「イエスかノーか」勝間和代氏、仕分け激辛 国交省対象
国交省の事業の問題点を追及する勝間和代氏=3日、東京・大手町の気象庁内
「イエスかノーかで教えてください」。国土交通省を対象とした事業仕分け「行政事業レビュー」が3日始まった。
経済評論家の勝間和代氏が「仕分け人」の一人として登場し、国交省の事業に絡む天下りの問題や予算の無駄などを厳しく追及した。
道路の維持管理など5事業を約5時間半かけて議論した。
複数の都道府県にまたがる地域活性化のプロジェクトを計画立案する事業では、勝間氏は「首都圏には24のプロジェクトがあるが、具体的なことはほとんど書かれていない」、「国交省が全部リードする自信があるのか」などと官僚にたたみかけた。
現在、各省ごとの事業仕分けが行われているが、仕分け人の約半数を省内から選ぶこともあり、「判定がお手盛り」との指摘があった。
ところが、国交省では初日の5事業のうち3事業が「廃止」と判定も激辛。勝間氏は終了後、「前原大臣からこういう方針でと言われている。(官僚は)建前を何度もおっしゃるが、もう少し腹を割った議論をしたかった」と話した。
国交省の仕分けは8日まで、東京・大手町の気象庁内で行われる。傍聴可能で、ネット中継もある。
民主党の新代表選びは3日、投開票を翌日に控え、菅直人副総理兼財務相と樽床伸二衆院環境委員長を支持するそれぞれのグループが多数派工作を展開した。
こうした中、最大勢力の小沢一郎幹事長が率いるグループは対応を一本化できず、「自主投票」を決定。同氏の影響力に陰りが生じつつあることを印象付けた。
「(政治とカネの)鳩山さんの思いを菅さんはしっかりやっていただける」。前原誠司国土交通相は3日昼、記者団にこう語り、前原グループとして菅氏を支持する考えを示した。
これと前後して、岡田克也外相、野田佳彦財務副大臣も菅氏支持をそれぞれ表明。3人とも「非小沢系」の有力議員。「小沢包囲網」構築を思わせる態度表明が続いた。
菅氏が出馬を表明したのは2日。しかし、前原、野田両氏は態度を明確にせず、菅氏が小沢氏にどういうスタンスを取るのかじっと見詰めていた。このため、党内では「菅氏との間に何らかの確約があったのではないか」(中堅議員)との声も。これを裏付けるように、菅氏は3日夜の出馬会見で「国民の不信を招いたことで、しばらくは静かにしていただいた方が民主党と日本の政治にとっていい」と、小沢氏を突き放してみせた。
一方の樽床氏。支援者には、三井辨雄国対委員長代理、笠浩史国対副委員長ら小沢氏に近い議員が含まれる。樽床氏の出馬表明が唐突だったこともあり、「同じ松下政経塾出身の前原、野田両氏のグループを混乱させるために、小沢氏が仕掛けたのではないか」などの憶測が飛び交った。
この間、小沢氏は沈黙を続けた。菅氏が出馬のあいさつをしたいと申し入れたが、小沢氏は面会に応じなかった。小沢グループの一人は「小沢さんの意向は分からない」と漏らした。
一方で、小沢氏らが菅氏への対抗馬擁立を模索したとの見方もある。「海江田万里選対委員長代理を立てようと画策したが、海江田氏が首を縦に振らなかったようだ」(旧民社党系議員)。小沢グループは2日以降、何度も会合を開いて「一致結束」を確認したが、結局、一致した対応を取ることができなかった。
「ここまで来たら、すんなり菅君を応援すればいいのに。嫌がらせと小細工の小沢氏だな」。あるベテラン議員はこうつぶやいた