「幕末未来人」の原作を読みたい!急に降って来た。
1977年にNHK「少年ドラマシリーズ」で放送された連続ドラマ。
原作は眉村卓さんの「名残の雪」という短編。
収録された本を探すと複数あって「虹の裏側」を購入。

少年ドラマシリーズは1979年の「七瀬ふたたび」も大好き。
ドラマ制作の実権を握る世代にファンが多い?
TVドラマや映画で何度もリメイクされています。
多岐川裕美さんが演じた七瀬は越えられないけどね。
「幕末未来人」の放送時に最終回を見逃してしまった。
当時14歳の中学生で少年ドラマシリーズのメインターゲット。
見事に刺さった作品なのに見逃して、今でも悔やまれる。
ネットを検索すれば情報はあります。
「タイムスリップではなくパラレルワールドだった」
伏線が数十年ぶりに回収されてすっきり。
結末が分かると次に興味が湧いたのは原作。
眉村卓さんは好きな小説家なのに「名残りの雪」は未読。
だから思い立って補完しました。
原作だと主人公の伊藤はうらぶれた中年だった。
仕事は雑誌社の守衛で業務中の「トラブル」で早々に殉職。
仲が良かった「ぼく」が伊藤の私物を届けに自宅へ赴く。
「遺品を見て欲しい」奥さんに原稿用紙を渡される。
そこに書かれていたのは・・
眉村さんはジュヴナイル物を多く発表したSF作家。
でも、歴史をきちんと調べて執筆したと分かる。
伊藤の世話を焼く「岡っ引の仙吉」は愛すべきキャラ。
新選組・沖田総司の台詞や剣の腕も鮮烈に描かれていた。
短編でも江戸の世俗を見事に描写していました。
発表当時にこれを読んで「少年ドラマシリーズにしよう」
思いついたNHKスタッフに拍手したい気分。
タイトルの「幕末未来人」もお見事!