今朝の朝日新聞の朝刊に、長谷部恭男・早稲田大教授(憲法)と杉田敦・法政大教授(政治理論)の連続対談が載っています。
その中で、現在の憲法学会のリーダーの一人である長谷部教授が
「少なくとも、集団的自衛権の行使は憲法上許されないという、9条解釈のコンセンサス(合意)は壊れていません。」
「今後も、昨年の閣議決定は間違いだ、元に戻せと、あらゆる機会と手段を使って言い続けていくことになります。」
と高らかに宣言しているのは本当に頼もしいことです。
なにしろ、長谷部教授は、特定秘密保護法制定の時には、多くの憲法学者と違って積極的に法案賛成の意見を述べていた、むしろ学会では保守的な人です。
だからこそ与党の自民党と公明党とタカ派の次世代の党が憲法審査会で参考人として来てもらったわけで、にもかかわらず、安保法案が違憲だと断言されたら、やれ憲法学者は安全保障については素人だとか、憲法違反かどうかを決めるのは学者でなくて最高裁だとか言い訳を言うから、安倍政権は「普通の法律家集団」というやっかいな人たちの虎の尾を踏んでしまったんですよ。
![](http://1.bp.blogspot.com/-Hce6qNUIIaw/VXBTypFZZwI/AAAAAAAABAM/5WYH4bu8m_U/s1600/%25E3%2582%25B9%25E3%2582%25AF%25E3%2583%25AA%25E3%2583%25BC%25E3%2583%25B3%25E3%2582%25B7%25E3%2583%25A7%25E3%2583%2583%25E3%2583%2588%2B2015-06-04%2B22.33.33.png)
そんな長谷部教授と杉田教授のやり取りの中から印象に残ったものをいくつかご紹介します。
杉田 しかし推進側は、最高裁判決が出るまでは、法律家でなく政治家が答えを決めると主張しています。裁判になっても、最高裁は憲法判断を避けるだろうとタカをくくっているようです。
長谷部 希望的観測ですね。法律家共同体のコンセンサスを甘く見過ぎていると思います。そもそも憲法は政治権力を縛るためにあるのだから、その意味内容を政治家が決めてよいはずがない。安倍政権の下、シビリアンコントロール(文民統制)どころかシビリアンの方が暴走しています。
とうとう国会前の安保法制反対集会にまで参加され、熱弁を振るわれた長谷部教授。
長谷部 予想以上に、日本には立憲主義者がいた。抗議デモに参加した人たちだけでなく、自民党支持者や、法制は必要だという人たちにも、憲法の重要性や、権力を縛る立憲主義の意義についての認識が広まった。安倍政権の「教育効果」は大きかったと言えます。
長谷部 日本は、世界有数の平和で安全な国です。何をそんなに焦ったり不安がったりする必要があるのか。テストですでに90点を取っているのだから、下手に新しいことに手を出すより、これまで通りのやり方で現状維持をはかった方が賢明です。
長谷部 安保法制の必要性を説く人たちは具体的な必要性を論証しようとしない。中国が怖い、北朝鮮も怖い、だから軍事的オプションを増やさなければならない、としか言えていない。これは安全保障論ではなく「安心保障論」。不安そのものをなくそうとしてもきりがありません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/68/f2/f40bc4430ae5f551a1e8daa2c62c490c.jpg)
選挙で選ばれた多数派の与党が出す法案は、すべて可決されるのが民主主義だと思っている方には、この憲法学の権威の
「民主主義は、選挙で選ばれたプロの政治家による審議や決定にとどまらない。
プロの政治家の行動が主権者の意思と離れた時に、抗議するデモや集会。プロの審議に新たな材料を提供したり、別の方向性を示したりして補完するマスメディアや知識人の働き。
そんな様々な「カウンターデモクラシー」の要素を含んだものが民主主義です。」
という言葉を噛みしめてほしいですね。
民主主義とはまず近代憲法が成立し発展する中で成長してきた概念であり、制度なんですから。
だいたい、憲法学者が安全保障について素人だというのなら、憲法学者以外の人はみんな憲法の素人なんですから、安保法制が違憲か合憲かという問題については、砂川事件最高裁判決の解釈も含めて、黙って、違憲だという憲法学者たちの意見に従っておくべきではないでしょうか。
関連記事
やはり、安倍政権には普通の良心的な保守層に見放される何かがあるのでしょう。
よろしかったら大変お手数とは存じますが、上下ともクリックしてくださると大変うれしいです!
人気ブログランキング
にほんブログ村
![](http://hbb.afl.rakuten.co.jp/hsb/0eb46e43.a03a7eef.0eb46e39.39a610d9/)
![](http://hbb.afl.rakuten.co.jp/hsb/0ec09b9c.483b4874.0eb4bbaa.95151395/)
Amazon 社会・政治・法律![](https://ir-jp.amazon-adsystem.com/e/ir?t=mirai0501-22&l=ur2&o=9)
Amazon Kindle ベストセラー![](http://ir-jp.amazon-adsystem.com/e/ir?t=mirai0501-22&l=ur2&o=9)
Amazon タイムセール商品![](http://ir-jp.amazon-adsystem.com/e/ir?t=mirai0501-22&l=ur2&o=9)
日本国憲法第九条を改正すべきか否か、私たち一人ひとりが決断を迫られる時代が近づきつつある。だが、これまでの改正論議では、改憲・護憲派ともども、致命的に見落としてきた視点があった。立憲主義、つまり、そもそも何のための憲法かを問う視点である。本書は、立憲主義の核心にある問い―さまざまな価値観を抱く人々が平和に共存するための枠組みをどう築くか―にたちかえり、憲法と平和の関係を根底からとらえなおす試みだ。情緒論に陥りがちなこの難問を冷静に考え抜くための手がかりを鮮やかに示す。
![クリエーター情報なし](http://ecx.images-amazon.com/images/I/31OX8VWIiHL._SL160_.jpg)
憲法入門 長谷部恭男 羽鳥書店
読んだだけではよく意味が分からない条文、普通のことばの意味とは違った意味で受け取るべき条文を大胆かつ軽やかに分かりやすく解説する。第一線研究者による日本国憲法の入門書決定版。
![クリエーター情報なし](http://ecx.images-amazon.com/images/I/41Z2B6CGSRL._SL160_.jpg)
憲法とは何か (岩波新書) 長谷部恭男著 岩波書店
憲法は何のためにあるのか。立憲主義とはどういう考えなのか。憲法はわれわれに明るい未来を保障するどころか、ときに人々の生活や生命をも左右する「危険」な存在になりうる。改憲論議が高まりつつある現在、憲法にまつわる様々な誤解や幻想を指摘しながら、その本質についての冷静な考察をうながす「憲法再入門」。
集団的自衛権丸ごと違憲 高知新聞が長谷部・早大教授にインタビュー |
2015年06月10日07時58分 |
解釈変更の拡大懸念
国会で審議中の安全保障関連法案について、6月4日の衆院憲法審査会で「集団的自衛権の行使は違憲だ」と発言した自民党参考人の長谷部恭男・早稲田大学教授(58)が高知新聞のインタビューに応じ、「憲法9条があるのに集団的自衛権の行使を認めることはあり得ない」と述べた。行使には憲法改正が必要と強調し、解釈変更によって進める安倍政権の動きを「末期的だ」と厳しく批判した。
長谷部教授は集団的自衛権の行使に従前から反対している。
インタビューの中で長谷部教授は、安全保障関連法案の成立を目指す自民党の推薦ながら国会で「違憲」と述べた理由について「聞かれたから、自分が思う通りに話した。集団的自衛権に関しては丸ごと違憲だ」と語った。
現行憲法では集団的自衛権が行使できないのは「歴代の政府が言ってきたこと。(今回の安保法制は)次元が全く違う。まっとうな手段じゃない」と反対の立場を強調し、「安全保障環境が以前より危険だというなら、日本の限られた防衛力を地球全体に拡大するのは愚の骨頂だ」と指摘した。
解釈変更で事実上の憲法改正を進める現政権の動きを「異常だ。変な国になる」と強く反発。仮に集団的自衛権が行使可能になったとしても、「イスラム国の掃討作戦には参加しない」とした首相発言に対し、「今の首相がそう言っただけ、という話になる」とし、時の権力者によって解釈変更が拡大する懸念を示した。
ホルムズ海峡にイランが機雷を敷設するという想定も「考えられない。全くのファンタジーだ」と述べた。
長谷部教授はさらに「憲法が再び根本的に変われば大戦争が起きる可能性は常にある」「憲法のことを日々考えずに済む国民は大変ハッピーだが、今回は根幹を変える話。いずれ日々考えるようになるかもしれない」と述べた。
また、審査会後に与党から「人選ミス」との声が出たことについては「99%の憲法学者が違憲との立場。(人選ミスと言うなら)合憲だという学者を探してください、という話。立憲主義について語る素養があって、かつ、合憲だと言える人がどこにいるのか」と強く反論した。
取材は8日、東京の早稲田大学で行われた。
はせべ・やすお 憲法学者。憲法学の権威と言われた故芦部信喜・東大名誉教授の門下生。1979年東大法学部卒。学習院大教授、東大大学院教授などを経て、2014年から早稲田大学法務研究科教授。議論を呼んだ特定秘密保護法には賛成し、特定秘密保護法案の国会審議では自民党推薦の参考人として意見を述べた。著書に「憲法と平和を問いなおす」「憲法とは何か」など。広島市出身。58歳。
異常な解釈改憲
「集団的自衛権の行使は違憲です」。憲法学者の長谷部恭男・早稲田大学教授(58)は高知新聞のインタビューの中で、4日の衆院憲法審査会と同様、集団的自衛権行使を可能にする安全保障関連法案を「違憲」と断じた。一内閣の解釈変更によって憲法を事実上変えていく動きを「異常」とも言う。衆院審査会での発言の真意や安全保障関連法案の問題点、立憲主義とは何かなどについて、じっくり語ってもらった。
▼集団的自衛権 9条で認められず
―4日の衆院憲法審査会に自民党の参考人として出席し、安全保障関連法案については「集団的自衛権の行使が許されるとした点は憲法違反だ」と述べました。自民党側から(発言内容に関して)何か事前に要請はありましたか。
「あまり知られていませんが、参考人が何党の推薦を受けているのかは、実ははっきりと分からないことが多いのです。(衆院の)事務サイドから連絡が来るので。特定秘密保護法のときも参考人として(国会審議に)出席しましたが、自民党の推薦だと言われたのはその場です。今回も『自民党かもしれない』ぐらいのことは、ぼんやりとうかがっていましたが」
―長谷部さんは以前から、著書などで集団的自衛権の行使に反対していました。
「その点は変わっていません。今回の安保法制も、集団的自衛権に関しては丸ごと違憲です。条文の形になっているのは法案の一部ですが、核心的部分ですからね」
―具体的には。
「自衛隊法改正案がそうです。『存立危機事態』でも防衛出動を命じることができる、というのは、明らかに集団的自衛権の行使を想定しています」
―「後方支援」についても、戦闘地域と非戦闘地域の線引きがなくなる、と言われています。
「従来の政府見解として、いわゆる『大森4要素』があります。現場指揮官がその場その場で判断するのは困難なので、『戦闘地域』と『非戦闘地域』に明確な線を引き、後者の範囲内で活動すると。そうすれば武力行使との一体化の恐れはないとされてきました」
「今は国会で『弾薬も提供する』とか、『発進中の航空機の給油もする』とか言われますが、常識的に考えれば一体化してますよね。『戦闘現場でのみ自衛隊は後方支援活動をしない』と言うだけでは、一体化を避けるのは無理です。戦争とは生き物。どんどん動きますから」
―これまでも憲法解釈を通じて自衛隊活動は広がってきました。過去の問題と今回の安全保障関連法案は、どう違うのでしょうか。
「全く次元が違いますね。憲法9条によって(日本の)武力行使は原則ゼロになっています。しかし国民の生命、財産も守れない、というわけにはいかない。それはどこの政府も最低限やる活動だろうということで、『9条の範囲でどこまで許されるのか』で個別に法律を作ってきました。その際も9条があるから、認められるのは個別的自衛権。わが国が外国から攻撃されて、ほかに手段がないときは最低限の実力行使は認められるという話でした。これは憲法の原則が広がったことを意味しません」
「しかし、集団的自衛権は早い話、他国の防衛のために武力行使をすること。9条があるのに、これを認めることはあり得ない。いや、これは私だけが言ってるんじゃなくて、歴代の政府がずっとそう言ってきたのです。集団的自衛権を行使するなら憲法を改正しないと駄目だ、と繰り返し確認されてきた話です。解釈を変えるのは、まっとうな手段とは言えません」
―長谷部さんは「現行憲法に改正すべき点は見当たらない」と著書で述べています。
「今のところはそう。与党の皆さんは『安保法制が通れば日本はより安全になる』とおっしゃるけど、そんな保証は全くない。仮に安全保障環境が以前より危険だと言うなら、日本の限られた防衛力を地球全体に拡大するのは愚の骨頂。サッカーで自陣のゴールが危ないのに選手を敵サイドに分散させるチームがありますか?」
「米国に軍事協力をすれば、日本の安全保障にも参加してくれると希望的観測を抱く人もいるようだけど、それは甘い。米国は自分の国のためにしか軍隊を動かしません。どこの国もそうです。さらに米国は本格的な軍事行動に連邦議会の承認が必要で、大統領制下では議会が政府の言うことを聞くとは限らない。日本の国会承認とは全く違うものです」
―安全保障関連法案が成立すれば、軍拡競争につながるという懸念の声もあります。
「与党の方々は『抑止力を高める』とおっしゃるが、こちらが高めると、向こうはさらに軍備を増強するかもしれない。第1次世界大戦も第2次世界大戦も、抑止力競争の結果として始まりました。『抑止力を高めれば平和になる』というのも希望的観測です」
―歴史を振り返っても抑止力競争の行き着く先は、戦争ということでしょうか。
「抑止力を高めても安全になる可能性はない、とは申しません。より危険になる可能性も少なくとも同じ程度あるということです。日本周辺の安全保障環境はそんなに変わっていないはずですがね」
【大森4要素】 自衛隊の海外派遣に際しては、他国軍の武力行使と一体化するのではないか、との懸念がある。その一体化に関する政府の判断基準を示したもので、1997年に大森政輔・内閣法制局長官が国会で答弁した。「大森4要件」とも呼び、①自衛隊と他国軍の地理的関係②自衛隊の活動の具体的内容③他国の武力行使に当たる者との密接性④協力相手の活動の現況―の四つを総合勘案し、個別に判断するとの内容。憲法9条の下で、海外へ自衛隊を派遣する場合に用いる、とした。
▼平和主義 憲法の根幹変わる
―憲法改正をめぐっては、いかに適正な手続きを踏んでも、改正できないものがある、との考えがあります。例えば、人類が積み上げてきた基本的人権の尊重などです。
「それはそうだと思います。(どんな改正があるにせよ)平和主義の原則は入るべきでしょうね」
―集団的自衛権の行使を可能にする憲法改正は。
「それはできます。集団的自衛権はアメリカもイギリスもフランスも行使していますしね。極めて限定的なものなら、集団的自衛権も平和主義の大原則と両立する、と言う人もいるかもしれません。国民投票で承認を得ようとするなら、過去の戦争の歴史も含めて一生懸命説明し、それで集団的自衛権を行使しようとなれば、憲法学者がどうこう言う話ではありません」
―現状はその過程を飛ばし、解釈で事実上の改正をしようとしています。
「憲法とは、そのときたまたま首相になった人の考えで、やたら動かしてはいけない。そのための憲法です。だから、なかなか変えにくくしているのです。安倍首相は今のサミット(先進7カ国首脳会議、ドイツ)で『人権、民主主義、法の支配を守る』とおっしゃったけど、法の支配を守るなら、今の憲法を守るべきです。自分で破っておいて『守る』とは。言ってることと、やってることが違います」
―長谷部さんは「戦争とは憲法と憲法の戦い」だと述べています。
「憲法が違うと、最悪の場合、戦争が起きるのでね。どの国と仲良くするかを決めているのは憲法なのです。かつて、憲法の違いから(日本は)アメリカと戦争をして、ポツダム宣言で『戦争を終結したいなら憲法を根本的に変えろ』と言われたわけです。憲法が再び根本的に変われば、大戦争が起きる可能性は常にあります」
―一方、私たちは日常生活で、そこまで憲法を深く意識していません。
「日々の生活との関係は薄いし、もっと大事なことだってあるでしょう。『夕飯の献立の方が大事だ』と。私もそう思います。実は、憲法のことを日々考えなくて済むのは大変ハッピーな国民なんですよ。ただ、安保法制は憲法の根幹を変えるという話。いずれ、憲法のことを日々考えることになるかもしれない。今は夕食の献立が大事だけど、5年後はそんなこと考えていられない、となるかもしれません」
―選挙で政治家を選ぶ際の基準も、憲法は上位ではありません。
「まず経済。どこの国もそうです」
―経済に引っ張られて最終的に憲法が変わり、国が変わったという例はありますか。
「まさにヒトラーがそう。政権を取って景気が良くなりました。大規模な公共工事をやって、失業率はどんどん下がった。でも、日本では国民1人当たりの所得はここまで上がっているので、再び独裁制になるとは思いません」
―それでも、ふと気付くと、深刻な変化に気付くことはあり得るのでしょうか。
「ああ、あのときだったか、とね。今回は一つのポイントだと思います」
―憲法の事実上の改正を解釈変更によって行うことが、なぜ駄目なのか。あらためて聞かせてください。
「要するに『変な国』になっちゃう、ということ。憲法は他国と交渉する際の、最後のよりどころです。『憲法にこうあるから無理だ』と言えてきたのを『いや、それは自己都合で変えられる』って天下に示したわけですから。今後は『じゃあ解釈を変えればいい』と言われますよ」
―憲法のありようは私たちの内面と関わっているのでしょうか。
「人の生き方、考え方はそれぞれだから、それを公平に認めようというのが今の日本国憲法です。しかし残念ながら、与党にはその考え方自体が気に入らないという方々がいらっしゃるようです。だから憲法を変えて、人々に同じ考えをしてもらおうとするのは困ります。また戦争をしないといけなくなるので」
―人の心を縛るような改正もあり得るということですか。
「人の内面を縛るのは一種の革命信仰です。制度を変えれば人民の精神を革新できる、皆が『正しい人』になるという信仰は、実はどの時代にもどの国にもあります。マルクス主義もフランス革命時のジャコバン独裁も、ナチズムもファシズムもそうでした。そんなに珍しくなくて、特にエリートの中に結構いるんですよ」
―憲法審査会で参考人が全員「違憲だ」と主張し、自民党委員が党幹部に「人選ミスだ」と怒られたとか。
「かわいそうに。『だったら、あなたが探してきてくださいよ』という話でしょう? そう簡単には見つからないはずです。立憲主義について語る素養があって、かつ合憲と言える人って、どこにいるのか、という感じですから」
―そんな法案が国会で審議され、与党側はなお「合憲」と主張しています。
「末期的ですね。何の末期かは分かりませんが」
▼審査会参考人 学者の99%「違憲」
―衆院憲法審査会の後、政府・与党側から参考人の「人選ミス」との声が出てきました。安全保障関連法案を合憲という憲法学者もたくさんいる、と。実際、いるんでしょうか。
「圧倒的多数、99%の学者は違憲の立場ですよ。少なくとも集団的自衛権はそう。残る1%はどんな人かと? 私の口からは申し上げられない。あまり付き合いもないし、学会でも会わない…。かなり偏った立場です」
―国会議員や閣僚には憲法99条で憲法の尊重擁護義務があります。その人たちが自らその枠をはみ出そうとしています。
「異常です。憲法の枠を外そうとして、それがどこまで広がるかも分からない。枠自体をなくす法案の審議は今までにないことです。例えば、集団的自衛権が認められれば、自衛隊はホルムズ海峡で機雷掃海ができると言う。しかし、それ以上のことはできないかというと、その保証は全くない。安倍首相は『イスラム国の掃討作戦には参加しない』とおっしゃったけど、今の首相が今そう言っただけ、という話になります」
―ホルムズ海峡の機雷掃海は個別的自衛権で対処できる、という主張もあります。
「あり得ます。(4日の衆院憲法)審査会でそう発言した小林節先生(慶応大名誉教授)に対し、北側一雄さん(公明党副代表)が『国際法はそういう使い方はしない』とおっしゃっていたけど、これは日本国憲法の問題です。日本の憲法で個別的自衛権だと考えられているものだけが認められる、という話。日本を防衛している米国艦船が外国から襲撃を受け、日本が反撃するのは当然ありですが、それを『集団的自衛権だ』と言う人が『だから使えるように』という議論は全く説得力がありません」
―ホルムズ海峡の一部はイランなどの領海です。他国内に置かれた機雷を、自国の個別的自衛権によって除去する行為は無理ではないのですか。
「両論あり得ると思います。ただ、イランが機雷を敷設する可能性はない。イラクで『イスラム国』掃討の力になっているのはイランの革命防衛隊です。今後、アメリカはイランと協力することはあってもけんかは考えられない。『日本に原油が来なくなったら?』なんて、全く非現実的なファンタジーです」
【写真】「合憲という学者、どこにいるのか」と強調する長谷部恭男・早稲田大学教授(東京都新宿区の早稲田大学)
|
よろしかったら大変お手数とは存じますが、上下ともクリックしてくださると大変うれしいです!
人気ブログランキング
にほんブログ村
![](http://hbb.afl.rakuten.co.jp/hsb/0eb46e43.a03a7eef.0eb46e39.39a610d9/)
![](http://hbb.afl.rakuten.co.jp/hsb/0ec09b9c.483b4874.0eb4bbaa.95151395/)
Amazon 社会・政治・法律![](https://ir-jp.amazon-adsystem.com/e/ir?t=mirai0501-22&l=ur2&o=9)
Amazon Kindle ベストセラー![](http://ir-jp.amazon-adsystem.com/e/ir?t=mirai0501-22&l=ur2&o=9)
Amazon タイムセール商品![](http://ir-jp.amazon-adsystem.com/e/ir?t=mirai0501-22&l=ur2&o=9)
それは、もう御分かりでしょう。
現安倍政権は、保守と言うよりも全体主義を志向した一派です。 今までの自民党とは違い、対米従属を梃にして復古主義の顕現を図りつつある、と思われるのです。
安倍政権の政策に依れば、日本にとって危険極まる道を辿ることになるのです。 財政、経済は、国の破綻に至る道であり、安全保障は、現実の世界を観ずに軍備を高める口実を構えるのみです。 必然的に対外的な緊張をも高めることでしょう。
特に、財政、経済の支離滅裂な政策は、株式市場で外国人投資家の見切り売りに繋がったところです。
多くの憲法学者が危機感を抱くのは、政策の如何もさりながら、近代民主主義の基である立憲主義を瓦解させる全体主義の素顔が表れたからです。
時代を一世紀も過去に遡る悪夢が正夢になるのは、日本の国民にとって耐えがたいものがあります。
21世紀にあって、このような時代錯誤の政府を持つとは、我が目を疑う程です。 何としても、悪夢の元を断たねばならないと信じます。
国民の生命や財産が守れかかろうが日本の武力行使は憲法九条によって出来ないのに、それじゃあ困るから「九条の範囲内でどこまで許されるのか」で個別に法律を作ってきたことを非難もせず、「これは憲法の原則が広がったことを意味しない」って意味が分からない。
憲法九条で武力行使は出来ない、でもそれじゃあ困るから戦力保持も個別的自衛権なら武力行使もOKですよと。完全に憲法違反、憲法無視でしょ。
長谷部教授は私の記憶違いでなければ自衛隊も違憲だと言っていたはず。
しかし、「現行憲法に改正すべき点は見当たらない」(by長谷部)ということは、自衛隊も個別的自衛権行使も違憲だけど仕方がない。でも集団的自衛権は違憲だから認められないとは、憲法学の権威などご都合主義の極みですね。
自衛のためを除き、戦争を放棄し、その目的を完遂するために軍備を保有しない、としたのです。
ただ、国際法上の自衛権は、当然のことながら独立国家ならば備えているのです。
条文にある「交戦権」とは、戦争をする権利等と誤解されることもありますが、そのような国際法上の権利がある筈も無く、その意義は、国際法上の「交戦権」を指します。
従って、国際紛争を解決するために戦争はしない、のですから、国際法上で交戦国に認められている「交戦権」を行使しないのは当然で、これが憲法の言うところです。
結局のところ、憲法上の自衛権の行使とは、警察、海上保安庁、等の実力と国民の抵抗に依る他はありません。
ただ、少数説としては、自衛権が認められている以上は、自衛のための必要最小限の武力の保有は認められている、との説が、憲法制定当初から存在しました。
この説は、京都学派の佐々木惣一先生が有名でした。 私は、憲法を勉強していた当時に先生の著書、論文等を読み、解釈上は、そういう見解もあり得る、と思いました。 ただ、憲法制定議会での立法者の意思は、明確にその解釈を否定するものでした。
これは、憲法の規範的意義についてであり、政策論議とは別問題です。
私自身は、国家に自衛権があり、その行使のための最小限の国防力は、保有しなければならない、と言うものです。
この主張は、憲法制定議会でも少数ながら、主張されたもので、当然のことであろう、と思われます。
ただし、そのような見解を持つ者から観ても、現行憲法第9条の規範的意義に依れば、自衛隊は、憲法違反の存在である、と言わざるを得ません。
巷間言われるところの「違憲合法」の存在たる由縁です。
国防力を保有する、しない、の論議は、憲法改正の場で行い、立憲主義を貫くべきです。 憲法規範そのものを、恰も、「止揚」するかの如き「解釈変更」に依るべきではありません。
ただ、安倍政権は、第9条の改正のみを目指している訳では無く、近代民主主義とその原理に基づく立憲主義そのものを葬り去ろうとしているのです。
自民党の憲法改正案を良く読むと、その目指すところは、現憲法体制自体の壊滅であるのが理解出来ます。 彼等には、自由も民主主義も喧伝する資格はありません。
今更ながら個別的・集団的などと騒いだところで整合性なしでしょう。
護憲派が時代に合わせて改憲を認めていれば、解釈改憲などという姑息で意味不明な安保法は成立しなかったでしょう。
今回の安保法成立で日本国憲法(特に9条)は完全にお役御免だと思います。
憲法9条は、敗戦国日本にアメリカが押し付けた戦後の憲法だから無効。
これにつきます。
違憲だの言う憲法学者は、所詮、戦後敗戦利得者である事があきらかになったのでとっとと消えて下さい。
小川和久著「日本人が知らない集団的自衛権」
ぜひ御一読を。(とっても勉強になりました)
賛成派も反対派の方も、ぜひ読んでみるのおススメします。
もし、既読の方で御意見伺えるなら勉強になります!
ぜひ、お聞かせ下さい!
という論理を支持する方は、安保法案も米国主導の押し付け法案ですので、是非無効という声を上げて頂きたいものです。
憲法9条は、敗戦国日本にアメリカが押し付けた戦後の憲法だから無効。
.......補足ですが押し付けだから無効では無く、自衛権をも放棄するなど国際法からみても違憲だと言っていたのですね。GHQだったマッカーサもケイディスも後に暫定的憲法を改定もせずにいる日本に驚き呆れていた様ですし。日本って昔から外圧でもない限り自主的に物を決められない国なのだね。米国に逆らえないのは多くが分かっているのにも関わらず原則論を持ち出してもね.....。戦前の失敗は孤立主義にあったがそうならない為にも集団的自衛権は必要である(決め方はどうであれ)。米帝の要求どおり?に従って後にどうなるかは分からないが選択肢が他に何かあるだろうか?中露が実際に領土拡大を始めている事に目を背けていても仕掛けてくるのは向こう次第だから....。