ここ最近、上海万博へ2回行ってきた。
1回目は夜票という夜からのチケットで夕方4時過ぎに入り、10時半頃まで色々見て回り、2回目は朝8時から入場門で並び、夜11時まで会場にいたのでかなり疲れた。
夜から長時間ならぶのは避けたかったので、比較的空いているパビリオンを見て回ることにしたが、まったく並ばずに入れるところというのは、だいたいつまらない。でも、そうしたつまらないかもと思われるパビリオンの一つに国家电网馆があった。中に入るまではほとんど並ばず、施設内を見て最後になにやらショーが見られるらしきところに誘導され、そこで10分ほど待つと20メートル四方ほどの立方体の空間に入る。映画「CUBE」を連想させられた。ちなみに「CUBE」は数学に詳しい人によると素数に関する計算が滅茶苦茶で、素人騙しの最初から最後まで数字処理に関してはダメダメな映画らしい。しかし内容は面白い。
国家电网馆内のイベント。
それで、その立法体の中に入ったからといって、映画のように危険なトラップが出てくるわけではないが、足元も含めて立法体壁面の全面がスクリーンになっており、このスクリーン全体を大いに使い、おそらく実写とCGを駆使した爽快な映像が流れる。実際に見ないとわからないことだが、とてもかっこいい未来感覚映像だった。私はこういうのが大好きなので、特にこのパビリオンは印象に残っている。
また、2回目の万博で入った大人気パビリオンの一つである上汽集团-通用汽车馆だが、ここも素晴らしいものだった。まず、映画館のような空間に案内され、デザインも特筆すべき独立した未来チックなイスに座る。このイスは映像と同期して動くのでシートベルトを装着する必要があった。
上汽集团-通用汽车馆
30メートルくらいはありそうな湾曲した大スクリーンを目の前にし、期待感を高まらせてくれる。映像との同期は、まあこんなもんかと言った感じがしなくもなかったが、空中からの映像は本当に飛んでるかのような浮遊感を体験することができてとても楽しい。感覚的にはIMAXよりすごいかもしれない。
さらに、スクリーンショーが終わると、なんとその巨大スクリーンは可動式で下がり始めた。すべて下がるとその裏にあったのは大きなステージ。と同時にステージは4方から観客席に囲まれていることがわかった。今までスクリーンを観ていたのは私がいる空間だけだと思っていたが、4倍の人数が今まで同時に同じ映像を観ていたとは思いもしなかった。ステージが出てきたこともすごいと思ったが、実は私が一番感心したのは、同時にこれだけ多くの観客に4つもの巨大スクリーンを用意して観せていたということだった。
上汽集团-通用汽车馆でのスクリーンイベント。精巧で迫力のある映像と同期するイスが楽しい。「2030 上海」の中では、ボタンひとつで服装チェンジが出来たり、自動車が自動走行だったりと、多くの魅力的な未来技術を披露するが、さすがにあと20年で実用し普及までいくのは不可能だろう。
上映後に突如表れたステージショー。振り付けはわりと単調で意味不明だったし、抑揚がなかった。振り付け師がよくなかったのだろうか。
チリ館に行ったら、どこまでも木を用いた空間作りになっていた。床、壁、巨大な樽状のトンネルと、すべてが木を使用している。チリは木が特産なのか?私の中ではワインのイメージがあるのだが、やはりお土産コーナーでワインを販売していた。駄洒落のようになってしまうが、木ばかりに気を取られていた。ふ~ん、こんな感じかと、さあもう出口だというところに差し掛かると何やら展示物があった。
これは!!あれだ!!
・・・あれって何?そこで目にしたのはつい最近まで世界的に見守られていた一大ニュースであるチリ鉱山での鉱員の救出作戦。地下700Mに閉じ込められた33人を救うということで、チリ国家をあげてのレスキューで、チリ国民はもとより世界中の注目を受ける中、政府のメンツもかかっているので、これは絶対に成功させなければならないプロジェクトだったが、見事成功させたのが記憶に新しい。
このカプセルの名前は「フェニックス1」。数台作られたうちの1台だそうだ。カプセルは、万博終了まで1週間という10月23日から上海万博に展示されていて、ちょうど来た私はとても運がいいと言うしかない。
チリ大統領が今回の救出騒動を大いに政治利用したと、マスコミからも家族からも言われているようで、すべてがよかったではなかなか済まないこともあるのだろうけど、外から見てる者にとっては、助かって本当によかったと思う。
「フェニックス1」
まさか上海で実物を見ることができるとは思わなかった。あの、連日のようにニュースでやっていた希望のカプセルがそこにあった。国民の期待を一身に背負ったカプセル。下にいた人たちはどんなにこいつを待ちわびただろうか。一昔前なら技術的な障害で救出ができなかっただろう。そんな時代であったのなら、本来は死んでいたはずなのだ。
このカプセルに乗り、地上に出たとき、一体どれだけの喜びと本当の感謝をしたことだろうか。想像に難くはないが、彼らと同じ気持ちになることはできない。地下に閉じ込められたことは不幸だったが、救出は本当に素晴らしいニュースだった。ちなみに、一緒にいった友達はこのカプセルについて、宇宙がなんたらと言っていた。宇宙で使うものだと思ったらしい。このニュースを知らない人がいたことに驚いた・・・。
こうして万博に来てみると、意外な発見があるわけで、行ってみて本当によかった。
でも、意外は意外でも、日本人を含めた外国人はほとんど見かけなかった。ここ最近、多いときは1日100万人、少ないときでも1日30万人の入場者がいる。あれだけ多くの人が入っているのに、だ。見かけたとしても国家パビリオンのスタッフくらいで、客として入っていた外国人を見かけたのは14時間いた中で15人ほどだった。
上海万博へ行ってみたブログは次回へ続く。
1回目は夜票という夜からのチケットで夕方4時過ぎに入り、10時半頃まで色々見て回り、2回目は朝8時から入場門で並び、夜11時まで会場にいたのでかなり疲れた。
夜から長時間ならぶのは避けたかったので、比較的空いているパビリオンを見て回ることにしたが、まったく並ばずに入れるところというのは、だいたいつまらない。でも、そうしたつまらないかもと思われるパビリオンの一つに国家电网馆があった。中に入るまではほとんど並ばず、施設内を見て最後になにやらショーが見られるらしきところに誘導され、そこで10分ほど待つと20メートル四方ほどの立方体の空間に入る。映画「CUBE」を連想させられた。ちなみに「CUBE」は数学に詳しい人によると素数に関する計算が滅茶苦茶で、素人騙しの最初から最後まで数字処理に関してはダメダメな映画らしい。しかし内容は面白い。
国家电网馆内のイベント。
それで、その立法体の中に入ったからといって、映画のように危険なトラップが出てくるわけではないが、足元も含めて立法体壁面の全面がスクリーンになっており、このスクリーン全体を大いに使い、おそらく実写とCGを駆使した爽快な映像が流れる。実際に見ないとわからないことだが、とてもかっこいい未来感覚映像だった。私はこういうのが大好きなので、特にこのパビリオンは印象に残っている。
また、2回目の万博で入った大人気パビリオンの一つである上汽集团-通用汽车馆だが、ここも素晴らしいものだった。まず、映画館のような空間に案内され、デザインも特筆すべき独立した未来チックなイスに座る。このイスは映像と同期して動くのでシートベルトを装着する必要があった。
上汽集团-通用汽车馆
30メートルくらいはありそうな湾曲した大スクリーンを目の前にし、期待感を高まらせてくれる。映像との同期は、まあこんなもんかと言った感じがしなくもなかったが、空中からの映像は本当に飛んでるかのような浮遊感を体験することができてとても楽しい。感覚的にはIMAXよりすごいかもしれない。
さらに、スクリーンショーが終わると、なんとその巨大スクリーンは可動式で下がり始めた。すべて下がるとその裏にあったのは大きなステージ。と同時にステージは4方から観客席に囲まれていることがわかった。今までスクリーンを観ていたのは私がいる空間だけだと思っていたが、4倍の人数が今まで同時に同じ映像を観ていたとは思いもしなかった。ステージが出てきたこともすごいと思ったが、実は私が一番感心したのは、同時にこれだけ多くの観客に4つもの巨大スクリーンを用意して観せていたということだった。
上汽集团-通用汽车馆でのスクリーンイベント。精巧で迫力のある映像と同期するイスが楽しい。「2030 上海」の中では、ボタンひとつで服装チェンジが出来たり、自動車が自動走行だったりと、多くの魅力的な未来技術を披露するが、さすがにあと20年で実用し普及までいくのは不可能だろう。
上映後に突如表れたステージショー。振り付けはわりと単調で意味不明だったし、抑揚がなかった。振り付け師がよくなかったのだろうか。
チリ館に行ったら、どこまでも木を用いた空間作りになっていた。床、壁、巨大な樽状のトンネルと、すべてが木を使用している。チリは木が特産なのか?私の中ではワインのイメージがあるのだが、やはりお土産コーナーでワインを販売していた。駄洒落のようになってしまうが、木ばかりに気を取られていた。ふ~ん、こんな感じかと、さあもう出口だというところに差し掛かると何やら展示物があった。
これは!!あれだ!!
・・・あれって何?そこで目にしたのはつい最近まで世界的に見守られていた一大ニュースであるチリ鉱山での鉱員の救出作戦。地下700Mに閉じ込められた33人を救うということで、チリ国家をあげてのレスキューで、チリ国民はもとより世界中の注目を受ける中、政府のメンツもかかっているので、これは絶対に成功させなければならないプロジェクトだったが、見事成功させたのが記憶に新しい。
このカプセルの名前は「フェニックス1」。数台作られたうちの1台だそうだ。カプセルは、万博終了まで1週間という10月23日から上海万博に展示されていて、ちょうど来た私はとても運がいいと言うしかない。
チリ大統領が今回の救出騒動を大いに政治利用したと、マスコミからも家族からも言われているようで、すべてがよかったではなかなか済まないこともあるのだろうけど、外から見てる者にとっては、助かって本当によかったと思う。
「フェニックス1」
まさか上海で実物を見ることができるとは思わなかった。あの、連日のようにニュースでやっていた希望のカプセルがそこにあった。国民の期待を一身に背負ったカプセル。下にいた人たちはどんなにこいつを待ちわびただろうか。一昔前なら技術的な障害で救出ができなかっただろう。そんな時代であったのなら、本来は死んでいたはずなのだ。
このカプセルに乗り、地上に出たとき、一体どれだけの喜びと本当の感謝をしたことだろうか。想像に難くはないが、彼らと同じ気持ちになることはできない。地下に閉じ込められたことは不幸だったが、救出は本当に素晴らしいニュースだった。ちなみに、一緒にいった友達はこのカプセルについて、宇宙がなんたらと言っていた。宇宙で使うものだと思ったらしい。このニュースを知らない人がいたことに驚いた・・・。
こうして万博に来てみると、意外な発見があるわけで、行ってみて本当によかった。
でも、意外は意外でも、日本人を含めた外国人はほとんど見かけなかった。ここ最近、多いときは1日100万人、少ないときでも1日30万人の入場者がいる。あれだけ多くの人が入っているのに、だ。見かけたとしても国家パビリオンのスタッフくらいで、客として入っていた外国人を見かけたのは14時間いた中で15人ほどだった。
上海万博へ行ってみたブログは次回へ続く。