
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2023年1月23日から始まった通常国会では、先週衆議院で、岸田首相の施政方針演説に対する各党の代表質問が始まりました。
岸田首相の演説では、安保政策や原発政策の大転換を念頭に、自らの「決断」について、「国民の前で正々堂々議論」すると宣言しましたが、またも羊頭狗肉で「聞く力」ゼロ(笑)。
岸田首相のはぐらかしの答弁からは、岸田政権の判断の中身や理由について、言葉を尽くして理解を得ようという姿勢は全く見て取れませんでした。
岸田首相がバイデン米大統領への手土産に防衛費倍増と敵基地攻撃のための兵器爆買いを約束。市民の負担で日本の安全保障どころか戦争の危険性増大。岸田政権の、#軍拡反対、#敵基地攻撃能力の保有に反対します。
野党第一党の党首として最初に質問に立った立憲民主党の泉健太代表は、恐れていたほどは酷くない質問で(笑)、まず防衛費の大幅増を取り上げました。
泉氏は岸田首相の防衛費増まずありきの軍拡路線は
「冷静で合理的な積み上げ」を欠いた「額ありき、増税ありき」
の乱暴な決定だと指摘し、特に、東日本大震災の復興財源に充てる特別所得税の仕組みを転用する手法を厳しく批判しました。
出だし快調ですね。
ただし、泉氏と立民執行部は防衛増税には反対でも、防衛費増については必ずしも反対ではないので、ここは今後も立民執行部に対しては要監視です。
防衛増税反対と防衛費増反対は全く違う話なので、そこは要注意。
岸田首相が年頭会見で昨年末の防衛増税前選挙発言をあっさり撤回(呆)。「結果として税が上がる前に選挙があることも日程上、可能性の問題としてあり得ると申し上げた」。信念なき政治家は総理大臣をやるな!
さて、泉代表が岸田政権の反撃能力=敵基地攻撃能力=先制攻撃能力具備に対する批判については、泉氏の表現が舌足らずなところもあって、泉氏が報道の仕方が悪いとあとでテレビ朝日に文句を言う異例の事態になりました。
泉代表は、
(1)国際法違反の先制攻撃になりうる相手国の着手段階での攻撃
(2)日本が直接武力攻撃を受けたわけではなく、密接な関係にある他国への攻撃で日本の存立が脅かされる「存立危機事態」での攻撃
に反対を表明しました。
それにしても世論が軍拡反対になった効果は大きい。
TBSの世論調査で防衛費の増額について「賛成」が53%→39%、「反対」が36%→48%と大逆転!防衛費増税は当然「反対」71% が「賛成」22%を大きく上回る。岸田政権の軍拡はまだ止められる!
ところが、共同通信やテレビ朝日など多数の報道機関は、泉氏が反撃能力の行使ではなくその前の具備を国際法違反だと言ったと報道したんですね。
『衆議院の代表質問で立憲民主党の泉代表は、政府が防衛3文書に盛り込んだ反撃能力の保有を巡って
「敵基地攻撃は国際法違反の先制攻撃にならざるを得ず反対だ」
と主張しました。』
という具合です。
これに対して、泉代表は怒っちゃいまして(笑)、
テレビ朝日さん、このような「誤報」は困りますね!
— 泉健太🌎立憲民主党代表 (@izmkenta) January 25, 2023
私の発言は、「攻撃『着手』段階での敵基地攻撃は国際法違反の先制攻撃となる」。
であって、「反撃能力保有が国際法違反」とは一言も言ってない!! https://t.co/sJd7CYFW4Z
というか、この記事が誤報です。テレビ朝日には、修正か撤回を求めさせていただきます。 https://t.co/Ei86QzQn5h
— 泉健太🌎立憲民主党代表 (@izmkenta) January 25, 2023
テレビ朝日ニュースの見出しが変更されました。さすがに私は『反撃能力保有が国際法違反』などとは発言していませんので。
— 泉健太🌎立憲民主党代表 (@izmkenta) January 26, 2023
ただテレ朝さん、変更後も正確さを欠いてます。『反撃能力に反対』なのではありません。
正しくは『国際法違反になるような反撃には反対』です。https://t.co/sJd7CYFW4Z
とツイートし、札付きの右翼学者の篠田英朗氏(国際政治)や野村修也氏(会社法)から突っ込まれて、弁明に追われることになりました。
篠田さん、私はそんな発言はしていませんので、ぜひ本会議の質問原稿をご覧ください。テレビ朝日の見出しが誤報だということが、分かると思います。 https://t.co/4B6oLU71mz
— 泉健太🌎立憲民主党代表 (@izmkenta) January 25, 2023
有難うございます。その見解は我々も同じです。
— 泉健太🌎立憲民主党代表 (@izmkenta) January 27, 2023
ただ、現在のミサイルは固体燃料化が進み、燃料注入がないと着手の証明が困難になる可能性が高いと言われています。
もしその状況で相手国の発射前に攻撃すれば、先制攻撃の中でも国際法違反にあたる可能性が高くなる。こうしたことを述べています。 https://t.co/4zqw3sZJtj
実際に、泉代表が何と質問したかというと
「敵基地攻撃は国際法違反の先制攻撃にならざるを得ず、反対の立場です。
政府の『反撃能力』も、もし相手国のミサイル発射の阻止を目的とするなら、同じく国際法違反の先制攻撃とみなされるでしょう」
と言ったので、政府の『反撃能力』もと言わず、反撃能力の行使も国連憲章違反の先制攻撃となり国際法違反である、と言えば紛れがなかったでしょう。
それにしても、泉代表の代表質問で最も問題なのは、日本国憲法について全く触れていないことです。
憲法9条2項で武力の不保持を定めている憲法からすれば、専守防衛のための必要最小限度の実力の保持は許されるという従来の政府見解を認めるにしても、相手が撃つ前に撃つ反撃能力=敵基地攻撃能力の保有・具備自体が憲法違反であることは明白です。
つまり、憲法9条は国連憲章などの国際法よりずっと厳しい非軍事を国に義務付けているのです。
泉代表は、反撃能力は具備するだけで憲法違反、まして行使すれば当然憲法違反なのはもとより、国連憲章を破る国際法違反になるが、岸田首相の見解やいかに、と問えばよかったのです。
平和構想提言会議が岸田政権の安保3文書を批判して「戦争ではなく平和の準備を―“抑止力”で戦争は防げない―」を発表!「軍拡のための『戦略』ではなく、平和のための『構想』こそが求められている」。
さて、泉氏が正確に代表質問で何を言ったかについては、立民ホームページでは触れられておらず、そこからPDFファイルをダウンロードしてみないといけない仕様になっていて、岸田首相が国民への説明が足りないと批判する割には、自分が何を質問したかも市民にちゃんとわかってもらうつもりが全くないなと思いました。
泉代表は立民の公式ページによるとこう言っています。
『「反撃能力」についてです。そもそも政府のいう「反撃能力」とは「敵基地攻撃能力」と何が違うのか、総理は明確にしていません。国民に分かりやすく説明すべきです。
まず立憲民主党は、相手国のミサイル発射「着手」段階における、日本からの敵基地攻撃は、国際法違反の先制攻撃にならざるを得ず、反対の立場です。
政府の「反撃能力」も、もし相手国のミサイル発射「阻止」を目的とするなら、同じく国際法違反の先制攻撃とみなされるでしょう。
「存立危機事態」での敵基地攻撃についても、我が国へのミサイル攻撃を防ぐための必要最小限度のやむをえない措置とは言えませんので、我々は反対です。
さらに相手国の移動式ランチャーを、こちらからミサイルで狙うことはほぼ不可能というなかで、攻撃対象を固定目標に狙いを置き換える議論がありますが、それはミサイル「発射阻止」のための必要最小限度のやむをえない措置の範囲内なのですか、「反撃能力」とは、港湾、航空基地、指揮命令系統の中枢も含む、ミサイル発射阻止を超えた抑止力であるという考え方をとりますか、お答えください。
自衛隊が長射程のミサイルを保有する必要性については、一定理解いたします。
米軍はアジアのミサイル・バランスが中国優位に大きく傾く中で、地上発射型中距離ミサイルの「第1列島線」上への配備を考えていたようですが、自衛隊による長射程ミサイルの配備でこれを見送る方針を固めたと言われています。
ただ、このことは、日本の戦力が米国とその同盟国の持つ抑止力に組み込まれ、一体として運用されることになる可能性を示唆しています。
政府は新たに陸海空3自衛隊の部隊を指揮する常設の「統合司令部」を新設するようですが、実際、韓国の米韓連合軍司令部では、有事の際は米軍側司令官が連合軍司令官を兼ね、指揮を執り、NATO でも米軍が指揮を執る仕組みがあります。
総理、日本もこのような指揮権の共有や移譲を考えているのですか、お答えください。
日米の一体化が進めば、進むほど、「専守防衛」を逸脱する懸念が拭えません。どのような歯止めを考えているのか。お答えください。』
【絶望禁止!】安保政策の大転換ストップは可能。反撃能力=敵基地攻撃能力=先制攻撃能力の具備や軍事費爆増は来年の通常国会で阻止できる。まともな野党を応援して、戦争を準備する予算案を否決しよう。
泉代表の質問内容は憲法に全く触れていないのは問題ですが、概ね堅調と言えるでしょう。
しかし、赤字で強調したように、泉氏はなぜか
『自衛隊が長射程のミサイルを保有する必要性については、一定理解いたします。』
と言ってしまっているので、画竜点睛を欠くどころか、危険な話になっています。
つまり、立民としては敵基地を攻撃できる長距離ミサイルなどの具備には反対しない、先制攻撃でなくて本当に反撃の時に使うなら、長距離ミサイルを保有してこれを使っても構わないという事を意味するからです。
泉代表が戦争の緩い国際法にしか言及せず、憲法上の問題について何も触れなかった必然性は実はここにあるわけで、末尾に全文を転載した共産党の志位委員長の次の代表質問とは決定的な質的差があります。
『第二は、日本国憲法との関係をどう説明するのかという問題です。
政府は、1959年の伊能防衛庁長官の答弁で、敵基地攻撃について、「法理的には可能」としながら、「平生から他国を攻撃するような、攻撃的な脅威を与えるような兵器を持っているということは、憲法の趣旨とするところではない」とのべています。
政府は、近年でも、この答弁について「現在でも当てはまる」と答弁しています。
総理、敵基地攻撃は、「法理的には可能」だが、その能力を保有することは憲法違反という憲法解釈を変更したのですか。お答えください。』
こう答えるのがやっと。
日本弁護士連合会が『「敵基地攻撃能力」ないし「反撃能力」の保有に反対する意見書』を岸田政権に送付。『「戦力」の保持に該当することも明らかであって憲法9条に違反する。』
泉代表の先制攻撃は国際法違反だという指摘、志位委員長の反撃能力の具備自体が従来の政府見解でも憲法違反に当たるという指摘に対して、岸田首相は見解を示すことはなく、敵基地攻撃能力は
「抑止力として不可欠で、武力攻撃そのものの可能性を低下させる」
というのみでした。
まったく答えになっていませんよね。
反撃能力=先制攻撃は戦争を日本から起こすという非常に危険な軍備です。
しかも、安倍首相が2015年に作ってしまった安保法制と合わせると、アメリカが攻撃される(又はされそうになる)と日本が相手国に攻撃するという、日本が攻撃を全く受けていなくても開戦するという、戦前の反省が全くない状況を意味する軍国主義的な態勢を意味します。
岸田政権を厳しく批判するとともに、憲法に全く触れず曖昧な点を残している泉立民執行部の態度も鋭く怠りなく監視していかないといけません。
泉健太立憲民主党代表が初詣報告の最初に乃木神社の写真をツイートしたのは、乃木将軍が日露戦争の司令官だから。ロシアによるウクライナ戦争に乗じて軍拡路線を進める岸田政権に泉代表では対抗できない。
立憲民主党から野田元首相と共に安倍国葬にも参列した玄葉光一郎元外相(立民の「次の内閣」で安保相)が立民の安全保障政策を構築するプロジェクトチームを作っていたころは、岸田政権の反撃能力を丸呑みしかねない勢いだったので、立民内外のリベラル勢力の批判がかなり効いた今回の泉代表の代表質問ではあったと思います。
しかし、戦後の日本の国是とも言うべき専守防衛を崩壊させる「反撃能力」の議論をするのに、一度も憲法の話が出てこないのはやはり酷いと思いますね。
野党第一党も監視の対象にしないといけないという状況は本当にストレスが溜まります。
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立憲・泉代表 政府が防衛3文書で決定した“反撃能力”に「反対」
1/25(水) 17:07配信 テレビ朝日系(ANN)
All Nippon NewsNetwork(ANN)
衆議院の代表質問で立憲民主党の泉代表は、政府が防衛3文書に盛り込んだ反撃能力の保有を巡って「敵基地攻撃は国際法違反の先制攻撃にならざるを得ず反対だ」と主張しました。
立憲民主党・泉代表:「敵基地攻撃は国際法違反の先制攻撃にならざるを得ず、反対の立場です。政府の『反撃能力』も、もし相手国のミサイル発射の阻止を目的とするなら、同じく国際法違反の先制攻撃とみなされるでしょう」
岸田総理大臣:「(反撃能力は)必要最小限度の防衛の措置として行使するものです。国際法の順守を当然の前提としたうえで、ミサイル攻撃を防ぐのにやむを得ない必要最小限の措置の対象を個別具体的な状況に照らして判断していく」
そのうえで、泉代表は防衛費増額の一部を増税で賄うことについて「強行するなら解散総選挙で国民の信を問え」と迫りました。
これに対し、岸田総理は「内閣総理大臣の専権事項として適切に判断する」と答えました。
また、財源の確保については「国民負担をできるだけ抑えるべく、行財政改革の努力を最大限行う」と強調しました。
テレビ朝日
【衆院本会議】「防衛増税を行うなら解散総選挙で国民の信を問え」泉代表が代表質問
衆院本会議で1月25日、岸田総理の施政方針演説をはじめとする政府4演説に対する代表質問が行われ、泉健太代表が登壇しました。冒頭、泉代表は、寒波の被害に遭われた皆さまにお見舞いを申し上げました。
泉代表は、「私たちの命と暮らしを守ってほしい。わが国の平和と繁栄を壊さないでほしい。政府だけで勝手に決めないでほしい。こうした多くの国民の思い」を形にするとして、(1)外交・安全保障、(2)アベノミクス・財政、(3)エネルギー・産業、(4)賃上げ、(5)子ども・子育て支援――などについて岸田総理の姿勢をただしました。
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(1)外交・安全保障
泉代表は一昨日23日、岸田総理が施政方針演説で「防衛増税」をするのに「増税」という言葉を一切使わなかったのは、明らかに「増税隠し演説」だと批判。今後の答弁でも「増税」という言葉を使わないつもりなのかと疑問を呈しました。案の定、岸田総理は「増税」という言葉を使わない答弁をくり返しました。
また泉代表は、全国民の支え合いとしての「税」によって進められてきた復興特別所得税を防衛費に転用することは、「大震災の被災者に、犠牲者に、全国民に、極めて失礼な手法」と批判。「防衛増税を行うなら解散総選挙で国民の信を問え」と総理に迫りましたが、岸田総理は「時の内閣総理大臣の専権事項」と述べるにとどめました。
さらに泉代表は、政府の言う「反撃能力」と「敵基地攻撃能力」とは何が違うのかを問いただしましたが、岸田総理から明確な答弁はありませんでした。
昨年、立憲民主党が発表した「外交・安全保障戦略の方向性」を踏まえ泉代表は、「額ありき、増税ありきの岸田政権には失望しています」と述べました。
(2)アベノミクス・財政
日銀の黒田総裁が「物価が上がれば賃金も上がる」とも発言していたが、結局この10年、日本は「物価だけ上がり、賃金が上がらない」状態だったとして泉代表は、岸田総理に対し「アベノミクスは失敗した、そう思いませんか」と追及。しかし岸田総理は、「デフレではない状況を作り出した」と強弁しました。
(3)エネルギー・産業
冒頭に「政府だけで勝手に決めないでほしい」と述べた泉代表は、政府が年末のGX実行会議で「原子力発電を脱炭素電源として最大限活用、運転期間の延長、再稼働の加速、次世代革新炉への建て替え・建設」に転換したことを追及。立憲民主党は、多くの専門家と検討を重ね「環境エネルギー重点政策」をまとめていることを踏まえ、太陽光、風力などの再生可能エネルギーの拡大こそが有望な「成長のエンジン」だと訴えました。
(4)賃上げ
中小企業の賃上げには、「原材料や燃料費に加え、労務費分の価格転嫁が不可欠」と泉代表は指摘。そのために、「正社員を増やした中小企業の社会保険料事業主負担分の一定部分を助成する案」(社会保険料・事業者負担軽減法案)の実行を総理に迫りましたが、岸田総理は「就労できる基盤を整備することが事業主の責任」だとして「国が肩代わりすることは適当ではない」と答弁しました。
(5)子ども・子育て支援
岸田総理が今になって「最重要課題」と位置付けた「子ども子育て支援政策」について泉代表は、「防衛増税」を目立たないようにするための「まやかし」と指摘。
「防衛予算倍増」は早々と決めた一方、何年も前から私たちが「チルドレンファースト」として訴えてきた「子ども子育て予算倍増」について、政府が「今から議論と検討を行って大枠を示すのが6月」というのは、完全に「防衛費の後回し」だと批判しました。
その上で泉代表は、「子ども予算倍増」は「異次元ではなく最低限の少子化対策」だと強調。「児童手当に所得制限を設けながら、年少扶養控除を止めたままの自民党」の姿勢を批判しました。
最後に泉代表は、立憲民主党が策定した「ビジョン22」を踏まえ、「『和の心』をもって、あらゆる立場の分断を乗り越えて、調和的な未来を創造するために力を尽くす」と訴え、「立憲ボトムアップビジョン」を策定した「約1200名を超える自治体議会の仲間と、多くの新人たちが、地域の福祉を向上させ、共助と公助が機能する、支え合いの社会を作る」と力を込め、代表質問を締めくくりました。
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2023年1月27日(金)
志位委員長の代表質問 衆院本会議
日本共産党の志位和夫委員長が26日の衆院本会議で行った、岸田文雄首相の施政方針演説に対する代表質問は次の通りです。
新型コロナでの「医療崩壊」の責任を問う――医療体制の抜本的強化を求める
![]() (写真)代表質問する志位和夫委員長=26日、衆院本会議 |
私は、日本共産党を代表して、岸田総理に質問します。
新型コロナ感染症の第8波による「医療崩壊」が深刻です。死者数は過去最悪、「救急搬送困難事案」も過去最悪、高齢者施設でのクラスターが多発し多くの犠牲者が出ています。第7波で起こったことが、より深刻な形で繰り返されているのです。
総理、その原因はどこにあると認識していますか。政府の責任はきわめて重いと考えますが、その自覚はありますか。
このあしき連鎖を断ち切るうえで決定的に重要なのが、あまりに脆弱(ぜいじゃく)な医療体制の抜本的強化です。「地域医療構想」の名での急性期ベッドの削減計画をきっぱり中止し、危機に対して余裕のある強靱(きょうじん)な医療体制をつくるべきではありませんか。
総理は、新型コロナを、季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げる方針を表明しました。しかし、医療体制の強化ぬきにこの方針を実行すれば、医療現場の大混乱は避けられません。医療費を自己負担にすることは、ただでさえ高くなっている医療へのハードルをさらに引き上げ、犠牲を拡大することになります。犠牲者が最悪という深刻な事態のもと、医療への公的責任を放棄する方針を推進することは、断じて認められません。総理の答弁を求めます。
物価高騰からいかにして暮らしと経済を立て直すか
経済界への「お願い」だけで賃上げが進むと考えているのか
物価高騰からいかにして暮らしと経済を立て直すか。総理は、施政方針で、「物価上昇を超える賃上げが必要」とのべました。ところがその方法はといえば、「経済界にお願いする」というだけで、政治の責任で賃上げをはかる具体策がまったく見えません。
総理、経済界への「お願い」だけで賃上げが進むと考えているのですか。そうはいかないことは、政府が、こうした「お願い」を、安倍政権いらい10年間にわたって繰り返しながら、この間に労働者の実質賃金が20万円も下がっているという事実が証明しているではありませんか。
だいたい、総理は、働く人の7割を占める中小企業が、抜本的支援なしに、賃上げができると考えているのですか。城南信用金庫と東京新聞のアンケートに、中小企業の7割以上が「今年、賃上げの予定なし」と回答しています。原材料費の高騰、コロナ危機による経営難、過剰債務という三重苦にあえぐ中小企業が、言葉だけの「お願い」で賃上げができるわけがないではありませんか。答弁を求めます。
賃上げを推進する具体策――大企業の内部留保課税、最低賃金の緊急の再改定を
政治の責任で、賃上げを推進する具体策の実行が必要です。2点にしぼって提案します。
第一は、アベノミクスで大企業の内部留保が500兆円まで膨れ上がった――この膨れ上がった部分に5年間の時限的課税を行って10兆円の税収を確保し、これを中小企業の賃上げ支援にあてて、最低賃金を時給1500円に引き上げる、大企業が賃上げを行った場合には課税を控除し、大企業で働く人の賃上げも促進するという提案であります。
企業内部に滞留した巨額の資金を、経済、とくに賃上げに還流させることの重要性は、総理も否定されないと思います。ならばそれを政治の責任で進めるべきではありませんか。わが党の提案は、そのための最も合理的な提案だと考えますがいかがですか。
第二に、昨年10月の最低賃金引き上げは、全国加重平均で3・3%にすぎません。これは実質賃金の計算に用いる帰属家賃を除く消費者物価の上昇率――4・8%に遠く及びません。最低賃金は実質ではマイナスなのです。
総理、「物価上昇を超える賃上げが必要」というなら、最低賃金を少なくとも「物価上昇を超える」水準に引き上げるために、中小企業への直接支援と一体に、最低賃金の緊急の再改定を行うことは、最小限の責任ではありませんか。答弁を求めます。
消費税5%への緊急減税、インボイス中止を強く求める
くわえて物価高騰への最大の効果的対策となる消費税5%への緊急減税と、インボイスの中止を強く求めます。
インボイスが導入されれば、財務省の試算でも、年間売り上げ550万円、利益150万円の事業者に15万円もの増税になります。1カ月以上の所得が増税で消える。「これでは仕事を続けられない」という悲鳴が、中小・小規模事業者、クリエーター、フリーランスから続々とあがっています。総理、この声にどう答えますか。答弁を求めます。
「異次元の子育て支援」というなら、その柱に教育費負担の抜本的軽減をすえよ
総理は、「異次元の子育て支援」を掲げていますが、そのメニューを見ますと、一番大事な問題が抜け落ちています。
政府が、2020年に行った意識調査では、「育児を支援する施策として何が重要か」という設問に対して、断トツ1位は「教育費の軽減」で69・7%にのぼっています。総理、「異次元」と豪語するほど「子育て支援」に力を入れるというなら、その柱に教育費負担の抜本的軽減をすえるべきではありませんか。
世界で最高水準の学費、日本独自の高すぎる大学の入学金、若者に数百万円もの借金を背負わせる貧しい奨学金制度、憲法で無償とされている義務教育での給食費などの重い負担――この中の一つでも抜本的に改善のメスを入れる意思はありますか。
日本の教育費への公的支出は、対GDP比でOECD37カ国中36位と最低水準です。にもかかわらず来年度予算案の文教費の増加額はわずか102億円、率にして0・3%、物価高騰のもと実質ではマイナスです。「異次元の子育て支援」と言うなら、教育予算の抜本的な増額が必要ではありませんか。答弁を求めます。
原発回帰への大転換を問う――原発ゼロの決断こそ脱炭素を進める道
総理は、昨年12月、原発回帰への大転換の方針を決めました。
しかし、自民党は、昨年の参議院選挙で、「原発の新規建設は考えていない」と公約していたではありませんか。選挙が終わると、手のひらを返して、新規建設推進の方針を決めるのは、文字通りの公約違反ではありませんか。
さらに、自民党は、2011年3月の東京電力福島第1原発の大事故を受けて、原子炉規制法が改定されたさい、「経年劣化による安全上のリスクが増大する」ため、原発の運転期間は40年を基本とすることで民主党、公明党と合意していたではありませんか。総理は、老朽原発の60年をも超える運転を認めるとしていますが、「経年劣化による安全上のリスク」がなくなったとでもいうのですか。
原発事故の教訓を忘れ、被災者の苦しみを忘れた、新たな「安全神話」の復活というほかないではありませんか。
総理は、「グリーン」を理由としていますが、原発こそ、ひとたび事故を起こしたら最悪の環境破壊を引き起こし、核のゴミの処分方法もありません。原発頼みを続けてきたことが再生可能エネルギー、省エネルギー普及の障害になっています。原発ゼロを決断することこそ、脱炭素を進める道だと考えますが、いかがですか。答弁を求めます。
敵基地攻撃能力保有と大軍拡――七つの問題点を問う
総理は、昨年12月、「安全保障3文書」を閣議決定し、「反撃能力」の名での敵基地攻撃能力の保有と、5年間で43兆円もの大軍拡を進めることを宣言しました。私は、次の七つの問いを総理に提起したいと思います。
「勝手に決めるな」――民主主義を無視したやり方だと考えないか
第一は、「勝手に決めるな」ということです。「安保3文書」自身が、戦後の日本の安全保障政策の大転換だと認めているにもかかわらず、総理は、昨年の参院選でも、臨時国会でも、その内容を示さず、一片の閣議決定で大転換を決め、米国のバイデン大統領に報告して既成事実化したうえで、ようやくこの国会にのぞんでいます。順序が逆ではありませんか。民主主義を無視したやり方だと考えませんか。お答えください。
“敵基地攻撃能力の保有は憲法違反”という憲法解釈を変更したのか
第二は、日本国憲法との関係をどう説明するのかという問題です。
政府は、1959年の伊能防衛庁長官の答弁で、敵基地攻撃について、「法理的には可能」としながら、「平生から他国を攻撃するような、攻撃的な脅威を与えるような兵器を持っているということは、憲法の趣旨とするところではない」とのべています。政府は、近年でも、この答弁について「現在でも当てはまる」と答弁しています。
総理、敵基地攻撃は、「法理的には可能」だが、その能力を保有することは憲法違反という憲法解釈を変更したのですか。お答えください。
「専守防衛に徹し」と言いながら、「専守防衛」を完全に投げ捨てる
第三は、「専守防衛」と両立しうるかという問題です。
「安保3文書」は、「専守防衛に徹し、他国に脅威を与えるような軍事大国とはなら(ない)」とのべています。
しかし、今やろうとしていることは何か。
「GDP比2%以上」の軍事費となれば、日本は米国、中国につぐ世界第3位の軍事費大国になります。
長射程のトマホーク・ミサイルなど相手国の脅威圏の外からミサイルを撃つ「スタンド・オフ・ミサイル」を大量に導入し、それを搭載する戦闘機、護衛艦、潜水艦を大増強するなど、強大な敵基地攻撃能力を保有することになります。
それがどうして「他国に脅威を与えるような軍事大国」でないといえるのか。説明をいただきたい。「専守防衛に徹し」と言いながら、「専守防衛」を完全に投げ捨てる。これが正体ではありませんか。お答えください。
「自分の国を自分で守る」でなく、日本を米国の戦争に巻き込み、国土を廃虚と化す
第四は、敵基地攻撃能力保有は「自分の国を自分で守る」ためのものという言い訳がなりたつかという問題です。
「安保3文書」は、集団的自衛権を行使する場合も敵基地攻撃能力を行使できると明記しています。すなわち、日本が武力攻撃を受けていないもとでも、米国が海外で戦争を開始したら、自衛隊は米軍と一体に、敵基地攻撃能力を使って、相手国の領土に攻撃を加えるということです。その結果は何か。日本への報復攻撃による国土の焦土化です。「日本を守る」ではなく、「日本を米国の戦争に巻き込み、国土を廃虚と化す」。これが正体ではありませんか。
現に、大軍拡の最前線に立たされようとしている沖縄では、万一、有事となったさいに甚大な犠牲をこうむるとして、沖縄県や石垣市議会は、敵基地攻撃兵器の配備に強く反対しています。「沖縄を再び『捨て石』にするな」。総理は、この声にどう答えますか。お答えください。
国連憲章違反の先制攻撃の戦争に、米軍指揮下で自衛隊が参加する
第五は、敵基地攻撃能力保有は、「先制攻撃にならない」という言い訳がなりたつかという問題です。
「安保3文書」は、敵基地攻撃能力の柱に、「統合防空ミサイル防衛能力」の強化をすえています。「統合防空ミサイル防衛」(IAMD)とは、アメリカが地球的規模で構築している敵基地攻撃と「ミサイル防衛」を一体化したシステムですが、このシステムに自衛隊が米軍と完全に融合する形で参加しようというのであります。
ここできわめて重大なことは、米軍が2017年に作成したドクトリンには、「統合防空ミサイル防衛」は先制攻撃作戦を含むことが公然と明記されていることです。そうなると、米軍がこの方針にそくして先制攻撃で戦争を開始したら、自衛隊も一体にたたかうことになるではありませんか。憲法違反であるだけでなく、国連憲章に違反する先制攻撃の戦争に、米軍の指揮下で自衛隊が参戦することになるではありませんか。しかと、お答えください。
大増税、社会保障大削減、国家財政破綻――「軍事栄えて民滅ぶ」の日本に行き着く
第六は、5年間で43兆円もの大軍拡の財源をどうまかなうのかという問題です。
復興特別所得税の一部を軍事費に流用して期間を延長する軍拡増税に対して、わが党はもとより断固反対ですが、問題はそれにとどまりません。
政府は「歳出改革」と言いますが、どこをどう削るのかは明らかにされておらず、社会保障大削減の危険があります。さらに軍事費を国債でまかなうという、歴史の教訓を無視した暴挙に手を染めようとしています。
結局、大軍拡を大前提とする限り、大増税、社会保障大削減、国家財政破綻――「軍事栄えて民滅ぶ」の日本に行き着くことは明らかではありませんか。
東アジアに平和をつくる外交戦略――戦争の準備でなく、平和の準備を
最後に、第七は、東アジアに平和をつくる外交戦略についてです。
東南アジア諸国連合(ASEAN)は、2019年の首脳会議で、「ASEANインド太平洋構想」(AOIP)を採択し、ASEANと日米中など18カ国で構成する東アジアサミットを、地域の全ての国を包み込む平和の枠組みとして強化し、ゆくゆくは東アジア規模での友好協力条約を展望するという壮大な構想を提唱しています。
日本共産党の提案は、憲法9条をもつ日本こそが、ASEANと協力し、「ASEANインド太平洋構想」を共通の目標として、この地域の全体をASEANのような戦争の心配のない地域にしていく先頭に立とうというものであります。
そこで総理に聞きます。
1月13日の日米共同声明では、「ASEANインド太平洋構想」への「支持」が明記されています。しかし「ASEANインド太平洋構想」は、「対抗ではなく対話と協力のインド太平洋地域」をつくることを、最も重要な「構成要素」として明記しています。「対抗ではなく」。これが要の精神なのです。この構想への「支持」を確認しながら、「日米同盟の抑止力・対処力」の強化によって地域の軍事的緊張と対抗を激化させる。これは根本的に矛盾していると考えませんか。お答えいただきたい。
亡くなった評論家の加藤周一氏は、「戦争の準備をすれば、戦争になる確率が大きい。もし平和を望むなら戦争を準備せよではない。平和を望むならば、平和を準備したほうがいい」という言葉を残しています。いま日本がなすべきは戦争の準備ではなく、平和の準備であることを、私は心から訴えたいのであります。
この大軍拡を強行するというなら、解散・総選挙で国民に信を問え
敵基地攻撃能力保有と大軍拡は、日本国憲法に違反し、「専守防衛」をかなぐりすて、日本を「戦争国家」につくりかえる歴史的暴挙です。日本共産党はその撤回を強く求めます。
そして、この大軍拡を強行するというなら、主権者である国民の審判を仰ぐべきです。
統一協会との底なしの癒着、「政治とカネ」の問題でのモラル破壊、これらの問題を含め、もはや岸田政権に日本のかじ取りを任せるわけにいきません。
解散・総選挙で国民に信を問うことを強く求めて、質問を終わります。
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さて、岸田ご子息、公用車で観光旅行なんて報もありましたが、安倍氏一強が続いた結果、自民党の劣化酷いもんです。死してなお、自民党をぶっ潰す、安倍氏の悲願達成はともかく、日本も半ばぶっ壊されて半亡国状態と言うのは、困ったで済まないくらい困ったものです。
敵基地云々・・中朝国境付近から飛んできたミサイルに反撃できるとでも思ってるんでしょうか?岸田氏は?
両方とも一位になってますね❣️
時々拝見さん、いつもクリックしてくださり、ありがとうございます❣️
多分束の間の一位独占かと思いますが、今後ともよろしくお願いいたします🤲
別記事ですが、リスキリングをニュースで見た時、リスキニーングと見間違えて、何を血迷ってと思ってしましました。リキリング(by維新)よりはましですが。
以下駄文(以上もか・・?)
思い出すのが、リスキニーハーデンセイバー、オタクの中のオタクのRay殿ならご存じかと。