ケイトはふるふる震えながら庭へとやってきました。クリスは庭の生け垣に水やりをしているところでした。
「どうしたの? ケイト、悩んでいる様子だけど」
クリスから尋ねてきます。
「いや、ものすごく緊張しているだけど、ほんとに」
「ケイト、大丈夫? いま訪ねてきた若い貴族さんのこと?」
ケイトは頬を赤らめました。
「オレンジください」
クリスはまじまじとケイトの顔を見つめたあと、ぷっ、と吹き出してオレンジのなっている樹の下でオレンジを3つケイトにわたしました。
「ふふふ。あとでローザに言ってやろ。なんかあんだろ」
今日は見事に的中しているクリスでした。
「な! なんにも!」
「お姫様によろしくな!」
手を振りかえすのもしんどいケイトでした。
ケイトは昔のオレンジジュース係だった頃と同じように、オレンジをしぼっていました。これを幼馴染のショーンに出すのです、どんな顔をして持っていけばいいのか分かりませんし、ショーンが何故いきなり「オレンジジュース」と言ったのかも分かりません。
自分のことなど、もうこれっぽっちも想ってないかもしれません。
「わたしは、まだショーンのことを……」
――それだけは、確かに分かることでした。
ぎいと野次馬で控えているメイドたちに扉を開けてもらい、ケイトはどうともなれと思ってお部屋に足を踏み入れました。会話は止まっているようです。
近づいてくるケイトに、ショーンはゆっくり顔をもたげました。ケイトは急にどきどきしだしました。なんたって、ショーンの瞳には、昔と同じ、かすかな微笑みがあったのです。それは、幼いころから変わらない優しさがこもっていました。
「ケイト」
ショーンの唇が、かすかにケイトの名を呟きました。
ケイトはオレンジジュースを持ったまま、凍りつきました。
「ただいま」
ショーンの一言一言が胸にじんじんと沁みていきます。
「っ……」
ケイトはうれしくてうれしくて何を言えばいいのか分かりませんでした。ショーンは立ち上がり、俯いたケイトの手のお盆を取って応接間のテーブルの上に置いて、ケイトを抱きしめ、ケイトの頬にキスを落としました――。
――――
うっわぁギリギリの投稿……。
9月分です❤
「どうしたの? ケイト、悩んでいる様子だけど」
クリスから尋ねてきます。
「いや、ものすごく緊張しているだけど、ほんとに」
「ケイト、大丈夫? いま訪ねてきた若い貴族さんのこと?」
ケイトは頬を赤らめました。
「オレンジください」
クリスはまじまじとケイトの顔を見つめたあと、ぷっ、と吹き出してオレンジのなっている樹の下でオレンジを3つケイトにわたしました。
「ふふふ。あとでローザに言ってやろ。なんかあんだろ」
今日は見事に的中しているクリスでした。
「な! なんにも!」
「お姫様によろしくな!」
手を振りかえすのもしんどいケイトでした。
ケイトは昔のオレンジジュース係だった頃と同じように、オレンジをしぼっていました。これを幼馴染のショーンに出すのです、どんな顔をして持っていけばいいのか分かりませんし、ショーンが何故いきなり「オレンジジュース」と言ったのかも分かりません。
自分のことなど、もうこれっぽっちも想ってないかもしれません。
「わたしは、まだショーンのことを……」
――それだけは、確かに分かることでした。
ぎいと野次馬で控えているメイドたちに扉を開けてもらい、ケイトはどうともなれと思ってお部屋に足を踏み入れました。会話は止まっているようです。
近づいてくるケイトに、ショーンはゆっくり顔をもたげました。ケイトは急にどきどきしだしました。なんたって、ショーンの瞳には、昔と同じ、かすかな微笑みがあったのです。それは、幼いころから変わらない優しさがこもっていました。
「ケイト」
ショーンの唇が、かすかにケイトの名を呟きました。
ケイトはオレンジジュースを持ったまま、凍りつきました。
「ただいま」
ショーンの一言一言が胸にじんじんと沁みていきます。
「っ……」
ケイトはうれしくてうれしくて何を言えばいいのか分かりませんでした。ショーンは立ち上がり、俯いたケイトの手のお盆を取って応接間のテーブルの上に置いて、ケイトを抱きしめ、ケイトの頬にキスを落としました――。
――――
うっわぁギリギリの投稿……。
9月分です❤
どきどき、どきどきです♪
オレンジジュースはちゃんと飲めたのかしら♪
励みになってます。
オレンジジュースを……ショーンはその後どうやって飲んだのか……確かに。。。
頬にキス。14歳なのに、なんだかショーン、大人に見えます。