Cocoさんがいつものように
いすの脚に首筋を押し当てて寝ていると
どこからか、うめき声が聞こえてきました。
うーん・・・うーん・・・。
声の主は、いすの脚です。
「Cocoさん。首筋で私を
ぎゅいぎゅい押すのは、やめてください。
ずっと押されていると疲れてしまって
足が棒になってしまいます」
Cocoさんは不満顔。
「もともと棒じゃありませんか」
ぶつぶつ言いながら
再び眠り始めます。
すると・・・
なにかが後ろからぎゅいぎゅい押してきます。
さっきまでの仕返しに
いすの脚が、Cocoさんの首筋を
圧迫しているのでした。
むぐっ。むぐぐぐ・・・。
ぐえええぇーっ。
Cocoさんは思わず飛び起きました。
こんなに押されたんじゃ、
ゆっくり寝てはいられません。
「どうです。私の苦労が分かったでしょう」と
いすの脚は得意顔。
腹が立ちましたが、押しの弱いCocoさん、
すごすごと引き下がります。
こうなったら
押しも押されもせぬ、立派なわんこに
なるしか仕方ありません。
しかし、
いすの脚に寄りかからずに寝るのは
Cocoさんにとっては、なかなか難しいこと。
日頃は寝つきのいいCocoさんですが
ちっとも眠れません。
やむなく、つくえの脚に寄りかかってみました。
つくえの脚はいすの脚と違って
靴下を履いていません。
はっ。もしかしたら、
いすの脚が靴下を履いていたのは
すねに持つ傷を隠していたのかもしれない。
どうりで足がつくのをあんなにおそれていたわけだ・・・
と、一人納得するCocoさん。
それにひきかえ、
靴下を履いていないつくえの脚の
なんてたよりがいのあること。
ならばいっそのこと思いきり、
すねをかじってやろうかなあと
思案しています。
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