視聴率20%超え「ゲゲゲの女房」が受けている理由
●老若男女の幅広い層が見始めた
松下奈緒主演のNHK朝の連続ドラマ「ゲゲゲの女房」が快進撃を続けている。
原作は「ゲゲゲの鬼太郎」の作者・水木しげるの妻、武良布枝さんの著書。3月29日の初回視聴率は14.8%で歴代過去最低を記録した。ところが、ヒロインの松下が登場した4月5日以降、徐々に伸び始め、6月12日放送分は20.4%をマーク。
朝ドラの20%超えは前作「ウェルかめ」の20.6%(昨年10月6日放送分)以来だ。昭和30年代の東京が舞台。ドラマではひっこみ思案で神経こまやかな“専業主婦”松下が貧しい家庭を支え、明るく生きる様子を描いていて、視聴者が共感しているのだろう。
また、NHKが視聴者の慣習の変化を読み取って従来の「午前8時15分開始」から朝のワイドショーと同じ「8時開始」に48年ぶりに繰り上げたのも成功の要因だ。
「視聴率が上がっているのは、老若男女の幅広い層が見始めているからです。推定で1500万人以上はいるという全国の専業主婦に加え、182センチの向井理と174センチの松下奈緒のフレッシュな2人に若いファンがついている。戦争を体験している人たちも、水木しげるの生き方に自分をだぶらせて見ていると思われます」(芸能評論家の金沢誠氏)
ドラマは7時半からのハイビジョン、同45分からのBS2、12時45分からの地上波の再放送もあり、これらの視聴率を加えるとまさに“おばけドラマ”といえよう。
このままいけば、朝ドラの久々の大ヒットになる可能性も出てきた。ドラマ界のまれな右肩上がり現象である。