006年02月21日 | pocknのコンサート感想録2006
2月21日(火)「大公とます」室内楽の夕べ(都民芸術フェスティバル助成公演)
東京文化会館小ホール

【曲目】
1.ベートーヴェン/ピアノ三重奏曲第7番変ロ長調Op.97「大公」
2.シューベルト/ピアノ五重奏曲イ長調D.667 Op.114「ます」  
アンコール:同上~第4楽章 

【演 奏】
Vn:堀 正文/Vla:川本嘉子/Vc:藤原真理/Cb:池松 宏/Pf:小山実稚恵


都民芸術フェスティバルの室内楽公演を聴いた。
大公トリオはいまひとつインパクトに欠ける演奏。この曲はもっとエモーショナルな激しい部分があっていいのでは、と感じた。堀さんのヴァイオリンはベートーヴェンには大人しすぎる気がする。小山さんは磨きのかかった小山さんの音を聞かせたが、2楽章冒頭で何拍にも渡って違う音を鳴らしたのにはアセッた。

「ます」はとてもよかった。堀さんの持ち前の柔らかさがシューベルトでは長所となって発揮される。ソフトなタッチの歌いまわし、他の楽器の歌を優しく包むように装飾する細やかな表情などが素敵だ。川本さんの思いきり歌いこむヴィオラも存在感たっぷりだし、藤原さんの芯の通った音で、表情豊かで渋めに歌うチェロも頼もしい。小山さんのつややかで鮮やかなピアノを聞くにつれ、どんなホールのどんなピアノでも小山さんの美音が鳴ることに感心。
池松さんのやはりソフトタッチなバスのリズムに乗って、気負いなく、柔らかく軽やかで、自然に歌の溢れる「ます」が楽しい気分を誘った。アンコールではますます乗り乗りで清々しい気持ちになった。

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