【野口嘉則メルマガ】 自己実現を理解するには、シャドーについて理解すること
野口嘉則 が贈る 幸せ成功メルマガ mag2 0000177504 (mailmag@mag2.com)さんより
2016/09/05
★自己実現とは何か? シャドーの中の黄金とは?
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━<2016/9/6>━
おはようございます、野口嘉則です。
先日、プレゼント企画として
お知らせしたとおり、
来週から、何本かの記事に分けて、
「自己実現のための7つの原則」を
お伝えしようと思っています。
その内容をあなたの人生の中で
しっかり役立てていただくために、
事前に、自己実現というものの本質を
理解しておいていただきたいと思います。
今回は、
そのあたりのことをお話ししますね。
僕がいう「自己実現」とは、
ユング心理学でいう「自己実現」のこと
なのですが、
それをひと言でいうならば、
「自分の内なる可能性を最大限に発揮し、
真の自分らしさを体現すること」
です。
しかし、これは
ずいぶん簡略化した説明です。
そこで、もう少し丁寧に説明しますね。
僕流の説明になりますが、
自己実現とは次の3つの意味から成る
言葉なのです。
1.潜在的な可能性を実現して、
より自分らしい自分になっていくこと。
2.それまで無意識下に抑圧してきた
部分を統合して、
それらが調和的に働くようにしていくこと。
3.自分の中の対立する要素を統合して、
より成熟した人間になっていくこと。
(対立する要素とは、静と動、陰と陽、
女性性と男性性など……)
以上、3つのことを進めていく過程が
自己実現であり、
ユング博士は、
自己実現こそが人生の究極の目的だ、
と言っています。
ですが、上記の説明だけでは、
理解しづらいかもしれないですね。
「特に2番の意味がわかりづらい」と
言われることがよくあります。
「無意識下に抑圧してきた部分って
何のこと?」
と思った方も
おられるのではないでしょうか。
そこを詳しく説明しますね。
僕たちは、
自分にとって好ましくないと思える
感情や欲求を
自分でも気づかないうちに
抑圧して生きているんです。
この抑圧された感情や欲求のことを、
シャドー(影)と呼びます。
抑圧された感情や欲求は
消えるわけではなく、
表に出てこないシャドー(影)として、
無意識下から僕たちを振り回してきます。
たとえば、
「自分は強くあるべきだ」
という価値観で生きている人は、
自分の中の弱さ(悲しみ、不安、孤独感など)
を感じないよう、
それらを無意識下に抑圧しています。
そして、
このように自分の弱さを抑圧している人は、
身近な人が弱さを見せたときに、
それをなかなか受け入れることができません。
相手の悲しみや不安や孤独感に
共感できないのです。
そればかりか、
弱音を吐く相手に対してイライラしたり、
あるいはムリヤリ元気を出させようとして
結果的に相手のことを傷つけてしまうことも
あります。
弱音を吐く相手に対して、
「いつまでもめそめそするな!」と
衝動的に怒鳴ってしまうケースもあります。
このようなとき、抑圧されたシャドーが、
無意識下から、
その人を振り回しているのです。
自分の中の弱さ(悲しみ、不安、孤独感)に
気づいて、
それを自分の一部として
大切にできるようになると、
それまで抑圧されていたものが
徐々に統合されていき、
他者の悲しみや不安や孤独感に
共感できるようになり、
より厚みと深みのある人間へと
成熟していきます。
ユング博士が、
「シャドーの中に黄金がある」
と言っています。
シャドーと向き合い、
それを自分の一部として統合していく
ことによって、
僕たちは、
清濁(せいだく)合わせ飲むような、
大きな器の人間へと成熟していくのです。
一方、
あまりにも強くシャドーを抑圧している
場合は、
その人のシャドーを、
その人の家族や身近な人が
代わりに表出する場合もあります。
本人が自らのシャドーを抑圧したまま、
その統合に取り組まないでいると、
その人に代わって、その人の家族が、
シャドーを表出する役割を担うわけです。
心理学者の河合隼雄先生は、
たとえば教育者や医師など、
社会的地位が高く、
なおかつ周りから立派な人だと
思われている人の子どもに、
問題行動を起こす子どもが多い
という事実を挙げて、
これを「シャドーの肩代わり」と
呼んでおられます。
親が、立派な善人として
振る舞おうとするあまりに、
自分の中のフラストレーションや
ネガティブな感情を
強く抑圧していると、
代わりに子どもが、
フラストレーションやネガティブな感情を
発散する役割を引き受けて、
問題行動を起こしたりするわけです。
これがシャドーの肩代わりです。
親が自分のシャドーと向き合って、
抑えてきた欲求や感情に気づき、
それを上手に満たしながら
統合していけばいいのですが、
本人がそれをやらない場合、
家族の誰かが肩代わりをするわけです。
そのとき家族は、その肩代わりを
無自覚に(無意識のうちに)
やってしまうので、
あまり建設的でない形に
なってしまいがちです。
シャドーの肩代わりが起きるのは、
家族の中だけではありません。
たとえば、
「不可能はない! やればできる!
我々が向かうところ、勝利しかない!」
という姿勢の超ポジティブ型経営者
の場合を考えてみましょう。
この経営者は、
自分の中の怖れや心配や不安を
抑圧していますね。
つまり、怖れや心配や不安を
シャドー化させているわけです。
このような場合、
経営幹部の誰かが、
「失敗する可能性があるなら、
やめておきましょう。
リスクをしっかり考慮して、
もっと慎重になるべきです」
と主張する慎重派になったりします。
これもシャドーの肩代わりですね。
こうして組織のバランスが
保たれるのです。
つまり、
経営幹部の誰かが
心配性になってネガティブな主張をし、
超ポジティブ型の社長に対する
ブレーキ役を担うことによって、
組織のバランスが保たれるわけです。
ところが、中小企業の場合は、
ワンマン社長が、自分の周りに
イエスマンばかりを置くことがあるため、
社長に対してブレーキ役となるタイプの
幹部が排除されるケースもあります。
この場合は、
やがて社内に大きなミスを連発する社員が
現れたり、
あるいは社内で不祥事が続いたり、
あるいは、社長の奥さんがウツ病になったり、
社長の子どもが引きこもりになったり……、
つまり、
社長の猪突猛進にブレーキをかける役を、
誰かが担うことになる、
というケースがよくあります。
これもシャドーの肩代わりです。
先ほども述べましたが、
肩代わりをする人は、
それを無自覚にやってしまうため、
建設的でない形になってしまいがちです。
誰かに肩代わりさせるのではなく、
自分で自分のシャドーに気づき、
それらを建設的な形で統合していきたい
ものですよね。
それをすることで僕たちは、
より厚みのある、
より深みのある、
より大きな器の人間に
成熟していきます。
そして、そのプロセスこそが
自己実現なのです。
つまり、シャドーは
自己実現を進めていくうえでの
必須要素なのであり、
そういう意味で、
ユング博士は、
「シャドーの中に黄金がある」
と言っているのです。
さらに、ご参考までに、
ディーパック・チョプラや
マリアン・ウィリアムソンらの共著書
『シャドウ・エフェクト』の中から、
シャドーについて語っている言葉を、
以下にいくつか紹介します。
「誰もがシャドーを持っている。
シャドーを否定すると、
シャドーに人生を奪われる。
しかし、その存在を認め、
光を当てた瞬間、
人生を一変させる恩恵と変容が
もたらされる」
「シャドーこそ、
本来の力強さや幸福感、夢実現の
キーそのもの」
「シャドーは人生の『先生』であり
『ガイド』である」
「完全なる私になるための、
もう一つのピース。
それがシャドー」
以上、今回は、
シャドーという切り口から
自己実現についてお話ししました。
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来週からいよいよ、
「自己実現のための7つの原則」を
お伝えしていきます。
楽しみにしていてくださいね。
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