お待たせしました❤
感想お寄せください!
(ニーナ嬢はツンデレです。)
――――――
ジルとケイトとショーンがお姫様のお屋敷に戻って、お屋敷は平穏を取り戻しました。
「ケイト、またね」
ショーンがそうにっこり微笑みました。
「う、うん……」
「ケイト、馬車のところまで見送っていけば? いいわよ」
お姫様――ニーナ嬢が不服そうに言います。ニーナ嬢はケイトのことが好きですからね。少し、やきもちをやいていらっしゃったのです。それに立て続けにいろんな出来事が起こっていくものですから、苛々していたのであります。
「は、はい!」
ショーンが馬車に乗り込むまえ、二人はキスをしました。ケイトは初めての長いキスに息も詰まりそうなほどでした。
「もしかしたら、お城のひとたちが厳しくなって、ここにもう来られないかもしれない。でも、僕はケイトのものだから。だから安心して。手紙を書くよ」
「わ、分かった……」
最後に、
「ケイト、可愛い」
小さな口づけをして、ショーンは馬車に乗りました。
馬車が見えなくなるまで、ケイトはお屋敷の門のところに立っていました。そっとジルが来て、ケイト、と名前を呼びました。
「ジル!」
「優しい彼氏ね。羨ましいわ」
「ジルには男の子の友だちはいなかったんですか?」
「昔ね、私、女騎士になりたくて旅に出たのよ。そしたら旅で知り合った男の方と仲良くなったわ。まあお屋敷に帰りながら話しましょ」
どうしてジルは女騎士になる夢を諦めてしまったのだろう、とケイトは思いました。それを察したのか、ジルは懐かしそうに話し始めました。もう、夕暮れ時で、雁の群れが晩秋のオレンジ色の空に飛んでいました。
「私の母は公爵家の娘だったけれども、恋愛結婚をしたのよ。それで、家から勘当されたの。でも、ある日、男爵家だった父が麻薬に手を出してしまって。父は母が美しすぎるといつも言っていて。敵が多かったのね、たぶん。そのストレスのせいだと思うわ。麻薬がばれて父は捕まり、母は父のことを想うばかりでだんだんと痩せていき、私は一人娘だったから病弱になった母を看病しなければならなくなったのよ。彼はときどき薬草をもって私に会いに来てくれたけど、お城に勤めてお城の騎士として正式に働くことになってから縁は切れたわ」
「いま、お母様は?」
「父方の男爵家にお世話になっているわ。私も働いて稼がないといけなかったし。そして、ニーナお姫様は、私のはとこにあたるのよ」
「そうなんだすか……。ジルも恋愛結婚をしたい?」
「そうね。私も女だし、恋愛結婚をしたいわ。でもね……」
つらそうな瞳から、ジルには忘れられない男性(ひと)がいるのだとケイトは察しました。もうこの話題は終わりにしたほうがよさそうです。
「あ!」
「うん?」
「さっきのアーサーっていう騎士さんからもらった薔薇は?」
「――――え……?」
ジルの顔が固まりました。
「ほら、薔薇の花束です。まるでマジシャンみたいでしたね、ふふ」
「――アーサー?」
「ん? そうどすけど」
「そ、そう名乗っていたの?!」
激しい問いつめに、ケイトはたじたじして、うなずきました。
「そう名乗ってたです」
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(ニーナ嬢はツンデレです。)
――――――
ジルとケイトとショーンがお姫様のお屋敷に戻って、お屋敷は平穏を取り戻しました。
「ケイト、またね」
ショーンがそうにっこり微笑みました。
「う、うん……」
「ケイト、馬車のところまで見送っていけば? いいわよ」
お姫様――ニーナ嬢が不服そうに言います。ニーナ嬢はケイトのことが好きですからね。少し、やきもちをやいていらっしゃったのです。それに立て続けにいろんな出来事が起こっていくものですから、苛々していたのであります。
「は、はい!」
ショーンが馬車に乗り込むまえ、二人はキスをしました。ケイトは初めての長いキスに息も詰まりそうなほどでした。
「もしかしたら、お城のひとたちが厳しくなって、ここにもう来られないかもしれない。でも、僕はケイトのものだから。だから安心して。手紙を書くよ」
「わ、分かった……」
最後に、
「ケイト、可愛い」
小さな口づけをして、ショーンは馬車に乗りました。
馬車が見えなくなるまで、ケイトはお屋敷の門のところに立っていました。そっとジルが来て、ケイト、と名前を呼びました。
「ジル!」
「優しい彼氏ね。羨ましいわ」
「ジルには男の子の友だちはいなかったんですか?」
「昔ね、私、女騎士になりたくて旅に出たのよ。そしたら旅で知り合った男の方と仲良くなったわ。まあお屋敷に帰りながら話しましょ」
どうしてジルは女騎士になる夢を諦めてしまったのだろう、とケイトは思いました。それを察したのか、ジルは懐かしそうに話し始めました。もう、夕暮れ時で、雁の群れが晩秋のオレンジ色の空に飛んでいました。
「私の母は公爵家の娘だったけれども、恋愛結婚をしたのよ。それで、家から勘当されたの。でも、ある日、男爵家だった父が麻薬に手を出してしまって。父は母が美しすぎるといつも言っていて。敵が多かったのね、たぶん。そのストレスのせいだと思うわ。麻薬がばれて父は捕まり、母は父のことを想うばかりでだんだんと痩せていき、私は一人娘だったから病弱になった母を看病しなければならなくなったのよ。彼はときどき薬草をもって私に会いに来てくれたけど、お城に勤めてお城の騎士として正式に働くことになってから縁は切れたわ」
「いま、お母様は?」
「父方の男爵家にお世話になっているわ。私も働いて稼がないといけなかったし。そして、ニーナお姫様は、私のはとこにあたるのよ」
「そうなんだすか……。ジルも恋愛結婚をしたい?」
「そうね。私も女だし、恋愛結婚をしたいわ。でもね……」
つらそうな瞳から、ジルには忘れられない男性(ひと)がいるのだとケイトは察しました。もうこの話題は終わりにしたほうがよさそうです。
「あ!」
「うん?」
「さっきのアーサーっていう騎士さんからもらった薔薇は?」
「――――え……?」
ジルの顔が固まりました。
「ほら、薔薇の花束です。まるでマジシャンみたいでしたね、ふふ」
「――アーサー?」
「ん? そうどすけど」
「そ、そう名乗っていたの?!」
激しい問いつめに、ケイトはたじたじして、うなずきました。
「そう名乗ってたです」
優しく長い口づけ…いいですね~♪
他にも…なにかありそうですね?
楽しみです♪
アーサーは自分の元カノって分かったんでしょうかね?
ちょっと大人の恋を書いてみたく思いました。
楽しみにしててください♪