1月22日
谷崎潤一郎にハマりかけています。元々好きな作家の一人ですが、代表作くらいを知っている程度には好き、というレベルだったので、ディープに好んでいたわけではなかったのですが。。。
先月くらいに谷崎潤一郎の全集を思い切って買ってみました。一冊7000円ほどとなり、全部で26巻もあるので、一気に買うのは無理だということで、とりあえず1巻だけを、それも古本で4000円ほどのものをAmazonで買いました。
実際手元に取ってみると、なるほどなかなかに絢爛なデザイン、白ベースのカバーに赤色の分厚い冊子が届きました。これは大体新潮文庫のせいなのですが、谷崎潤一郎といえば完全に赤のイメージが強いです。ちなみに川端康成はネイビーで、三島由紀夫はオレンジになります。
全集では、文庫化されていない話なども掲載されているらしく、代表作『刺青』『悪魔』などの他にも、全く知らないものもありました。そのどれもが、やはり谷崎らしく迷いのない文章と共に、豊富な語彙力に任せた華やかな感覚、そしてその底に見えるような悪魔めいた人間の内面が見えてくるような感じがします。
谷崎潤一郎は、文学の中に哲学や人間模様を強く反映させることはありません。それでも自分にとっては、この卓越した才能の中に、彼の作品でしか感じられない人の形を見ることができるような気がして、今日もせっせと彼の全集を読み進めるわけです。
そんなこんなでもうそろそろ1巻を読み終えてしまいそうなのですが、如何せん4000円の買い物になりますので、容易に読み終えてしまうのは少しだけ抵抗がある気がしないでもないかなと、そんな最近の読書日和です。