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うちの父親の末の弟、私のおじさんはダウン症でした。
小学生の低学年の頃は田舎に帰るといい遊び相手で、遊んでもらったものです。
当時はダウン症など知的障害の人が入れる施設が田舎にはなく、おばあちゃんの人生は、自分の亡き後におじさんが安心しては入れる施設を作ることが目的になっていました。
おじさんと言えば、若いころは好きなアイドルの写真を週刊明星や平凡から切り取ってスクラップブックを作るのが趣味だったようでしたが(笑)、施設ができてからは施設での作業に従事していました。
そんなわけでダウン症は私の一族にとってなじみの深い病気なのですが、そんなダウン症の人々に関して嬉しくなるアンケート結果が発表されたという日本テレビのニュースを見つけました。
ダウン症のうち毎日幸せに思うことが多い人が90%以上、仕事に満足している人が80%以上。
いわゆる「健常者」よりもずっと高い数字ではないでしょうか。
本人の努力だけではなく、家族や病院や施設などの協力があっての上でのこの数字だと思いますが、なんだか幸せを分けてもらったような、ほんわかした気持ちになりましたので、あなたにもおすそ分け。
ダウン症のある人「幸せに思う」90%以上
2016年10月13日 18:58 日本テレビ
全文
生まれつき染色体に異常があることで起きるダウン症。今回、初の大規模アンケート調査で、ダウン症のある人たちの実情が見えてきた。諏訪中央病院・鎌田實名誉院長が解説する。
■ダウン症とは―
ダウン症とは、生まれつき染色体に異常があることで起きる。人間の細胞には、遺伝にかかわる染色体が46本あるが、ダウン症の場合はそれが1本多い。約800~1000人に1人の割合で生まれているとされ、多くの場合、知的な発達に遅れがあって、ゆっくりと成長する。
■「幸せに思う」90%以上に
今月5日、東京・文京区でダウン症のある人の教育や就労、福祉環境について考えるシンポジウムが行われた。その中で、発表されたのは、厚生労働省の研究班が去年行った、ダウン症のある人たちを対象にした、初の大規模アンケートの結果だ。
そのアンケートからは、ダウン症のある人たちの実情がみえてきた。そのアンケートの結果の一部を見てみる。(回答したのは、12歳以上の852人)
(1)「毎日幸せに思うことが多い?」
はい…71.4%
ほとんどそう…20.4%
「はい」と「ほとんどそう思う」と答えた人を合わせると、90%以上にのぼる
(2)「仕事をしていて、満足な気持ちがありますか?」
はい…66.0%
ほとんどそう…21.7%
こちらも、「はい」と「ほとんどそう思う」と答えた人はあわせて90%近くにのぼった。
この結果は、医師である鎌田氏でも予想外だったが、とてもうれしく感じたという。19歳以上の人の7割以上が、一般企業や作業所などで働いているが、これほど多くの人が働きながら、満足を感じているというのはすばらしいものだ。鎌田氏は、医師として、ダウン症のある人と向き合うことが多いそうだが、みんな元気で明るく、1人いるだけで周囲の空気を良い方向へ変える力を感じるという。
■健常者と変わらない生活
実際に、働きながら充実した生活を送っているダウン症の方に話を聞いた。森田さん(44)は、横浜市にある障害者の就労を目的としたカフェで、15年ほど前から他のダウン症の人たちと一緒に働いている。このカフェにはアロマハンドケアというサービスもある。この日の担当は森田さんだ。
直接、お客さんの手や腕にアロマオイルを塗って、リラックスさせるというもので、カフェの施設長によると、森田さんの柔らかい雰囲気がアロマには向いているという。森田さんに、仕事をしていて、うれしかったことを聞いた。
森田さん「お客さんに良い感じだねって言われるとなんとなく、私も良い感じかなって思っています。うれしいなという感じはしますね」
森田さんは、週に5日働きながら、ダンスや野球観戦など趣味も豊富で、充実した毎日を過ごしているという。健常者と変わらない生活を送っている。
■出生前検査で、実態は十分伝わっているか
ただ、ダウン症をめぐっては、気がかりなこともある。妊婦の血液からダウン症など、胎児の染色体を調べることができるようになり、中絶を選ぶ人も多いということもわかってきている。
しかし、検査の前後には、子どもに障害があった場合の受け止め方などの説明やカウンセリングが行われているが、今回のアンケート調査のようなことが十分に伝わっていないのではないか、という指摘もある。
今回、ダウン症のアンケートを行った京都大学の三宅秀彦特定准教授は「ダウン症のある人が楽しく前向きに生活している実態を知ってほしい」と話す。
■みんな完璧ではない
今回のポイントは「個性を認めあう社会に」。人間、誰しも染色体や遺伝子レベルでは、完璧ではなく、何か欠けていることがわかってきている。それこそが、人、それぞれの個性だと考えたほうがいいのではないだろうか。1人1人の個性を認め合える社会になることが望まれる。
企業の中には、パン店を作り、雇用を広げているところもある。社会的な応援をしてあげれば、まだまだ、彼らや彼女たちが生き生きと生活できる成熟した社会が作れるだろう。
■ダウン症とは―
ダウン症とは、生まれつき染色体に異常があることで起きる。人間の細胞には、遺伝にかかわる染色体が46本あるが、ダウン症の場合はそれが1本多い。約800~1000人に1人の割合で生まれているとされ、多くの場合、知的な発達に遅れがあって、ゆっくりと成長する。
■「幸せに思う」90%以上に
今月5日、東京・文京区でダウン症のある人の教育や就労、福祉環境について考えるシンポジウムが行われた。その中で、発表されたのは、厚生労働省の研究班が去年行った、ダウン症のある人たちを対象にした、初の大規模アンケートの結果だ。
そのアンケートからは、ダウン症のある人たちの実情がみえてきた。そのアンケートの結果の一部を見てみる。(回答したのは、12歳以上の852人)
(1)「毎日幸せに思うことが多い?」
はい…71.4%
ほとんどそう…20.4%
「はい」と「ほとんどそう思う」と答えた人を合わせると、90%以上にのぼる
(2)「仕事をしていて、満足な気持ちがありますか?」
はい…66.0%
ほとんどそう…21.7%
こちらも、「はい」と「ほとんどそう思う」と答えた人はあわせて90%近くにのぼった。
この結果は、医師である鎌田氏でも予想外だったが、とてもうれしく感じたという。19歳以上の人の7割以上が、一般企業や作業所などで働いているが、これほど多くの人が働きながら、満足を感じているというのはすばらしいものだ。鎌田氏は、医師として、ダウン症のある人と向き合うことが多いそうだが、みんな元気で明るく、1人いるだけで周囲の空気を良い方向へ変える力を感じるという。
■健常者と変わらない生活
実際に、働きながら充実した生活を送っているダウン症の方に話を聞いた。森田さん(44)は、横浜市にある障害者の就労を目的としたカフェで、15年ほど前から他のダウン症の人たちと一緒に働いている。このカフェにはアロマハンドケアというサービスもある。この日の担当は森田さんだ。
直接、お客さんの手や腕にアロマオイルを塗って、リラックスさせるというもので、カフェの施設長によると、森田さんの柔らかい雰囲気がアロマには向いているという。森田さんに、仕事をしていて、うれしかったことを聞いた。
森田さん「お客さんに良い感じだねって言われるとなんとなく、私も良い感じかなって思っています。うれしいなという感じはしますね」
森田さんは、週に5日働きながら、ダンスや野球観戦など趣味も豊富で、充実した毎日を過ごしているという。健常者と変わらない生活を送っている。
■出生前検査で、実態は十分伝わっているか
ただ、ダウン症をめぐっては、気がかりなこともある。妊婦の血液からダウン症など、胎児の染色体を調べることができるようになり、中絶を選ぶ人も多いということもわかってきている。
しかし、検査の前後には、子どもに障害があった場合の受け止め方などの説明やカウンセリングが行われているが、今回のアンケート調査のようなことが十分に伝わっていないのではないか、という指摘もある。
今回、ダウン症のアンケートを行った京都大学の三宅秀彦特定准教授は「ダウン症のある人が楽しく前向きに生活している実態を知ってほしい」と話す。
■みんな完璧ではない
今回のポイントは「個性を認めあう社会に」。人間、誰しも染色体や遺伝子レベルでは、完璧ではなく、何か欠けていることがわかってきている。それこそが、人、それぞれの個性だと考えたほうがいいのではないだろうか。1人1人の個性を認め合える社会になることが望まれる。
企業の中には、パン店を作り、雇用を広げているところもある。社会的な応援をしてあげれば、まだまだ、彼らや彼女たちが生き生きと生活できる成熟した社会が作れるだろう。
おじさんは先年亡くなったのですが、幸せのうちに逝ったことを祈ります。
よろしかったら大変お手数とは存じますが、上下ともクリックしてくださると大変うれしいです!
http://www.rikagaku.co.jp/handicapped/
「働ける=誰かのために仕事ができる」のは、障碍がどうとかに関係なく嬉しいことだと思います。この記事のような認識がさらに広まるといいなあと思います。
「◯◯くん、元気ィ〜」
と声をかけたら、悪態ついていたのでびっくりした。彼のお母さんは、思慮深そうな人だった。
ひとつ上の学年にやはりダウン症の男の子がいて、そのお母さんはパワフルで感じのいい人だったので、話しこんでいたある時、思い切って聞いてみた。
「無事お産が終わって、医者にお子さんに障害があります、と言われたら大ショックだと思うけど、どうやって受け入れていくんですか?」
(怖い〰〰 今だったら、よう聞かん)
そのお母さんは、別に表情を変えることもなく語ってくれたな。
「絶望よりも、なんとかしなきゃ、この子に何がしてやれるか、って一所懸命にやってきた。(真ん中へん、忘却 w)でも、いまはこのR太でいい、いやダウン症のR太じゃないといやだ、って思うのよね。」
・・・・・
母の愛は強し、と思っていたが。
今日の記事を読むと、ダウン症の子自身が持つ明るさや純粋さに、親が癒されていたのかもしれない。
ダウン症児は知的レベルが劣ると言っても、ふつうの知的障害者より軽く、コミュニケーション能力があり、悩んだり恨んだり心配したりというマイナスの思考をあまりしないのかも。
そして、好奇心旺盛だ。
永遠の子ども、なのかな。
意地悪する人、いないのかな。
私たちも先を憂うのをやめて、楽しく生きたいものだけど・・・まあ、安倍政権を崩壊させる義務がありますからね。
もう少し頑張りましょう。
僭越ながら自分もちょっと昔のことを思い出しました。風疹に絡んで、もしかすると、という状況にぶつかったときがあって(実際には違ったのですが)、そのときに配偶者が、「命と心さえ持って生まれてきてくれたら、我が子なんだから、大切に育てよう」と言いました。ほかのことではむかっぱら立つことばかりの我が配偶者ですが、このときばかりは見直しました。もちろん自分もそう思いました。ただ、恵まれた子育て環境にある人ばかりではなく、さまざまな状況の人がいて、それぞれの事情の中で辛い選択をせざるを得なかった人もいれば、一生懸命子育てをしながら、助けを求めている人もたくさんいることも忘れんようにしようと思っています。
あ、それとすいません、長くなってしまいますけど、これもずいぶんと昔の学生時代、障がい児保育・保育の若い先生が1つのエピソードを教えてくれました。よかったら読んでみてください。
あるご夫婦に赤ちゃんが生まれたのですが、脳に障がいがあって、外からの働きかけにも反応することがなく、お医者さんに、この子には感情は期待できないと言われた。でも、このご両親は我が子の誕生をよろごび、かわいいかわいいとこよなくかわいがり、医学的に見れば単なる反射のようなかすかな反応にも「あー、笑った笑った」とよろこんで、お医者さんも半ば呆れていたらしいのですが、そうやって赤ちゃんと愛情たっぷりに接しているうちに、この赤ちゃんはほんとうに笑ったと。お医者さんもびっくりしたという話でした。奇跡って起こるんだなとそのとき思ったのを今思い出しました。
ともあれ、アベの嫌なニュースばかりで気がめいる中、このようなあったかい話題をありがとうございました。
http://senkyo-tokuban.cocolog-nifty.com/blog/2009/04/post-8e5e.html
幸せに働ける人が増えるような社会にしたいですね。
当事者が幸せに暮らしているなら何よりだ、ダウン症がある人もない人も一緒に幸せになれる社会こそが一番だ。ダウン症のある人や知的障害のある人に対して、この野郎ぶんなぐってやりたいと毎日のように思う自分の、これもまた何一つ偽りのない本心です。
おすそ分け、いただきました。
また、社会の人々に「ほっ」を与える、素晴らしい存在意義だと思います。
よもや演劇になっていたとは。紹介いただきありがとうございます。
北海道じゃあ流石に見られないかな…と思って調べたら、まさに今年の4月に巡業してました…orz
次の機会を待つしかないですね。DVDになったりしないかな。
タカニシ 様
お仕事お疲れ様です。タカニシ様のような感覚が健全なのだと思います。私も学校に勤めていた頃は、何度憎たらしい小僧どもを張り倒してやりたいと思ったことか。でも、そういう子らも平等に幸せになれるような世であるべきなのです。機会を奪うことはあってはならんのだと思います。
> 彼らのいいところも嫌なところも毎日見ていて、自分としては少々複雑なものも感じる記事でした。
そうですね。
ともすれば手放しで迎合的なことを言ってしまいがちなのですが、毎日密接に責任を持って接する義務のある方からは、すこし異論も出るだろうと思います。
微妙に反省(ペコ)
◯ 知人Aさんから聞いた話
子どもの小学校のPTAで同じ役をやった、気さくな東北出身のAさん。
Aさん「わたしぃ、◯◯時だとちょっと間に合わないかもしんないから、もう30分遅らしてくれる? 昨日もさ、終わり際にケンカ始めちゃってさ」
Aさんは統合失調症の人の福祉作業所に勤めているのであった。
バード「え? ケンカするの? 大の大人が?(少し怯える。統合失調症患者が無無差別殺人、なんて記事が頭をよぎる)」
Aさん「(豪快に笑って)あーあ、ケンカなんてしょっちゅうだよ。
もう慣れだよ、慣れ。でもいっつも辞めたいと思ってるよ。(また豪快に笑う)」
「福祉作業所を作るにしても、精神の人のは嫌がられて反対運動が起きることが多いね。」
◯ 知的障害者の共同生活寮みたいな所に勤めているB、Cさんから聞いた話
(男女混合寮らしい)
バード「昨日のフジのドキュメンタリーで、ダウン症の男の子の継続取材をやってました。面白かったです。ご家族がとてもいい方。
その子はハタチぐらいなんだけど、やはりダウン症の女の子を好きになって、ホント積極的なんですよ、衒いなく実力行使(笑) 。
ご家族は結婚させて見守っていこうかと。ダウン症だって、好きな人と家庭を持つという、人並みの幸せを求める権利があるんじゃないか、って」
Bさん「ああもう、寮でもそんなんばかりですよ」
バード「え? で、施設の対応としては?」
Bさん「トラブルが怖いので、一応大っぴらに交際・・・というのは禁止です」
それもそうであろう。
バード「入寮者の方たちは、どの程度の知的障害ですか?」
Bさん「ん、、まぁ色々ですけど、3歳レベルから高校生ぐらいといったところでしょうか」
バード「高校生なら、そんなに低くないのでは?」
Bさん「いやー、残念ですよ(笑)。頭が薄くなって腹の出た40すぎのオッさんが唐突に、超マジメにアイドルの歌を歌い出したりするんですから(爆笑)」
想像すると、ちょっと怖い・・・
バード「寮生が、プレゼント持って
『B先生、結婚して下さい』
と告って来るのでは(笑)?」
Bさん「それはCさんですよ」
Cさん「いやいや、私じゃなくて、Bさん大人気!」
2人とも美人で魅力的です。
ともに男子寮生から大人気に違いありません。
単なる職業、と割り切って働くのは難しい対人援助の仕事。
タカニシ様も頑張りすぎて燃え尽きたりなさいませぬように。
障害があっても安心して暮らせる社会、が結局のところ、誰もが暮らしやすい社会なのですが、残念ながら道半ば、というより、後退局面??
小さな雑貨店でダウン症の方が研修生として販売員としてのお勉強をなさっていました。
見ていてちょっと気の毒になりました。「ちがうでしょ、こうでしょ、こうするのよ」とちょっと口うるさい指導ではないかなあと。しかし、次第に、やや年配の指導員らしき人の口うるささはやさしさのあるものだと気が付きました。
そして・・・指導員なしでその方がお店に立つようになったある日、その方が、私に、「外国から来たんでしょ、使い方わかる?間違っちゃだめよ」お金を出すと「そうよ、その通り、よくできました」、帰り際には「気を付けてね、よい週末をね、また来てね、きっとね」
指導員の方の口調そのままで、私に話しかけてくださったのです。この方のご親切に幸せにしてもらった一日でした。
近隣の大学の売店ではレジが二つ。うち一つにはいつも長い列。でも誰もイライラしていませんでした。「・・・チャレンジ中のレジ」とか呼ばれていました。