最近、母のふるさと納税の代行ついでにふるさと納税の利用率を調べてみたら、調査機関によって値は幅があるものの、利用率はおおむね20%強のようだ。少し調べるだけで簡単にでき、大きなメリットを享受できるわけだが、納税義務者約6000万人のうち、なんと4800万人もの人たちがふるさと納税を利用していないとは、世の中には面倒くさがりが思った以上に多いのだなと驚愕…。こんなお得な制度なのだから、合理的な理由がある人と、よほど面倒くさがりな人を除いても7~8割の人が利用しているものだと思っていました。
ニッセイ基礎研究所の「ふるさと納税を利用しない理由」最新調査を見ると、面倒だから、仕組みがよくわからない、必要性を感じないの合計が全体の8割を占めています。仕組みがよくわからないのは調べたりするのが面倒だからわかるところにたどり着いていないだけだろうし、必要性を感じないのはメリットをよく知らなかったり、よくわからないし面倒だから必要ないと言っているケースがほとんどだと推測する。つまり、利用しない8割の理由が「よくわからないし面倒だから」と概ね断定してもいいんじゃないだろうか。
多くの人は、知っている値段より肉が100gあたり100円高かったら買わないだろう。毎月、無理なく数千円の節約をできるところがあればしたいだろう。タクシーで目的地の目の前でメーターが上がって80円加算されたら「ウッ…」となる人は少なくないだろう。そ・れ・な・の・に…だっ。それなのに、日常のそんなことで一瞬悩むのに、わずかな時間を使って主体的に少し調べる努力と、たった2000円の手数料で、数万円や数十万円の利益を得られることは面倒くさがってやろうとしない。
人間てのはそもそも非合理的な生き物とは言うものの、これはスマホをいつまでも惰性で高額なキャリア契約を続けているケースと似たような、日常経済活動上の非合理の極み。ざっくり言えば4000万人以上の人たちが知ろうと努めない。動かない。これは驚愕です。年間数万円、数十万円を捨ててるのと同じと言っていいことだが、そこまでの理解に至っていないので「よくわからないし面倒だからいいやぁ」とか「まあ自分には必要はないかなぁ」なんてことになるのだろう。
私は損をしないし損をするのは他人なので、本来いちいちこうして嘆く意味もないのだが、とにかくおおざっぱに言えば、これも80:20の法則などということの一環なのだろう。世の中、さまざまなケースでこうして現状の均衡が存在しているよね。勉強になりましたわ。