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本日、2025年2月24日でロシアによるウクライナへの侵略が始まってからちょうど3年となるのを前に、ウクライナのゼレンスキー大統領は2月23日に首都キーウで記者会見を開きました。
この中でウクライナでの大統領選挙の実施の必要性について聞かれ、ゼレンスキー氏は
「ウクライナの平和が実現するなら大統領を辞任する用意がある」
と述べました。
また、自分の辞任と引き換えにNATO(北大西洋条約機構)への加盟が実現するなら進んで辞めるとして、みずからの進退をかけてウクライナに平和をもたらす覚悟があるという考えを示しました。
アメリカのトランプ大統領がロシアのプーチン大統領の主張通り、ゼレンスキー氏を
「選挙なき独裁者」
と呼ぶなど大統領選挙を実施すべきだという考えを示したのに呼応したもので、やはり真の独裁者であり侵略者であるプーチン大統領には絶対言えないことを言ってみせ、トランプ氏やプーチン氏のは一味違うことを示した潔い態度と言えるでしょう。
トランプ米大統領が親露派陰謀論者丸出しに「そこそこ売れたコメディアンのゼレンスキーが勝てる見込みもない戦争に突入した」「選挙を経ていない独裁者」「4%の支持率しかない」とデマを流し猛反撃される(笑)。
東京新聞の本日付けの
プーチン大統領がウクライナ「属国化」後に抱く野望 トランプ氏を巧みに利用、「帝国ロシア」復活の道筋
という記事の冒頭部分が、今のウクライナ情勢とプーチン大統領の思惑を端的に指摘していると思います。
トランプ米大統領がウクライナの主権者であるウクライナ市民とゼレンスキー政権を無視して侵略者プーチン大統領とだけ交渉している姿は、ガザ市民の強制移住をネタニヤフ首相とだけ協議し合意しているのと全く同じだ
ゼレンスキー大統領はウクライナの平和が達成すれば、またNATOに加盟できるなら大統領の座から退くと言ったわけですが、プーチン大統領がウクライナ侵略を始めた当初からの狙いに
「ウクライナの非ナチ化」=ゼレンスキー政権を打倒してロシアの傀儡政権を樹立する
ことはあるものの、
「ウクライナの中立化」=NATOへの加盟阻止
「ウクライナの非軍事化」=ウクライナ軍の武装解除、事実上の降伏
まで譲れない条件として入っています。
さらに、すでに強制併合を宣言したウクライナ4州を侵略したまま保持することもプーチン大統領の絶対条件ですから、トランプ大統領がウクライナの頭越しにプーチン政権と「停戦」協議は出来ても、侵略されている真の当事者であるウクライナとの停戦協議がまとまる可能性はまだ小さいでしょう。
トランプ大統領が「ウクライナはいつかロシアになるかも」と言い出す(呆)。これは「たかが領土」だから諦めろ、と侵略されているウクライナの主権者であるウクライナ市民に強制してきた親露派陰謀論者と同じ考えだ
トランプ大統領はウクライナを屈服させる手段として、バイデン前政権がウクライナに実施した支援の見返りとして5000億ドル(75兆円)のレアアース提供を要求しています。
トランプ氏はさもないとイーロン・マスク氏のスペースⅩ社がウクライナに提供しているスターリンクを使用停止にするぞ、とウクライナ国民を脅迫しています。
まさに強欲資本主義の権化たるトランプ氏とマスク氏ならではの恐喝ですが、ゼレンスキー大統領は同じ演説の中でウクライナが米国に5000億ドルの借りがあるという考え方に同意しないとし、
「われわれを過去の(供与済み支援の)債務者にするようないかなる形式もあり得ない」
「10世代のウクライナ人が返済することになるような協定には署名しない」
と述べました。
バイデン前大統領からの軍事支援の際の約束にトランプ氏が要求しているような返済条項がなかった以上、法律的にはトランプ氏の言うことに理はありません。
ロシアのプーチン大統領がウクライナのゼレンスキー大統領は「非合法」な大統領であり停戦交渉しても文書に署名する権限はない、とまた言い出したので、プーチン大統領がいかに非合法な大統領か振り返ります。
しかしもともとプーチン政権による国連憲章違反のウクライナ侵略自体に道理がないわけで、ウクライナにそれを完全に跳ね返す力がない以上、ゼレンスキー政権とウクライナ国民が徐々に苦しい妥協を迫られるのはこのままでは必定です。
日本の一部の自称「リベラル・左派」には下記の著作で指摘されているような、朝鮮人蔑視と同じウクライナ人蔑視があり、無意識のうちにプーチン・トランプによる力による支配を肯定する「力の信奉者」になっている人がいます。
もちろん、ゼレンスキー大統領は理想の政治指導者には程遠いし、ウクライナという国も汚職が進み共産党が非合法化されているような言論統制があるなどやはり問題だらけです。
しかしだからといって、ロシアがウクライナを侵略したことが正当化される要素は全くありません。
それは、ベトナムから共産化が拡散するという勝手な理屈がアメリカによるベトナム戦争を正当化せず、フセイン大統領が独裁者であるということがイラク戦争を正当化しえないのと全く同じです。
ウクライナ侵略を考える 「大国」の視線を超えて
自分たちのことは自分たちで決められる、その自己決定権をどんな小国にも認めるべきだというのが民族自決権の考え方です(すべての国は多民族国家なので、要は自国のことは自国で決められるという国家主権のことを意味しています)。
では、ウクライナのような小国がロシアやアメリカのような大国の言いように蹂躙されることを見過ごしにしていいのでしょうか。
20世紀の前半にナチスドイツのヒトラーとソ連のスターリンが独ソ不可侵条約の秘密議定書でフィンランドとバルト3国やポーランドの頭越しに勝手に合意して、これらの小国を強制的に分割してしまったような悲劇を21世紀の今も繰り返していいとは思えません。
大日本帝国がアジア太平洋地域で侵略戦争を起こし、植民地支配をして、日本国民300万人とアジアの諸国民2000万人を死に至らしめた教訓から作られたのが日本国憲法であり、その前文と9条に掲げられた平和主義です。
少なくとも侵略戦争を許さない、弱きものが大国に踏みにじられたままにしない、それが日本国憲法の制度趣旨であり日本が守るべき国是です。
超大国アメリカのトランプ大統領が侵略大国であるロシアのプーチン大統領と結託してしまう、そこに世界一の大富豪であるイーロン・マスク氏まで加担するという極めて困難な状況ですが、私たち日本の市民もあきらめず、自分のことは自分で決められる世界、法の支配の貫徹をあくまでも目指していこうではないですか。
ロシア軍によるウクライナ侵略1000日。「ウクライナ国民にとって広範囲にわたる死と破壊、絶望の日々が続いた1000日間だ」(ディカルロ国連事務次長)。世界は今こそプーチン政権に即時撤退を要求すべきだ。
追記
この記事をFacebookに投稿したら、れいわ支持者の方からさっそく
『未だにテレビばかり見て、一切何も学ばない人間には理解出来ない様ですが、バイデンがウクライナ市民を操って、ウクライナ政府を転覆させてから丸10年です。
そのクーデターの後に、ネオナチを政府に据えましたが、その時に大統領に就任したポロシェンコは、就任の翌日から、大々的に、東部のドンバスへの武力行使に出ました。
それから、ロシアとは何度も停戦合意がされたのに、毎回、それを破って来たのは、現在のウクライナ・ネオナチ政府です
ネオナチの味方をする人間もネオナチなので、社会になど出て来る資格がないと思います
バカは罪です
何も知らないのであれば、黙っているのが必要最低限のマナーです。』
というコメントが来ました。
ご自身がどういう陰謀論を信じるのもそれは自由なのですが、
「未だにテレビばかり見て、一切何も学ばない人間には理解出来ない様ですが」
「ネオナチの味方をする人間もネオナチなので、社会になど出て来る資格がないと思います バカは罪です
何も知らないのであれば、黙っているのが必要最低限のマナーです。」
はダメです。
さすがプーチン信者の権威主義というか、こんな上から目線のパワハラ体質では、弁護士としては同居されているご親族が心配になるほどです。
編集後記
日本被団協のノーベル平和賞授賞式にイスラエル・ロシア・中国が欠席。田中熙巳さんが記者会見で「アメリカは人道に反する兵器を使った」「プーチン大統領は核兵器が人間にとってどういう兵器か考えたこともない」
憲法9条が制定された背景に広島・長崎への原爆投下の経験があることは、九条の会の最初の呼びかけ人の1人であり「ヒロシマ・ノート」という有名な作品もある大江健三郎さんが何度も強調してきたことです。
そして、ノーベル平和賞を受賞された日本被団協の田中さんら被爆者の方々は、ウクライナ戦争でのプーチン政権による「核の威嚇」について何度も抗議されてきました。
日本の侵略戦争が自分たちへの原爆投下を招いたと考えている日本被団協は、侵略者プーチン大統領に対して核の威嚇を止めろ、核兵器を使用するなと要求します。
しかし、ロシアが核を使うかもしれないからウクライナは即時「停戦」=降伏せよ、とは被爆者は決して言いません。
ウクライナに対して侵略者ロシアが核兵器を使うとしたら、そのすべての責任は核を使ったプーチン政権にあるのは明らかだからです。
核兵器の恐ろしさを一番よく知っている被爆者たちがそれでもウクライナに降伏を勧めたりはしない意味を、わたしたちはよく噛みしめるべきなのです。
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ロシアによるウクライナへの軍事侵攻から3年になるのを前にウクライナのゼレンスキー大統領は23日、記者会見を開き「ウクライナの平和が実現するなら大統領を辞任する用意がある」と述べ、みずからの進退をかけてウクライナに平和をもたらす覚悟があるという考えを示しました。
NHKスペシャル トランプとプーチン “ディール”の深層
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今月24日でロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まってから3年となるのを前にウクライナのゼレンスキー大統領は23日、首都キーウで記者会見を開きました。
この中でウクライナでの大統領選挙の実施の必要性について聞かれ「ウクライナの平和が実現するなら大統領を辞任する用意がある」と述べました。
その上で辞任と引き換えにNATO=北大西洋条約機構への加盟が実現するなら進んで辞めるとして、みずからの進退をかけてウクライナに平和をもたらす覚悟があるという考えを示しました。
ゼレンスキー大統領に対してはアメリカのトランプ大統領が「選挙なき独裁者」と呼ぶなど大統領選挙を実施すべきだという考えを示しています。
また、鉱物資源の権益をめぐるアメリカとの協議については「アメリカから最初に示された案には安全の保証は含まれていなかった」と指摘しました。
そして「経済協定が安全の保証の一部であるのなら自国の企業の利益が関わるウクライナになぜアメリカ軍の部隊を派遣できないのかとアメリカに聞いたが、まだ返答はない」と述べ、鉱物資源の権益をめぐっては安全の保証をあわせて協議することが欠かせないという考えを改めて強調しました。
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ウクライナのゼレンスキー大統領=19日、キーウ(キエフ)(AFP時事)
広がる怒りとやるせなさ トランプ氏発言に反発―侵攻3年でウクライナ
ウクライナのゼレンスキー大統領は22日のビデオ演説で「正義が空虚な言葉であってはならない」と述べ、国家主権や領土の一体性を守る重要性を改めて訴えた。さらに、23日の記者会見では「ウクライナが平和になり、私が辞任する必要があるなら、その用意がある。北大西洋条約機構(NATO)加盟と引き換えでもいい」と語った。
ウクライナでは今も東・南部の前線で地上戦が続き、全土がドローンやミサイル攻撃にさらされる。両国の戦死傷者は100万人を超えたとされ、民間人1万人以上も犠牲になった。
ウクライナは昨年8月、戦局の転換を狙いロシア西部クルスク州に攻め込んだが、ロシアは北朝鮮から1万人以上とされる「援軍」を受けて対抗。逆にウクライナ東部で占領地を拡大している。
プーチン氏に追い風となっているのが、停戦を自らの手柄にしようと前のめりなトランプ大統領の存在だ。米ロは今月12日に首脳電話会談、18日にはサウジアラビアで高官協議を実施した。トランプ政権はウクライナのNATO加盟に否定的見方を示すなど、ゼレンスキー氏が停戦の前提条件とする「安全の保証」を確約していない。
蚊帳の外に置かれたゼレンスキー氏は「ウクライナ抜きで戦争を終える決定はできない」と反発。「トランプ氏は偽情報の空間に住んでいる」と批判したが、これがさらなる怒りを招いた。トランプ氏は21日、米FOXニュースのラジオ番組で、停戦交渉へのゼレンスキー氏出席が「重要だと思わない」と発言した。米国が支援の見返りに要求するレアアース(希土類)供与について、ゼレンスキー氏が首を縦に振らなかったことにも不満を示した。
一方、昨年の大統領選で勝利し通算5期目に入ったプーチン氏は、言論統制を強化し、国民の反戦デモを封じている。ロシアの祝日「祖国防衛者の日」に合わせた23日のビデオ演説では「特別軍事作戦(侵攻)の全ての参加者の不屈の精神と勝利への決意に感謝する」と述べ、余裕をのぞかせた。
上下ともクリックしてくださると大変うれしいです。
28%得票の第一党CDUのメルツ新首相はAFDとは連立しませんから、アメリカに次ぐドイツの「クレムリン堕ち」は一先ず先送りってことでしょう
しかしまあ、ネトウヨや陰謀論カスがとにかくAFDの「支持者が若い」ってことをドヤ顔で触れ回ってますが、それなら全共闘でもオウム真理教でも再評価しとけやって感じです
ウクライナですが、今後またロシアから傀儡大統領を推しつけられる時代に戻るなら、ミャンマーレベルの内戦になっても仕方ないと思います
勿論暴論と承知で書いてますが、その時は米露ともに敵ですからウクライナからチェチェンの「黒い未亡人」みたいな人が出てきてもトラ公やプーチンの自業自得でしょう
それって結局、ウクライナ人に対する人種差別であり、蔑視の表れでしょう?
仮にも自由と人権を重んじるリベラル派を自称するなら、人種差別、民族差別を前面に出したらあかんと思います。
今回の記事の追記にも書きましたが、なんでああいう親露派陰謀論者たちは上から目線なのか。
力のあるプーチンやトランプやマスクに乗っかっていたらなんだか気分がいいのかもしれませんが、それって安倍晋三首相に依存し、たとえば生活保護受給者を蔑んでいい気になっていたネトウヨたち力の信奉者と同じではないですか。
そんな強者感覚が自称護憲派やリベラル・左派にまでまん延している現状を憂います。