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人間、取り返しのつかない失敗もあるのだなあと思わされたのが、2022年3月19日の近畿大学の卒業式にサプライズ登壇した安倍晋三元首相。
近畿大学は安倍派に所属する世耕弘成参院幹事長の祖父が創設した大学で世耕氏自身第4代理事長でした。
ちなみに、世耕氏は安倍氏の外遊にいつもついて行っては写真に写っているので、安倍氏の背後霊と言われていましたwww
さて、安倍氏は第一次安倍政権が1年で終わったけれども、第二次政権は史上最長だったことを例に卒業生たちに
「これからの長い人生、失敗はつきもの。何回も失敗するかもしれない。大切なことはそこから立ち上がること。そして失敗から学べれば、もっとすばらしい」
と感動的で説得力があるようなないようななスピーチをしたんだそうですが(笑)、この人ほど失敗に学ばない人も珍しいでしょう。
2012年に首相の座に返り咲いて2020年に退陣するまで、約8年にわたる安倍政権が「戦後外交の総決算」として力を入れたのが、ロシアからの北方領土の返還でした。
安倍氏は
「領土問題を解決し、平和条約を締結する。戦後70年以上残されてきた課題を、次の世代に先送りすることなく、私とプーチン大統領の手で必ず終止符を打つ」
と訴えました。
安倍氏は、プーチン氏と個人的な信頼関係をもとに、ロシアが望む極東での経済協力をテコにして領土交渉を進めようとしたのですが、2014年にはロシアがクリミアを併合。
欧米各国がロシアに対して厳しい制裁を科したのですが、安倍政権はプーチン氏との交渉を進めたいため、査証協議停止などロシアに実害が及ばない制裁にとどめたのです。
欧米に比べてあまりに緩い制裁に、当時のオバマ米政権の幹部が不快感を示したこともありました。
トランプとプーチンにいいようにむしり取られ続けた安倍氏。
2016年5月、ロシア南部のソチを訪ねた安倍氏は
「新たな発想に基づくアプローチで交渉を進める」
と発言し、3000億円規模のエネルギー開発や極東地方の振興策、先端技術協力など8項目の経済協力プランを提案しました。
これが今国会でも岸田首相が維持すると固執している21億円のロシアへの経済協力のもとになっています。
さらに9月には、安倍氏は新たに「ロシア経済分野協力担当相」を新設し、側近の世耕経済産業相に兼任させたのです。そもそも、閣僚ポストに具体的な国名が入るのは極めて異例のことです。
そして、安倍氏は12月、プーチン氏を日本に招き、地元・山口県長門市と東京で2日間にわたり首脳会談を実施し、北方領土返還交渉の機運をつくろうと、北方四島での日ロ共同経済活動を提案したほか、8項目の「経済協力プラン」の推進を確認しました。
そして、安倍氏は2018年のシンガポールでの安倍・プーチン会談で、返還交渉の切り札として、日本がこれまで掲げてきた「4島返還要求」を封印し、事実上の「2島返還」にハードルを下げてまで交渉することを提案しました。
しかし、ロシアは歩み寄るどころか、ラブロフ外相に
「第2次世界大戦の結果、合法的にロシアに(4島の主権が)移ったと日本が認めることが第一歩だ」
と言われてしまう始末。
安倍氏は「北方四島」「日本固有の領土」といった表現を使わず、2019年度の外交青書では
「北方四島は日本に帰属する」
との文言を削除し、ロシアを刺激しないように譲歩と配慮を続けたのです。
2019年9月、ウラジオストクを訪れた安倍首相は、プーチン大統領との27回目の首脳会談を終え、東方経済フォーラムという式典の演説で
「ウラジーミル。君と僕は、同じ未来を見ている。
行きましょう、プーチン大統領。
ロシアの、若人のために。そして、日本の、未来を担う人々のために。」
「未来を生きる人々を、これ以上、もう待たせてはならない。
ゴールまで、ウラジーミル、二人の力で、駆けて、駆け、駆け抜けようではありませんか。
歴史に対する責任を、互いに果たしてまいりましょう。
平和条約を結び、両国国民が持つ無限の可能性を、一気に解き放ちましょう。」
と超恥ずかしいポエム演説をして、プーチン大統領を苦笑いさせたのでした(呆)。
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安倍晋三首相がプーチン大統領に捧げた失笑ポエム「ウラジーミル、君と僕は同じ未来を見ている」「ゴールまで、ウラジーミル、2人の力で、駆けて、駆けて、駆け抜けようではありませんか」(爆)
ところが、ロシアは北方領土で砲兵部隊などの軍事演習を行うなど軍事拠点化を続け、2020年7月の憲法改正では
「領土の割譲禁止」
を盛りこみました。
安倍氏はコロナ失政や桜を見る会スキャンダルなどで政権運営に行き詰まって、翌8月に病気を理由に辞職。
そして、10月には北方領土の軍事要塞化は完成し、2021年9月には、プーチン大統領が北方領土に経済特区を創設する構想を打ち出すなど、北方領土返還など絶対に不可能なことが確定しました。
そして、2022年2月24日、ロシアがウクライナに侵攻開始。
欧米各国によるロシアへの経済制裁に日本も加わったことを理由に、ロシアは3月22日、日本との平和条約締結交渉を打ち切ることを宣言しました。
その3月22日の参院予算委員会で、日本共産党の田村智子議員が、来年度予算案に21億円が計上されている前述のロシアへの8項目の経済協力プランを批判し、当時の安倍晋三首相と岸田文雄外相(現首相)の責任を追及しました。
田村議員はロシアによるクリミア併合で欧米各国がロシアに経済制裁する中、日本だけが経済協力を推し進めたのは筋が通らなかったはずだと追及。
さらに、
「安倍政権のロシア外交は、政府のいう『北方4島』の返還さえあいまいにし、事実上の2島返還に後退したとまで言われた。これの破綻は明らかだ。真剣な総括が求められる」
と厳しく指摘し、安倍氏の親ロ発言を外務省官僚に読み上げさせたところ、いら立つ与党席から
「そういう姑息な手法はやめろ」
と怒号が上がったんだそうです。
自分たちに都合の悪い質問は怒声で封じる自民党の方がよほど姑息でしょうが。
岸田首相が安倍政権の決めたロシアとの経済協調プランは「修正しない」。自民党大会では「憲法改正という党是を成し遂げようではありませんか」と改憲を強調。極右の安倍派に忖度する岸田首相は必要ない存在だ。
安倍氏は同日、ロシアからの北方領土返還を含む平和条約締結交渉の一方的打ち切りについて記者団に問われたのに沈黙。
ところが、3月24日、安倍派の会合冒頭で、前日23日に行われたウクライナのゼレンスキー大統領のオンライン国会演説については
「改めて私たち日本はウクライナ国民とともにある。
武力による侵略、武力による一方的な現状変更の試みは断固として許さないという決意をするとともに表明したい」
といけしゃあしゃあと述べたそうなんです。
あんたが北方領土返還を自分の政権のレガシーにしたくて、プーチン大統領にぼったくられるだけぼったくられた、その日本の市民の血税がウクライナ侵攻にも使われている責任をどう取るのか。
冒頭に書いた安倍氏が近大卒業式で述べた
「これからの長い人生、失敗はつきもの。何回も失敗するかもしれない。大切なことはそこから立ち上がること。そして失敗から学べれば、もっとすばらしい」
という言葉なんですが、安倍氏の場合、これからも失敗続きに決まっているので二度と立ち上がってこないことこそ、自分の失敗に学んだ姿勢と言えるでしょう。
3月12日、訪問先のマレーシアで講演し、力による一方的な現状変更の試みはアジアでも深刻な脅威だとロシアを批判した安倍氏。
あんたが日本の深刻な脅威や。
こうして詳しく振り返ると、安倍氏が何年もプーチン大統領にすり寄って不毛な努力を続け、自分の功績を残したいという私利私欲から市民の血税をどぶに捨てるどころか、ロシアのウクライナ侵略のための戦費をせっせと貢いでいたことが良くわかります。
そんな安倍氏も虎視眈々と3回目の首相の座を狙っているのですが、一緒にロシアに貢いでいた背後霊の世耕氏まで総理になりたいと公言しているのは本当に笑止千万です。
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安倍晋三元首相「私たち日本はウクライナ国民とともにある」ゼレンスキー大統領演説受け支援訴え
ゼレンスキー大統領とは2019年に夫妻で来日した際に首脳会談を行い、ポロシェンコ前大統領とは5度の首脳会談を行ったとした安倍氏は「他人ごとではございません。しっかりとウクライナを支援していくことで、こうした蛮行は許さないということを示しながら新たな国際秩序を確固たるものにしていきたい」と語った。
「安倍氏のすり寄りがプーチン大統領を増長」 共産批判に与党から怒号
3/23(水) 6:01配信 カナロコ by 神奈川新聞
22日の参院予算委員会の締めくくり質疑で、共産党の田村智子氏(比例、南関東担当)が採決前の最終質問者となった。ロシアのウクライナ軍事侵攻を巡り、「安倍晋三元首相のすり寄りがプーチン大統領を増長させた」と過去の外交の総括と反省を求めた。
田村氏はロシアによるクリミア併合当時の安倍政権の外交に言及。「ヨーロッパ諸国が経済制裁に動いていた中で、安倍総理は『ウラジミールとは赤い糸で結ばれている』などと愛称を交えプーチン大統領を持ち上げ、今に連なる経済協力を進めた」と批判した。
その上で当時の外相だった岸田文雄首相に「外交責任者として思うところがあったはずだ。安倍外交の反省と総括が必要。安倍─プーチン路線の東方経済の発展構想は破綻しており責任が問われている」と投げ掛けた。首相は「クリミア併合当時も外交努力は重ねた。指摘は当たらない」と語気を強め反論した。
田村氏は「ロシアの健康寿命を伸ばすことが第一」とした安倍氏の過去の親ロ発言を外務省幹部に読み上げさせるなど責め立て、いら立つ与党席からは「そういう姑息な手法はやめろ」と怒号が上がった。
2022年3月23日(水)
合意の安倍氏 責任重大
対ロ経済協力プラン 田村智子氏追及
参院予算委
![]() (写真)質問する田村智子議員=22日、参院予算委 |
日本共産党の田村智子議員は22日の参院予算委員会で、来年度予算案に21億円が計上されているロシアへの8項目の経済協力プランを批判し、協力に踏み出した当時の安倍晋三首相と岸田文雄外相(現首相)の責任を追及しました。
経済協力プランは2016年に、安倍首相とプーチン大統領間で合意。安倍氏は、同年の「東方経済フォーラム」で、「先般ソチでお会いした時(14年)、日本がロシアに協力できる分野を八つに絞り込んで提案した」とスピーチ。19年には、ロシアの国家プロジェクトと経済協力プランが「赤い糸でつながる」などとアピールしました。
田村氏は、「14年の安倍首相の提案が8項目のプランになった経緯と、同氏の力の入れ方がよく分かる」と指摘。当時は、ロシアによる国際法違反のクリミア併合に対してEUが経済制裁を科し、日本も制裁を支持していた最中で、大規模な経済協力は「国際的に筋が通らないと考えなかったのか」と迫りました。
岸田首相は、欧州も日本も「ロシア、ウクライナ両国に働きかけていた」と当時の言動を正当化しました。
田村氏は、無反省な態度を批判し、「経済協力プランとともに合意した『北方4島』での共同経済活動では、『ロシアの実効支配のまま、ロシア主権のもとで行われる』と繰り返したロシア側に抗議もしなかった」と強調。「わが党は、歯舞・色丹は北海道の一部で即時返還すべき、択捉・国後を含む全千島が歴史的な日本の領土だという立場だ」とした上で、「安倍政権のロシア外交は、政府のいう『北方4島』の返還さえあいまいにし、事実上の2島返還に後退したとまで言われた。これの破綻は明らかだ。真剣な総括が求められる」と厳しく指摘しました。
安倍元首相の近大卒業式“自画自賛”スピーチに批判殺到! 表立って動くほど空回り
配信 日刊ゲンダイ
相変わらず、ツラの皮の厚さだけは誰にも負けないようだ。 世間は卒業シーズンだが、19日に行われた近畿大学の卒業式に自民党の安倍元首相がサプライズ登場。自画自賛を繰り広げて顰蹙を買っている。
安倍元首相ゲキ推しコロナ治療薬「アビガン」治験打ち切り…備蓄増へ投じた血税140億円
この日、大阪府の近大東大阪キャンパスで卒業式が執り行われた。新型コロナ禍で、対面での卒業式典は3年ぶりだという。
卒業生謝辞の後、スクリーンに学園祭などのイベントや「近大マグロ」など学生生活を振り返る映像の中で突然、「緊急事態宣言を発出します」という当時の安倍首相の記者会見の映像が流れた。その後、東日本大震災復興曲「花は咲く」をピアノで奏でる安倍氏の姿が約45秒間も流され、本人が登場。「希代のリーダー」と紹介されて、こうスピーチしていた。
「第1次政権はたった1年で幕を閉じ、政権を投げ出したと日本中から批判された」 「しかし、決して諦めなかったから政権を取り戻し、第2次政権は憲政史上最長になった」 「大切なことは、失敗から立ち上がること。失敗から学べれば、もっと素晴らしい」ーー。
どの口が言うのか、と思ってしまうが、案の定、ネット上では<いや、まず「大切なことは嘘をつかないこと」でしょ><こいつに偉そうなことを言われても釈然としない><大切な事は嘘をつかず、失敗をしたら認め反省する事です><こんな人を呼ぶ近大の見識の低さに呆れる>など、批判が殺到。安倍氏に対する反応は冷たい。
それも当然で、いま日本はアベノミクスの副作用によるスタグフレーションや、プーチン大統領との蜜月関係を演出してきた日ロ外交など、安倍長期政権の後始末に追われている。
近大は、安倍派に所属する世耕参院幹事長の祖父が創設した学校だ。安倍氏側近の世耕氏自身も第4代理事長を務めていた。参院和歌山選挙区選出の世耕氏は最近、衆院に鞍替えして首相を目指すと公言してはばからない。和歌山県内に複数のキャンパスがある近大の卒業式に安倍氏を呼んだことで、他派閥は警戒している。
「衆院和歌山の現職は二階派と岸田派。そこに殴り込みをかけるつもりで親分の安倍さんを招いたのでしょうが、逆効果かもしれません。今夏の参院選で唯一、公認候補が決まっていなかった長崎選挙区でも安倍派と岸田派の争いがありましたが、引退表明した金子農相が推す候補が20日に後継に決まった。安倍さんは長崎県連関係者や党幹部に電話をかけまくって、意中の候補を猛プッシュしていたが実らなかった。党内の影響力は如実に低下しているし、表立って動くほど空回りしているように感じます」(自民党関係者)
安倍氏こそ、そろそろ政界卒業の潮時かもしれない。
安倍元首相の近畿大卒業式登場に「そんな場合か」の声! 子分の近大理事長・世耕弘成とともに “プーチン擦り寄り”に反省なし
2022/3/23 07:00 (JST) リテラ
卒業式にサプライズ登場した安倍元首相(近畿大学公式サイトより)
ロシアによるウクライナ侵略を口実に、核兵器共有論や次世代原発の新設など火事場泥棒の主張を展開している安倍晋三・元首相。その安倍元首相をめぐり、先週末の19日、ネット上をざわつかせる事態が巻き起こった。同日におこなわれた関西の私立大学・近畿大学の卒業式に安倍元首相がサプライズ登場したからだ。
式典の最後、ハリウッド映画の予告編のような仰々しい音楽・映像とともに大型スクリーンに映し出されたのは、こんな文字だった。
〈稀代のリーダーが卒業生に贈る〉
〈【2013年】第42回ベストドレッサー賞(世辞・経済部門)〉
〈教育基本法改正 機動的な財政出動 日本国憲法 2020年東京オリンピック 強固な日米関係 働き方改革 一億総活躍社会 地方創生 アベノミクス 美しい国、日本〉
〈戦後最年少内閣総理大臣〉
〈明治時代以降最長 連続在任日数 明治時代以降最長 通算在任日数〉
〈第90代内閣総理大臣 第96代内閣総理大臣 第97代内閣総理大臣 第98代内閣総理大臣〉
そして、東日本大震災の復興支援ソング「花は咲く」をピアノで奏でる安倍元首相の映像が流れると、本人がステージに登場し、「みなさん、安倍晋三です」と満面の笑みで挨拶。ゲストスピーカーとして、〈自身の第1次政権がわずか1年と短命に終わったものの、第2次は約7年8カ月と憲政史上最長となったことを挙げ、「これからの長い人生、失敗はつきもの。何回も失敗するかもしれない。大切なことはそこから立ち上がること。そして失敗から学べれば、もっとすばらしい」と強調〉したという(サンケイスポーツ19日付)。
「失敗から学べ」って、公文書改ざんという国家的犯罪をはじめ数々の不祥事が明るみになった挙げ句、アベノマスクをはじめとするコロナ対策に大失敗し、その責任をとることもなく体調不良を理由にしてトンズラ辞任した人間がよくもまあ言えたものだ。
当然、ネット上では式典にゲスト出演させた近畿大学の見識を問う声があがったが、じつは近大の創立者の孫であり、現在の理事長なのは、安倍元首相のコバンザメである自民党の世耕弘成・参院幹事長。2014年には「週刊ポスト」(小学館)が世耕氏の近大を経由した違法企業献金疑惑を報じたこともあるが、今回も、世耕氏が卒業生のための式典を私物化、政治利用して、安倍元首相のアピールの場を用意したのだろう。
だが、はっきり言って安倍・世耕のこのコンビは、こんなことをやっているような場合ではない。「失敗から学べ」と言うなら、ふたりは対ロシア外交について、これまでの総括と反省をまずおこなうべき立場にあるからだ。
●クリミア侵略後、安倍政権がプーチン系企業支援を画策 当時の経産相・世耕弘成が交渉との報道
そもそも本サイトでも繰り返し指摘しているように、安倍政権下で安倍元首相はプーチン大統領と27回もの首脳会談をおこないながら、たんにプーチンに尻尾を振りつづける“プーチンの犬”としか思えないような姿勢を貫いてきた。とりわけ、2016年のプーチン訪日では、北方領土交渉で何の見返りもないままロシアとの共同経済活動という名目で約3000億円の投入を約束。その後も返還交渉はまったく進展しないどころか後退させてしまった。
ようするに、安倍外交はプーチンの言いなりになって金だけ貢ぐという最悪の結果になったわけだが、問題はそれだけではなく、現在のウクライナ侵略戦争の萌芽となったクリミア危機では、よりによって侵略政策を後押しするような行動に出ていたことだ。そして、その尖兵となったのが、当時経産相だった世耕氏なのだ。
ロシアは2014年2月以降、ウクライナ南部のクリミア半島を一方的に編入し、国際社会が厳しい非難の声をあげたが、かたや安倍首相は同年秋に予定されていたプーチン訪日に影響を与えることを懸念し、発動させた経済制裁はアメリカやEUにくらべると大甘な内容だった。
しかも、西側諸国から経済制裁を受けてロシア経済は悪化し、制裁対象となっていたプーチンに近い国営石油会社「ロスネフチ」は経営難に陥っていたのだが、なんと、日本政府は西側の経済制裁を破り、国民の年金積立金を使って「ロスネフチ」を支援しようとしたのだ。
この問題をスクープしたロイターは、プーチンの側近でもあるロスネフチ会長のセチンのメモを入手。2018年11月、「独自スクープ! ロシア国営銀行がロスネフチの資金を秘密裏に調達 外国の買い手が難色を示した後に(Exclusive :Russian state bank secretly financed Rosneft sale after foreign buyers balked)」という記事のなかで、「湾岸から日本へ」という見出しをつけて、2016年末ごろの日本側の経緯を以下のように、レポートしている。
〈ロシア政府関係者、ロスネフチに近い関係筋、そしてセチンが証人となった全く別件の裁判で浮上したセチンの会話記録によると、セチンは東に向かい日本の政府関係者と会談を始めた。会談は主に、日本の経済産業相・世耕弘成となされた。
交渉が合意に至った場合、その株式の購入者は、管理対象資産が1.4兆ドル以上をもつGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)、または独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)のいずれかになっていた、とこの件に詳しい3人の関係者がロイターに話した。(中略)
結局、取引は破綻した。
日本の経済産業省は質問に応じなかった。ロスネフチは、ロイターの取材に対し、日本との件に関しては、回答しなかった。JOGMECの広報は「回答できない」と言った。GPIFは、「直接関与していないため政府間の問題についてコメントすることはできない」と述べた。〉
つまり、日本は一時、安倍首相の側近で経産相だった世耕氏が乗り出し、政府系ファンドにこの株を買わせようとしていたというのだ。経済制裁の対象となって、経営不振にあえいでいる企業の株を引き受けようとするとは正気の沙汰とは思えないが、これも安倍首相の強い意向が働いていたといわれ、政権はかなり本気で動いていたようだ。
●プーチン系ロシア国営企業の株買取は、国民の年金積立金GPIFを原資とする計画が
もちろん、記事にもあったように、この日本と交渉は最終的には決裂した。しかし、日本側が「制裁対象国の国営企業株を取得するのはまずい」と断ったわけではない。ロイターは決裂の経緯をこう報じている。
〈裁判で再生されたセチンの会話記録によると、日本が第二次世界大戦末期から続くロシアとの領土問題の進展とリンクさせようと要求したことで、交渉は暗礁に乗り上げてしまった。〉
ようするに、日本政府は安倍首相がぶちあげた北方領土の返還交渉を進展させるため、間接的にでも経済制裁に反する可能性のある企業の株を政府系機関に購入させようとしていたのだ。
その上、信じられないのが、その取得先の政府系機関としてGPIFの名前が真っ先に上がっていたことだ。ロイターの記事にもあるように、GPIFというのは、年金積立金 管理運用独立行政法人のこと。国民が積み立てた年金を資産運用しているのだが、その金額は130〜160兆円にものぼり、「世界最大の機関投資家」ともいわれる。
GPIFは以前は国民の年金を減らしてしまう危険性を考え、株式などリスクのある投資をほとんどしていなかったが、第二次安倍政権になって株式への投資を全体の半分にまで増やした。この背景には、世界最大の機関投資家であるGPIFに大量に株を買わせれば、株価が上がり、景気が回復したという印象を与えることができるという安倍政権の計算があったといわれる。ようするに、国民の大事な年金を世論操作と政権維持に利用してきたというわけだが、安倍政権はそれだけでなく、「北方領土問題進展」で自分たちの得点を稼ぐために年金の金を使おうとしたのである。しかも、このロマネスフチの株購入は頓挫したものの、安倍政権は経済支援する気満々だったはずだ。
●クリミア侵略後にロシア副首相を近畿大に招き、いまもサハリン沖の資源開発撤退に反対表明
ロシアのクリミア侵略に対して厳しく制裁を加えるどころか、安倍氏と世耕氏は西側の制裁で打撃を受けたプーチンに近い国営企業を助けようとさえしていた──。この事実は国際社会のみならず国内でももっと非難されるべき問題だが、それだけではなく、世耕氏は今回、近大の卒業式を安倍元首相のPRの場に政治利用したのと同じように、2018年にも近大主催のシンポジウムにロシアのゴルジェツ副首相やオレシュキン経済発展大臣を招待。ようするに、ロシアのクリミア侵略もシリア介入もスルーし、ベッタリの関係をつづけてきたのだ。
しかも、驚くべきことに、ロシアのウクライナ侵略後も、安倍元首相と世耕氏に反省の色はまったくない。
世耕氏は今月6日、NHK『日曜討論』で、「(ロシアへの)経済制裁をてこにロシアに行動を変えさせるということが何よりも重要だ」としつつも、安倍元首相が進めたロシアとの経済協力プランのひとつである日本の官民出資会社が権益を持つサハリン沖の資源開発にかんして、「ここへの依存度が高い(国内の)ガス会社があり、(撤退すれば)供給に支障が出る可能性がある。現実的に考えていくべきだ」「仮に日本が撤退すると(エネルギーを)のどから手が出るほどほしい中国などに安く取られてしまう」(時事通信6日付)などと発言。このサハリン沖の資源開発「サハリン1」「サハリン2」からは石油大手の米・エクソンモービルや英・シェルが撤退を発表している一方、いまだに日本側は撤退しようとしていないが、じつは「サハリン1」には、例のロスネフチが20%出資しているのだ。
また、安倍元首相にいたっては、「プーチンとしては(NATOに対する)不信感のなかで、領土的野心ではなく、ロシアの防衛、安全の確保の観点から行動を起こしているのだろう」などと擁護してみせた(2月27日放送・フジテレビ『日曜報道 THE PRIME』)。
明日23日にはウクライナのゼレンスキー大統領が生中継で国会演説をおこなう予定だが、そこでは“プーチンの犬”と化してきた安倍元首相の対ロシア外交を批判するのではないかという声もあがっている。しかし、ゼレンスキー大統領が触れなかったとしても、ウクライナ侵略戦争へとつながったクリミア危機における安倍元首相と世耕氏の振る舞いについて、国内においてしっかり検証・追及がおこなわれるべきだ。
(編集部)
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シリーズが続いて嬉しかったのは、ダンディー高山とセクシー大下の物語だけですよね。
あぶない総理がまたたく間に終わってホッとひと安心していたら、
おやおやっていう間に、またまたあぶない総理で再登場。
それも、あれよあれよという間に、まだまだあぶない総理と続いてしまい、途方に暮れていたら、
突然、さらばあぶない総理で嘘つき総理シリーズもエンディングを迎え、良かったよかったと思っていたら、
なに!、あぶない総理リターンズで再々登板!?、なんてことにでもなったら、
それこそ・・・、
なんて日だ!と嘆きギャグを炸裂させなきゃいけなくなるじゃないですか。
なんて、まるで出来の悪いシリーズ映画を見させられるような展開はもう勘弁です。
嘘つき安ー倍ーとGOTOガースーコンビの世耕~い物語は、もう見たくない、とみんなで放送禁止にしましょうね、です。
真面目に書けば、
とにかく、嘘つき、それも世紀の大嘘つきと判っている、身の程知らずの愚か者を責任ある立場に就かせてはなりません。
皆が、大迷惑を蒙ります。
何度も何度も繰り返すことではありません。
渡米した先で奴隷にされたり、鉱山経営しようとして失敗したり。でもその後政界に入り活躍。最後は暗殺されてしまったけれど偉人なんでしょう。
安倍氏の場合は岸首相の孫で安倍信太郎の息子。ボンボン育ちで苦労知らず。回りに持ち上げられて首相に。
色々悪さをした挙げ句、レガシーを残そうと「北方領土」に手を付け、お得意の友達作戦でプーチンに接近するも弄ばれた挙げ句に掌返し。止めはウクライナ侵攻でぶち壊し。