ぽんぽこノート

いつだって今がスタートライン。
行動しなくては何も始まらない。壁にぶつかったところから新しい道がひらける。

上海から香港へ

2011-03-20 | 生活・色々

セブンイレブンにあった各種新聞。日本の大地震についての報道が熱い。上海でも大きく報道されているが、香港ではさらに大きく取り扱っていた。


■先日、香港へ行ってきた。初めての香港だったが想像通りの発展振りだった。大通りに立ち並ぶ高層ビル群は東京中心部にもひけをとらない。オフィス街では上海よりもスーツを着たサラリーマンが目立ち、女性もオフィスに合うような着こなしの人が多く、まるで丸の内周辺のような雰囲気だ。

今回訪れたのは香港の中心である湾仔(wan zai)地区だ。香港の道の名称は、上海と違い繁体字に広東語のピンインと英語で表記されている。簡体字に慣れた私にとって、これは非常に読みにくく、一体何がどうなってるのか最初は困った。ちなみに湾仔のピンインはwan chaiと書かれていて、中国普通語ではwan zaiなのにwan chaiとはどういうことかと少し悩まされたが、これは広東語のピンインだということがわかった。

香港はとても国際性豊かな場所だと感じた。人種もさまざまだが、アメリカで言うところのヒスパニック系の人たち少なくない印象を持った。街を歩いていると、広東語に英語、スペイン語にたまに日本語も聞こえてくるが、中国普通語はほとんど聞こえなかった。そのかわり、私が話す普通語は、ほぼ100%通じたので安心すると同時に、やはり中国普通語は使える言語だと感じた。

今回、1泊2日のタイトなスケジュールだったが、時間の合間を縫って色々と見学をしてみた。まず、私の師である邱永漢先生が中公文庫から出してる「口奢りて久し」という食べ物に関して書かれている本を参考に、かねてから雲呑麺を食べようと思っていたので店を探した。邱先生は湾仔の「泉記」という店で雲呑麺(ワンタン麺)を食べたと書かれていたので、その店はどこだろうと立ち止まり、まずはどの方向に行けばよいのかと観光者丸出しのような素振りをしながらフト辺りを見回していると、なんと目と鼻の先に「泉記」があるではないか。こんなこともあるものですね。

邱先生曰く、香港へ行ったら何を忘れても雲呑麺はお忘れなくということなので、その店で食べてみたところ、これがまた本当に美味しかった。邱先生は、香港では中国一の中華料理すなわち世界一の中華料理を「福臨門」で食べられるけれど、雲呑麺は大衆的な軽食にも関わらず、美味の絶頂をいくものだと推している。香港の雲呑麺でなければダメらしい。ちなみに22香港ドルの雲呑麺の感想だが、麺がシコシコでワンタンの具のエビがプリプリな上に新鮮だった。上海でもあれをぜひ食べたいと思う。

せっかく香港に来たのだから、街中を走る2階建てバスに乗ってみた。2階部分の最前列に座り観光気分を味わったまではよかったが、調子に乗って15分くらい乗っていたら、どんどん市街地中心から離れていく。連れさられてゆく気分になり、もう降りたほうがいいかもと思った矢先、なんと高速道路に入ってしまった。私の勝手な言い分としては、なぜ市街地の普通のバスが高速道路にまで行くのかということなのだが、すでに左は海で右は山ばかりだ。

そもそも、乗車賃が21香港ドルもしたので、ただ市街地を走るバスなのにずいぶん高いなぁと感じていたのだが、その乗車賃はフル行程の乗車賃だったわけだ。高速に入ったあと、仕方ないので景色を楽しんでいたが、香港ディズニーランドも近くなっていたのにで、いい加減に高速道路上の落客駅というバス停で降りた。ここで香港人の女性に、湾仔へ戻るには何番のバスに乗ればいいか聞いたのだが、彼女は自分のしていたイヤフォンを外して丁寧にしかも笑顔で教えてくれた。そこが上海なら、人を疑うような顔で無視されていたかもしれない。


今回、香港で感じたことを箇条書きにしてみよう。


■車のナンバープレートのデザインがシンプルでかっこいい。
表面は樹脂素材のクリア感のあるパネルを使っていて、デザイン性が高い。




■車を運転時のコミュニケーション手段としてハザードランプ点灯がある。
譲られたときなどにハザードランプを2~3秒点灯させることで後方の車に感謝の気持ちを伝える非公式な手法で、日本で独自に発生したものだと思っていたが、香港では少なくともバス同士の間で使われていた。


■歩道橋が多いので少し疲れた。
老人とデブには厳しいポイントです。


■トヨタ車が異常に多い。
私が見た限りでは、街をゆく車の6割くらいがトヨタ車であり、アルファードやエスティマといったミニバンが売れている印象だが、プリウスは1台も見なかった。残りはというと、ベンツとBMWがかなり多く中国大陸車は皆無。ベンツの場合はSクラスが目立った。中国大陸で幅をきかせているフォルクスワーゲンはかなり少なく、アウディもあまり見かけなかった。ちなみにタクシーの場合、私が見たものはすべてクラウンのCOMFORTだった。これは日本のタクシーでも多用している。


■香港人は高い教養を持っている。
親切に道を教えてくれるのは言うまでもないが、教育のおかげで英語力も高いし、外見からも知性が高いことがわかる人が多い。コンビニのおばちゃんからしても上海とでは人的レベルが格段に違った。


■報道の自由がある。
中国共産党へのモロに批判的な横断幕などが一部見受けられた。
また、各新聞や雑誌ともに日本の大地震の報道熱が高い。上海でも大きく取り上げられていることは同じだが、雑誌までも大特集を組んで大々的にやっていたところが大きく異なる。上海に戻ってきて雑誌屋を見たが、やはり大きく違う。

「中共解体」や「中共は出て行け」などの文字が躍る。香港だから許されているものの、中国大陸でこれをやったら危険度MAXだ。


■コンビニは日本のセブンイレブンばかり。
なぜなのか、どういった経緯なのかは知らないが、街中のコンビニは100%セブンイレブンだった。かなり歩き回ったが、ファミマもないしローソンもない。こんな市場独占状態はいいのか?中国でのセブンの総代理は台湾の統一企業だが、香港でも統一企業なのかが気になった。




ヴィクトリアピークにタクシーで行ってみたのだが、運転手に聞いたところ珍しく渋滞していた。運転手もおかしいなと言いつつ頂上付近まで行くと、なんと2階建てバスが炎上後鎮火されたところだった…。全焼だ。これのおかげで渋滞になっていたわけだが、どうやら人の被害はなかったようでよかったが、バスの下の荷物置き場に入れてあった荷物の取り出しが間に合わなかったようで、道の傍らで一部焼け焦げたスーツケースとともにガックリしている人たちがいた。

それで、一般人が行ける一番上までやっとのことでたどり着いたのはいいが、この日はちょうど小雨が降って濃霧が出ていたので景色がまったく見えなかった。だから、本来なら頂上にある商業施設のタクシー乗降場で降りるところを、「どうぜ景色なんか見えないんだから」と言って、タクシー待ちの人たちを横目にそのまま通過した。15分で着くところが1時間くらいかかったうえに景色も見れずだったが、とにかくヴィクトリアピークには行ってきたというわけだ。


色々と見させてもらい、とても勉強になった短い旅だった。視野が広がります。