ぽんぽこノート

いつだって今がスタートライン。
行動しなくては何も始まらない。壁にぶつかったところから新しい道がひらける。

車好きなひととき

2010-06-15 | 生活・色々
画像/SKODA superb マツダのユーノス500とジャガーの雰囲気を取り合わせたようなデザインが美しい。



■実は私は車がけっこう好きだ。20歳くらいの頃は、親のブルーバードを乗り回し、オートマなのに山道をガンガン走っているうちにガタが来てお陀仏となった。これは別に私が壊したというわけではないだろうが、わりとご老体にムチ打っての走行だったので、寿命を縮めてしまったのは確かだろう。しかも、最期は家の駐車場に安置し、葬儀屋よろしくレッカーのお迎えを待つ間も、私はヘッドライトやフォグライトの電球を抜き取った挙句、レンズを戻さず放置していたので、まるで路上に捨てられた廃車が赤の他人に部品を次々と取られてしまったような姿になり、自分でやっておきながら可哀想なことをしたなぁと思ったものだった。

何年か後、そのブルーバードに感謝の別れを告げ、自分で買ったのはマツダのセンティアのエクスクルーシブだった。顔面は少々ブタのような感じもしなくもないが、全体的に流麗なボディがなんともいえない質感を醸し出している車だ。当時、センティアはマツダのフラッグシップカーで、私が買ったのは初代のセンティアだった。

2代目センティアはデザインがてんで美しくなく、これならクラウンのほうがまだいいだろうと思えるシロモノだった。しかも、2代目センティアはバブルの頃の初代センティアのように金がかかっていないので、インテリアもだいぶ簡素化され、エクステリアもかなりオリジナリティを失っていたので、まったく魅力を感じなかった。下手にトヨタのような受けいれられやすい押し出し感のあるデザインに方向転換したようだが、なんのアイデンティティも感じられないつまらない車に成り下がっていた。初代センティアはある程度の人気を得たようだが、それでも一般的なカーユーザーから特段の支持を得られるような車でなかったのではないだろうか。

それは、まずデザインの特徴が大きく影響していて、やはり独特なノーズと低めのルーフ、そして何より日本人に受け入れられにくい少し尻下がりボディがユーザーを選んだのだろう。尻下がりについて言えば日産のレパードJフェリーは海外からの評価が高かったものの、日本人にとってのわかりやすい高級車の基準に合致していなかったために売れなかった。実際はそれほど小さいわけでもなく、相当よく作られた高級車なのだが、尻下がりでなおかつ丸みを帯びたデザインは全体が小さく見えやすく、ブタ顔も影響したのだろうが日本では理解されない結果に終わった。

内装のセンスのよさに加え、私はあのボディデザインは日産の中でもベスト5くらいには入る傑作だと思っている。しかし当時の日本では、「いつかはクラウン」が「いつかはセルシオ」に交代しているくらいで、やっぱり高級車は大きくがっしりと高級車然としてなければ一般的カーユーザーからは認めてもらえず、日本ではなかなか理解されない。

センティアもしかりなのだが、横幅1.8メートルで長さが4.9メートル以上もある車というのは、日産プレジデントやインフィニティQ45、トヨタのセンチュリーなどの一部車種に限られ、そうそうない大きさの車にも関わらず、あえて流麗なボディにしていることで、クラウンのようなわりとカクカクしている車より大きく見えない。しかし当時のマツダのラインアップを見ればわかるが、ユーノス500などに代表されるマツダのデザインは美しくもかなり独特なもので、他メーカーのものと一線を画すものだった。

私はもともとユーノス500やセンティアのデザインに心惹かれていたが、後になって、自動車デザイン界最大の巨匠であるジウジアーロがユーノス500を見て「小型クラスでは世界で最も美しいサルーン」と評したり、センティアは海外の評論家から特に評価が高かったということを知り、私の目もそれほど悪いものではないなと一人で納得していた。この2つの車は、今でも乗りたいと思える本当によいデザインだ。

それで、今は何がいいかというと、上海で最近目にするフォルクスワーゲン子会社になったチェコのSKODAのsuperbがいいと思っている。この車のデザインはジャガーの持つ静かな威厳と優雅さを併せ持っている。やはり日本人には(私も日本人だが)好き嫌いがかなりわかれるであろう車だと思う。ノーズはあまり高くないし、後方も少し尻下がりになっているので、それほど大きくは見えない。実際に見ればわかるかもしれないが、この車の持つ雰囲気がたまらない。

ということで、もし私が上海で車を買うとしたら、他の高級車を差し置いてこのsuperbにしようと思っている。車両本体価格は20万元くらい(約300万円)なので、それほど高くは無いから買えるが、上海はナンバープレートの取得に40万円とか50万円もかかるのでそれが嫌だ。でも、上海でも走行できる他省のナンバーも取得でき、これだと数万円なので問題はないが、高速などがラッシュ時には通行できないというネックがある。

どちらにせよ、上海は地下鉄が便利だし、夕方なんかの時間に無闇に運転しているとすぐに渋滞に巻き込まれるので公共機関のほうが速い場合も多い。だから、車を買っても平日を休みにしてどこかへ出かけるとか、混雑しない時間にどこかへ運転していくということならいいが、ただでさえどこから人やバイクが出てくるかわからない、変なドライブゲームをしているような上海交通事情の中では気持ちよく運転できそうにないが、それでも買うとすればsuperbになりそうだ。
コメント (4)
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