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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

トヨタ ピンチ これぞ資本主義社会

2010年02月03日 | 社会とマスコミ
 トヨタ、北米でリコール問題発生。
 
 なんとアクセル踏んだらそのまま戻ってこない可能性があるということで、とんでもないことになってます。
 日経によると、トヨタはアクセルペダルの不具合に伴うリコール(回収・無償修理)に関連して、1月26日以降、「カムリ」など主力8車種の販売を止めており、販売に響いたわけです。

 ロイターによると2万台減。5億ドルの損。

 半面、フォードやGMは経営危機に陥っていたのですが、トヨタ車ユーザーの取り込みを狙った販売キャンペーンが奏功しました。
 トヨタ社からの買い替え優遇キャンペーンです。弱り目にたたり目、さすが資本主義の本場アメリカの会社のやることはあざといです。

 フォードとヒュンダイ、フォルクスワーゲン、日産、絶好調。小型車市場でシェアを食ったようです。

 今回の不具合はトヨタだけでなく、日本の自動車メーカー、ひいてはメイド イン ジャパンへの信頼をも揺るがしています。困ったものです。JALといいトヨタといい、一番大切な安全面でトチるとは何事か。
 トヨタは、過労死する社員がでるほど働かせ、従業員の給料は上げないでこれまでも大儲けしていて、内部留保だけは何兆円も持っている会社ですから、5億ドル程度、実はピンチでもなんでもないんでしょう。
 今度の顧客争奪戦も、トヨタだって似たようなことを他社にしてきたわけですから、同情の余地はありません。むしろ日本のメーカーに迷惑かけるなといいたい。
 新型プリウス ブレーキ問題で 本日、トヨタ株200円安。しかたないでしょう。

 自由競争が資本主義の旗印ですが、自動車業界は寡占状態なので、なかなか競争原理が働きません。そう考えると、フォードやGMの動きは資本主義の本来の姿ですから、むしろ、歓迎すべき事態なのでしょう。
 ただし、両社とも、アメリカ国民の税金で助けられているという点はちっとも資本主義的じゃないんですが。それ、自由競争か?いや、大企業を国民の血税で救うのはむしろ資本主義的なのかな。



ウォールストリートジャーナル誌 2月2日
 1月の米自動車販売台数は全体としては前年同月比増加したものの、トヨタ自動車の販売減少に抑えられる格好となった。トヨタはリコール(回収・無償修理)と半数を超える車種の一時販売停止に圧迫された。
 1月のトヨタの販売台数は前年同月比16%減少し、1999年以来初めて10万台を割り込んだ。同社は今回のリコールの影響は2万台の販売減につながったとの見方を示している。トヨタ部門の販売台数は前年比19%減少した一方、レクサス部門の販売台数は同5.4%増加した。
 トヨタ全体の1月の販売台数は9万8796台だった。米国での市場シェアは14.2%に低下した。これは2006年以来で最低水準。2009年のトヨタの米市場シェアは17%に達していた。  一方、フォード・モーターは前年同月比25%増加し、11万6277台となった。また、ゼネラル・モーターズ(GM)は同14%増の14万6315台だった。
 フォードは業界全体での1月の米自動車販売台数は前年同月比約4%増の70万台との見通しを示していた。季節調整ベースでは、年率の販売台数は1100万台と見込まれていた。前年同月は960万台だった。フォードの1月のシェアは約16%だった。
 トヨタのリコール問題に圧迫されたにもかかわらず、消費者信頼感の改善や景気回復、失業者の減少を背景に、米自動車販売台数は全般的に支えられた。
 また、ホンダの1月の販売台数は前年同月比5%減少し、6万7479台となった。同社の乗用車販売台数は2.7%増加した一方、トラック販売は15%減少した。日産自動車の販売台数は16%増加し、6万2572台だった。同社はまた、「大幅な市場シェアの拡大」が予想されるとの見方を示した。
 クライスラーの1月の米自動車販売台数は前年同月比8%減の5万7143台。乗用車とトラックの減少率はほぼ同じだった。
 韓国の現代自動車(ヒュンダイ)は同24%増加し、3万503台。一方、独フォルクスワーゲンは41%と急増し、1万8019台だった。


「プリウス」ブレーキに苦情=日米で112件-国交省、トヨタに調査指示
 トヨタ自動車のハイブリッド車、新型「プリウス」のブレーキに関し、米国内でユーザーの苦情が98件に上っていることが3日、米運輸省の道路交通安全局(NHTSA)の資料で明らかになった。一方、国土交通省によると、日本国内でも昨年12月以降、計14件の同様の苦情が寄せられ、両国で人身事故の報告もあった。国交省はトヨタに調査を指示。アクセルペダルをめぐる大規模リコール(回収・無償修理)に続き、トヨタの新たな品質問題に発展する恐れが出てきた。
 プリウスは日本で生産され、新型は昨年5月に日米両国で発売。旧型を含む昨年の販売台数は、日本で約20万台、米国で約14万台。トヨタは80以上の国や地域で順次発売していく予定だ。
 NHTSAの資料によると、でこぼこ道を走行した際や、道路の隆起、くぼみ部分を通過した際、瞬間的にブレーキが利かなくなるという苦情が多い。これまで、この問題で追突などの事故が4件発生、2人が負傷。うち1件では、前方の車に衝突して運転者が首を負傷したという。
 国交省によると、国内での苦情は「滑りやすい路面などで低速時にブレーキが瞬間的に利かなくなる」という内容だという。昨年7月には、千葉県松戸市の国道で4台が絡む玉突き事故を起こしたプリウスの運転者が「ブレーキが利かなかった」と説明。この事故では追突された車の2人が軽傷を負った。(時事通信2010/02/03-13:17)

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