11月15日(木)ジャナンドレア・ノセダ指揮 NHK交響楽団
《2018年11月Bプロ》 サントリーホール
【曲目】
1. レスピーギ/リュートのための古風な舞曲とアリア 第1組曲
2. ハイドン/チェロ協奏曲第1番ハ長調 Hob.Ⅶb-1
【アンコール】
♪ カタロニア民謡/鳥の歌
Vc:ナレク・アフナジャリャン
3.ラフマニノフ/交響的舞曲 Op.45
今月のBプロを振るのは、過去にも好印象を与えてくれたジャナンドレア・ノセダ。
前半は古典と古典風な作品が並んだ。レスピーギの冒頭から、ノセダ/N響は明るく軽やかな響きと調べで魅了した。この軽やかさは、レッジェーロという言葉がぴったりの心地よさを運んでくる。早いパッセージだって汗ひとつかかず、優美なダンスを踊っている。ウィットにも富み、生き生きとした息づかいでオケに風を送るノセダと、室内楽のような和やかさを以て艶やかなアンサンブルを奏でるN響のベストシーンが実現した。
続くハイドンも、レッジェーロで優美なアプローチは変わらない。そこに加わったアフナジャリャンのチェロが、オケの気分と乗りにぴったりフィットして、両者による胸がすくような伸び伸び、活き活き、ワクワクのアンサンブルを繰り広げた。アフナジャリャンは、速いパッセージでも緩やかに奏でる歌でも、高音から重低音までどんなシーンでだって柔らかな美しい音で汗ひとつ感じさせず、自由自在にチェロを操る。そして、オケも同じ乗りと鮮やかな手さばきでソリストとのアンサンブルを心から楽しんでいるように聴こえた。最弱音がホールいっぱいに響いたアンコールの「鳥の歌」も心に響いた。
プログラム後半は、小編成だった前半とは打って変わって、団員がステージからこぼれ落ちそうなほどの大編成での、ラフマニノフ生涯最後の大作。前半の「レッジェーロ」とは対照的な堂々たる足取りで勇ましく始まった第1楽章。重量感はあるが鈍重ではなく、ムーブマンを持ち力強く進んで行く。密度の濃い響きには艶や輝きがある。中間部のサックスを始め、木管の歌も美しかった。
第2楽章ではなまめかしいワルツが始まった。身をよじるようにねっとりと絡まってくるまろさんのヴァイオリンソロから醸し出される歌の気分が、オケ全体に伝わって行く。まるで、ノセダが新体操のリボンを持ち、それが大きく波打ったり、小刻みに揺れたり、輪を描いたりするように、指揮とオケが1本のデリケートな帯で繋がり、変幻自在で濃厚なダンスを踊っているみたい。ノセダとN響のあうんの呼吸を感じた。第3楽章はいろいろな要素が次々と現れて音楽が忙しい。盛り上がったかと思うとシーンが変わるなど、殆ど馴染みがない曲のせいもあって聴いていて消化不良気味だった。最後はもっと熱く盛り上がりたかった。
ところで、今日のオーボエは2人の首席がオフで、1番を見慣れない女性が吹いていたが、レスピーギでもラフマニノフでもとても表現豊かで柔らかく、ふくよかな音色を聴かせていた。メンバー表によれば坪池さん?いつも首席の横で頑張っている池田さんのソロも聴きたかったけれど、池田さんは2番で固定なんだろうか…
ノセダ指揮 NHK交響楽団《2012年2月Bプロ》2012.2.23 サントリーホール
♪ブログ管理人の作曲♪
金子みすゞ作詞「さびしいとき」
金子みすゞ作詞「鯨法会」
以上2曲 MS:小泉詠子/Pf:田中梢(YouTube)
「森の詩」~ヴォカリーズ、チェロ、ピアノのためのトリオ~
MS:小泉詠子/Vc:山口徳花/Pf:奥村志緒美(YouTube)
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《2018年11月Bプロ》 サントリーホール
【曲目】
1. レスピーギ/リュートのための古風な舞曲とアリア 第1組曲
2. ハイドン/チェロ協奏曲第1番ハ長調 Hob.Ⅶb-1
【アンコール】
♪ カタロニア民謡/鳥の歌
Vc:ナレク・アフナジャリャン
3.ラフマニノフ/交響的舞曲 Op.45
今月のBプロを振るのは、過去にも好印象を与えてくれたジャナンドレア・ノセダ。
前半は古典と古典風な作品が並んだ。レスピーギの冒頭から、ノセダ/N響は明るく軽やかな響きと調べで魅了した。この軽やかさは、レッジェーロという言葉がぴったりの心地よさを運んでくる。早いパッセージだって汗ひとつかかず、優美なダンスを踊っている。ウィットにも富み、生き生きとした息づかいでオケに風を送るノセダと、室内楽のような和やかさを以て艶やかなアンサンブルを奏でるN響のベストシーンが実現した。
続くハイドンも、レッジェーロで優美なアプローチは変わらない。そこに加わったアフナジャリャンのチェロが、オケの気分と乗りにぴったりフィットして、両者による胸がすくような伸び伸び、活き活き、ワクワクのアンサンブルを繰り広げた。アフナジャリャンは、速いパッセージでも緩やかに奏でる歌でも、高音から重低音までどんなシーンでだって柔らかな美しい音で汗ひとつ感じさせず、自由自在にチェロを操る。そして、オケも同じ乗りと鮮やかな手さばきでソリストとのアンサンブルを心から楽しんでいるように聴こえた。最弱音がホールいっぱいに響いたアンコールの「鳥の歌」も心に響いた。
プログラム後半は、小編成だった前半とは打って変わって、団員がステージからこぼれ落ちそうなほどの大編成での、ラフマニノフ生涯最後の大作。前半の「レッジェーロ」とは対照的な堂々たる足取りで勇ましく始まった第1楽章。重量感はあるが鈍重ではなく、ムーブマンを持ち力強く進んで行く。密度の濃い響きには艶や輝きがある。中間部のサックスを始め、木管の歌も美しかった。
第2楽章ではなまめかしいワルツが始まった。身をよじるようにねっとりと絡まってくるまろさんのヴァイオリンソロから醸し出される歌の気分が、オケ全体に伝わって行く。まるで、ノセダが新体操のリボンを持ち、それが大きく波打ったり、小刻みに揺れたり、輪を描いたりするように、指揮とオケが1本のデリケートな帯で繋がり、変幻自在で濃厚なダンスを踊っているみたい。ノセダとN響のあうんの呼吸を感じた。第3楽章はいろいろな要素が次々と現れて音楽が忙しい。盛り上がったかと思うとシーンが変わるなど、殆ど馴染みがない曲のせいもあって聴いていて消化不良気味だった。最後はもっと熱く盛り上がりたかった。
ところで、今日のオーボエは2人の首席がオフで、1番を見慣れない女性が吹いていたが、レスピーギでもラフマニノフでもとても表現豊かで柔らかく、ふくよかな音色を聴かせていた。メンバー表によれば坪池さん?いつも首席の横で頑張っている池田さんのソロも聴きたかったけれど、池田さんは2番で固定なんだろうか…
ノセダ指揮 NHK交響楽団《2012年2月Bプロ》2012.2.23 サントリーホール
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金子みすゞ作詞「鯨法会」
以上2曲 MS:小泉詠子/Pf:田中梢(YouTube)
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MS:小泉詠子/Vc:山口徳花/Pf:奥村志緒美(YouTube)
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