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「安倍首相は今回の暴言を国会で謝罪するとともに、応援機動隊を引き揚げさせ、工事をやめるべきだ」(沖縄タイムズ2016年10月20日)
沿道からは「非国民」「売国奴」などの罵声が上がり、「中国のスパイ」「日本から出て行け」などの暴言が飛び交った。
底流には沖縄を見下し、「植民地」扱いする意識がいまだにあると考えざるを得ない。だが、これだけではない。基地問題をきっかけに出てきた沖縄バッシングの空気が渦巻いている背景もある。
ネット空間の影響を受けたかのように、機動隊員が「土人」や「シナ人」など日常生活では使わない差別用語を吐くことが「嫌沖」の根の深さを示している。」(沖縄タイムズ10月21日)
つまり、日本社会の構造的な沖縄差別という「今」の問題を示しています。
そしてさらには、過去から続く沖縄差別の歴史上の問題をもあらわしたのが、あの若い機動隊員の放った土人という一言です。
「沖縄差別は歴史的な問題だ。琉球処分、大戦時には沖縄を本土防衛の防波堤にし、戦後は米軍占領を許し、米軍基地を集中させた。
政府の沖縄に対する歴史に根差した「構造的差別」の延長線上に、辺野古新基地建設、ヘリパッド建設がある。」(琉球新報10月20日)
ケビン・メア元米国務省日本部長の「沖縄はごまかしとゆすりの名人」という発言や、田中聡元沖縄防衛局長の「(犯す前に)これから犯しますよと言いますか」という発言も露骨な差別意識や植民地意識の表れであり、機動隊員の発言と同根だ。(琉球新報10月21日)
警察・機動隊の公平性が信頼され、高江の工事の必要性が信じられる基礎は失われたというべきです。
それは機動隊の土人発言がこれだけの背景を持って出てきていることが明らかだからです。
この問題は沖縄差別の構造的問題です。
機動隊は撤収し、ヘリポート工事は中止しなければなりません。
松井一郎大阪府知事の土人発言擁護自体が、違法の可能性がある差別発言だ。
維新の松井一郎大阪府知事が沖縄県民に土人暴言の機動隊員に「職務遂行、一生懸命」「出張ご苦労様」
沖縄高江の米軍ヘリパッド建設反対の市民に、機動隊員が「土人が!」と差別発言。
沖縄の人はずっとこの言葉を忘れられないと思いますよ。
これは民族的記憶というものです。
それだけの大事件であるということを政府は認識すべきです。
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<社説>警察「土人」発言 「構造的差は政府に別」責任
米軍北部訓練場内のヘリパッド建設で基地のフェンス越しに建設反対を訴える市民に対し、大阪府警の機動隊員が「土人」の暴言を発した。県警は事実を認め、「発言は遺憾」と表明した。
「土人」発言は、反対運動の市民だけでなく、県民の心を深く傷つけた。警察への信頼も大きく失墜させた。機動隊員の監督責任者は県民に対し明確に謝罪し、発言した隊員を警察法や侮辱罪などの法令に基づき厳正に処罰すべきだ。
現場の機動隊員は全国から招集されている。隊員の差別発言は、監督者の責任も問われる。隊員に対し、沖縄の基地問題や建設に反対する民情を理解させ、公正中立の立場で職務を行わせる指導、監督をおろそかにした責任は大きい。
フェンスを挟んで向き合う市民への「土人」の暴言は、行動を抑制するのでなく挑発そのものだ。工事を邪魔する者は排除すればいいという、安倍政権、沖縄防衛局の意思を反映したものだろう。
訓練場内のフェンスの鉄線を切断したとされる沖縄平和運動センターの山城博治議長は、防衛局職員の通報で逮捕された。反対運動を萎縮させたい防衛局の意を酌む「狙い撃ち」と批判されている。
反対行動を抑圧する警察活動の、事実上の指揮者は防衛局、政府である。大規模な機動隊投入、不当な車両検閲、市民や新聞記者の排除、自衛隊ヘリの投入と、ヘリパッド建設のため政府はあらゆる手段を取っている。
建設を至上命題とする政府の意を受け、あるいは指揮の下に、警察法が規定する「公平中正」を逸脱する警察活動が行われているのは明白だ。
沖縄差別は歴史的な問題だ。琉球処分、大戦時には沖縄を本土防衛の防波堤にし、戦後は米軍占領を許し、米軍基地を集中させた。
政府の沖縄に対する歴史に根差した「構造的差別」の延長線上に、辺野古新基地建設、ヘリパッド建設がある。
県知事選、名護市長選、県議選ほか幾たびの国政選挙で県民は基地反対の民意を示してきた。民意を踏みにじり基地建設を強行する国家政策そのものが「構造的差別」と言わざるを得ない。
沖縄は日本の植民地ではない。沖縄差別、今回の「土人発言」の責任は政府の差別政策にある。沖縄に対する構造的差別を改めぬ限り、不毛な対立は終わらない。
沖縄タイムス
驚きを禁じ得ない暴言だ。
米軍北部訓練場のヘリパッド建設現場に通じるゲート付近で、フェンスを挟んで工事に抗議していた市民らに、大阪府警の機動隊員が「土人」などと暴言を吐いた。
沖縄県民への差別意識が露骨に出た言葉である。県民を愚(ぐ)弄(ろう)するもので、許せない。
大阪府警の20代の機動隊員は18日午前、フェンスを揺らすなどして抗議していた市民らに「触るなくそ。どこつかんどんじゃボケ。土人が」と発言した。
その直前にも、大阪府警の別の20代機動隊員が「黙れ、こら、シナ人」と差別的発言を浴びせた。
まるで暴力団か、街頭でヘイトスピーチ(憎悪表現)を繰り返す団体のような耳を疑う発言である。
「土人」も「シナ人」も明らかな差別用語である。そういう言葉が公務中の機動隊の口から平然と飛び出すこと自体が異常だ。
県警は「差別用語で不適切な発言だった」などと謝罪したが、当然である。だが、それで済むわけではない。
2人の機動隊員は事実関係を認め、「不適切と承知している」、「右翼関係者につられて思わず言ってしまった」などと県警の事情聴取に答えているようだが、本当にそうなのだろうか。
6都府県から派遣された約500人の機動隊員のうち、たまたまこの2人が暴言を吐いたのだろうか。
機動隊の派遣を要請した金城棟啓県公安委員長にも説明を求めたい。
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翁長雄志知事は急きょ会見し、「言語道断で到底許されない」と強い憤りを表明した。20日に池田克史県警本部長に抗議する。
翁長知事が那覇市長だった2013年1月、沖縄の全市町村長らがオスプレイ配備反対を安倍晋三首相に訴えるため「建白書」を携えて上京。東京・銀座をデモ行進した際のことが思い出される。
沿道からは「非国民」「売国奴」などの罵声が上がり、「中国のスパイ」「日本から出て行け」などの暴言が飛び交った。
底流には沖縄を見下し、「植民地」扱いする意識がいまだにあると考えざるを得ない。だが、これだけではない。基地問題をきっかけに出てきた沖縄バッシングの空気が渦巻いている背景もある。
ネット空間の影響を受けたかのように、機動隊員が「土人」や「シナ人」など日常生活では使わない差別用語を吐くことが「嫌沖」の根の深さを示している。
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民意を無視してヘリパッド建設を強行する安倍政権と、市民を強制排除するなど権力をむき出しにする機動隊は一体である。
「不偏不党且(か)つ公平中正を旨とする」と警察法はうたうが、工事車両に表示番号がないなど違反が相次いでも機動隊は警備している。抗議する市民からは多くの負傷者が出ており、対応が公平でないのは歴然としている。
安倍首相は今回の暴言を国会で謝罪するとともに、応援機動隊を引き揚げさせ、工事をやめるべきだ。
<社説>「土人」「シナ」発言 植民地意識が露呈した
市民に侮蔑的な言葉を投げ付ける機動隊員がいる。それを軽視、擁護する政治家がいる。根深い差別意識と植民地意識、そのことに無頓着な政治土壌が露呈した。
大阪府警の機動隊員が、北部訓練場のヘリパッド建設に抗議する市民に「土人」と発言したことへの県民の怒りが広がっている。別の隊員が「シナ人」と暴言を吐いていたことも明らかになった。
「シナ」というのは日本の大陸侵略に結びついて使われた中国に対する蔑称だ。差別意識、植民地意識に根差す言葉を使うことは許されない。
機動隊員の「土人」発言に対し、翁長雄志知事は「言語道断で到底許されるものではなく、強い憤りを感じている」と批判した。知事の怒りは当然である。
菅義偉官房長官は「許すまじきこと」と述べた。ところが差別意識の表れとの指摘には「全くないと思う」と否定した。なぜそう言い切れるのか理解に苦しむ。
暴言を受けた市民の心情、「琉球処分」以降の沖縄近現代史、米軍基地が集中する現状を踏まえれば、差別はないと断言できないはずだ。菅氏は「土人」という言葉が含む差別意識、植民地意識を深刻に受け止めるべきだ。
松井一郎大阪府知事の行為も容認できない。短文投稿サイト「ツイッター」で「表現が不適切だとしても、大阪府警の警官が一生懸命命令に従い職務を遂行していたのがわかりました。出張ご苦労様」と投稿したのだ。
機動隊員の発言は「不適切」で済む話ではない。それを「出張ご苦労様」とねぎらう松井氏を県民は許さない。翁長知事も「不適切な発言と認めた上でよく頑張ったとなると、県民からしたら筋が違うとは思う」と疑問視している。
機動隊員による「土人」「シナ」発言に表れた歪(ゆが)んだ沖縄観は、警察組織にとどまるものではない。沖縄に関わる日米両政府関係者にも共通する深刻な問題だ。
ケビン・メア元米国務省日本部長の「沖縄はごまかしとゆすりの名人」という発言や、田中聡元沖縄防衛局長の「(犯す前に)これから犯しますよと言いますか」という発言も露骨な差別意識や植民地意識の表れであり、機動隊員の発言と同根だ。
機動隊員の発言を単なる失言と済ましてはならない。その裏にある深刻な沖縄蔑視を反省し、機動隊を沖縄から撤収させるべきだ。
<沖縄暴言>大阪知事に抗議相次ぐ 発言の機動隊員擁護で
毎日新聞 10月21日(金)1時1分配信
米軍北部訓練場(沖縄県)のヘリ離着陸帯移設工事に反対する市民らを大阪府警から派遣された機動隊員が「土人」と侮辱した問題で20日、ツイッターにこの隊員を擁護するような書き込みをした大阪府の松井一郎知事への批判が広がった。
府によると、20日午後5時までに385件の意見が電話やインターネット経由で寄せられ、大半は「人権意識が欠けている知事は辞めるべきだ」「府民全体の人権意識が低いとのイメージを持たれかねない」などの抗議だった。松井氏の発言に理解を示す意見も数件あった。
日本維新の会沖縄県総支部は、同党代表の松井氏に抗議状を送ると発表した。「発言は完全に不適切。代表がこういう発言をしたことに厳しく抗議する」などとしている。
松井氏は同日午後、「隊員の発言で沖縄県民を傷つけてしまったことは誠に遺憾」と述べる一方、ツイッターでの「出張ご苦労様」との書き込みは「全国から現地に派遣された警察官全てに対して述べたもの」と釈明。維新沖縄支部からの抗議状は届いていないとした上で、書き込みは撤回しない考えを示した。【青木純、佐藤敬一】
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