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米共和党のトランプ前大統領が2024年10月17日公開のポッドキャスト番組で、ロシアの侵略を受けるウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が
「戦争を始めさせるべきではなかった。これは負け戦だ」
という、ロシアのプーチン政権によるウクライナ侵略は侵略されているウクライナに責任があったとも受け取れる親露派陰謀論者丸出しの発言をしたというニュースが全世界で報道されています。
私がⅩで観察している反米拗らせ論者・親露派陰謀論者たちは「トランプさすが!」などと喜んでいるのですが(-_-;)、トランプ陣営では、トランプ氏がウクライナ紛争の責任について非難したのはゼレンスキー氏ではなく、
「明らかにバイデン氏だ」
と殿ご乱心を必死でカバー中。
ではさっそくですが、戦争に関してはいつも最も詳しい記事を出す韓国の保守紙中央日報の記事をそのままご紹介します。
親露派トランプ氏のウクライナ戦争即時停戦論が判明。現在の前線を非武装地帯にしてロシアの占領地を固定化。ウクライナはNATOに加盟せず中立化。「ロシアのプーチン大統領の和平案のようだ」(NYタイムズ)。
トランプ氏は17日(現地時間)に公開されたパトリック・ベト-デイヴィッド氏(PBD)のポットキャストでのインタビューで、ウクライナのゼレンスキー大統領について「彼は戦争を始めるべきではなかった。戦争の敗北者」と話した。ロシアの侵攻で始まった戦争責任をゼレンスキー大統領のせいにする発言だ。
トランプ氏は先月10日のカマラ・ハリス副大統領とのテレビ討論で「ウクライナがロシアとの戦争で勝利しなければなければならないと考えるか」と司会者から繰り返し受けた質問に、即答を避けながら「私は戦争が止むことを望む」と答えた。
◇1・6議事堂乱入事態を「愛の日」
トランプ氏は前日、スペイン語放送「ユニビジョン(Univision)」とのタウンホールミーティングでは、自身の追従者が2020年大統領選挙結果に従わずに起こした2021年1・6議事堂乱入事態について「愛の日」(the day of love)と表現した。
22年の侵攻開始のわずか2日前、トランプはプーチンの侵略を称賛するような行動に出た。
右派のラジオ番組に出演し、プーチンによるウクライナ東部の独立承認を「天才的」と評したのだ。
新著は「トランプがプーチンを批判しようとしないのは1回限りの出来事ではなく、一貫した性格的特徴だ」と指摘している。』
とも書かれています。
ロシアの代弁者トランプ氏の即時停戦論。
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トランプ氏はインタビューの中で、ゼレンスキー氏を助けたくないという意味ではないと強調しつつ「戦争を始めるべきではなかった。負け戦だ」と発言しました。
ロシアが侵攻を始めたことを否定する発言とも受け取れることから、物議を醸しています。
トランプ氏はこれまでもウクライナへの巨額の軍事支援を批判し、ウクライナ領土を一部割譲した和平案などを示唆していました。
トランプ氏はロシアのプーチン大統領を高く評価していて、来月の大統領選挙の結果によってはアメリカのウクライナ政策が大きく転換する可能性があります。
2024年10月18日 10:27 日本経済新聞
【ワシントン=共同】米大統領選の共和党候補トランプ前大統領は17日放送のポッドキャスト番組のインタビューで、ロシアが侵略するウクライナのゼレンスキー大統領について「戦争を始めるべきではなかった。負け戦だ」と批判した。ロシアが侵略を始めたことを否定する発言とも受け取れ、民主党候補のハリス副大統領陣営が反発を強めるとみられる。
トランプ氏はロシアのプーチン大統領を指導者として高く評価しており、2021年の離任後にも対話したと報じられている。侵攻を正当化するプーチン氏寄りの姿勢が顕著で、ウクライナを支援する欧州の米同盟国に動揺が広がりそうだ。
ウクライナへの軍事支援に消極的なトランプ氏はゼレンスキー氏について「最も偉大なセールスマンだ。米国に来る度、われわれが1千億ドル(約15兆円)を与えている」と誇張して皮肉る一方「ウクライナ人を気の毒に思う。彼を助けたくないと言っているわけではない」とも述べた。ウクライナの戦争はバイデン大統領が「扇動した」との持論も展開した。
ロシアは22年2月24日、ゼレンスキー政権がロシア系住民を迫害しているなどと主張してウクライナ侵略を開始。現在も交戦が続いている。
トランプ氏はパレスチナ自治区ガザ情勢を巡り、イスラエルのネタニヤフ首相がバイデン氏の言うことを聞かず、米政権が状況を統制できていないと批判した上で「私の話ならば100%聞く」と述べ、影響力を行使できると主張した。
【ワシントン=田島大志】米共和党のトランプ前大統領は17日公開のポッドキャスト番組で、ロシアの侵略を受けるウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領に「戦争を始めさせるべきではなかった。これは負け戦だ」と発言した。侵略はウクライナに責任があったとも受け取れる発言で、国内外の反発を招く可能性がある。
トランプ氏はロシアのプーチン大統領と関係を維持しており、大統領選で当選した場合、速やかに和平を実現することに意欲を示してきた。ウクライナ支援にも消極的な姿勢を示してきたが、番組では「(ウクライナを)助けたくないと言っているわけではない。私はウクライナ国民にとても同情している」とも述べた。
「ゼレンスキー氏は戦争を始めさせてはならなかった」トランプ氏
【10月18日 AFP】米大統領選の共和党候補、ドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領(78)は17日、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は戦争を未然に防げなかったと主張し、ロシアのウクライナ侵攻についてウクライナ側にも責任があるとの認識を示した。
トランプ氏は、200万人以上の登録者がいる「PBD Podcast」で、「ゼレンスキー氏は私がこれまで見た中で最も優秀なセールスマンの一人だ。米国は、彼が来るたびに1000億ドル(約14兆9000億円)を与えている。歴史上、これほどの大金を手にした人物が他にいるだろうか? いや、いない」と主張。
「だからといって、彼を助けたくないわけではない。私はあの人たち(ウクライナ国民)を大変気の毒に思っているからだ。彼はあの戦争を決して始めさせてはならなかった」と続けると、直ちに批判の矛先を民主党のジョー・バイデン(Joe Biden)大統領に転じ、ウクライナ紛争を「扇動(せんどう)した」のは同氏だと非難した。
トランプ陣営はAFPの取材に対し、トランプ氏がウクライナ紛争の責任について非難したのはゼレンスキー氏ではなく、「明らかにバイデン氏だ」と釈明した。
ロシアによる侵攻開始から2年以上が経過する中、ウクライナ側は、国民の士気低下を懸念して戦死者数をほとんど公表していない。だが、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が先月報じたところによれば、ウクライナ紛争の死傷者数は両国合わせて100万人を超える。
米国はウクライナの主要支援国の一つで、侵攻開始以来、641億ドル(9兆6000億円)以上の軍事支援を行っている。
一方、米シンクタンク「大西洋評議会(Atlantic Council)」ユーラシアセンター(Eurasia Center)のシニアフェローで国家安全保障の専門家、ジョン・サイファー(John Sipher)氏はX(旧ツイッター)への投稿にトランプ氏のポッドキャスト発言の動画を添え、「なんて卑劣な裏切り者だ」「彼はばかだ。なぜこれほど多くの米国人がそれに気づかないのか、世界中が不思議に思っている」と述べた。(c)AFP
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これに近いことを言ってるのが野口和彦氏らのリアリスト。
予防戦争としてのロシア・ウクライナ戦争(更新)
https://blog.goo.ne.jp/kazzubc/e/cf04abe5e7448e31626ca9d96c7d93c2
曰く、「プーチンは自らの生き残りが危うくなったと感じて、ロシアにとって安全保障上、必要不可欠な「緩衝国」であるウクライナを欧米に渡さないために、予防戦争を仕掛けた。」
野口氏に国家の主権、国際法や法の支配を述べたところで馬耳東風なのだが、こうした国際規範の無視がロシアやイスラエルの蛮行を生んでいる。
そもそも隣国のフィンランドがNATOに加盟しようが問題ないとプーチンが述べている。さらにウクライナの子どもの連れ去りや、占領地をロシアに併合するなど、ロシアの安全保障とは何ら関係が無い。NATO脅威論は既に破綻をしている。
プーチンの野望は、ウクライナの非ナチ化=ロシアの傀儡化と非軍事化である。非ナチ化は2014年の政変が発端であり、ドンバスでの紛争もそこから始まっている。世論も過半数が、それ以降NATO加盟を支持するように変化をした。ウクライナはその後、西側の支援を受け軍備増強してきたが、クリミアをぶん捕られてドンバスが戦争状態にあれば当然の帰結。全てはプーチンが墓穴を掘ったものだ。
ウクライナの軍備増強が嫌なら軍縮・ドンバスからの撤兵交渉をすればよかったが、プーチンは全面侵攻に踏み切った。それは「自らの生き残りが危うくなったと感じ」たわけではなく、簡単にウクライナを屈服させられる(非ナチ化)という過信があったためだ(アメリカのイラク・アフガンでの失敗と同様)。全面開戦のハードルが低かった。
またスウェーデンは北欧一の軍事大国で軍需産業も盛んな兵器輸出国です。
本来であればウクライナがNATOに加盟するよりこの両国が加盟する方がよほどロシアにとっては痛手なはず。
それでもプーチン大統領は平気の平左でいるし、現にロシアの安全保障が特に脅かされているというような事態には全くなっていません。
ウクライナがNATOに加盟することが許せなかったのはロシアの安全保障のためではなく、ロシアから見て同族ないし二流民族とみてきたウクライナがNATOだのEUだのに入ることが許せなかったというのが本当のところの本音なんですよね。
全く、現実を全く見ていない野口和彦教授がリアリストを自称していることも失笑物ですし、ただただ反米が高じてどう見ても親露派にしか見えなくなってしまっている伊勢崎賢治氏が国際紛争処理の専門家だの、自称も過ぎるやろという感じです。
2022年2月23日に堂々と、ロシアがキエフを攻めることはないと書いていた三浦瑠麗女史が国際政治学者と名乗っているのと同じレベルです。
暗殺を巡る資料が『未公開の機密情報にさせられた』時点で米国政府の内外に『やばすぎる連中が跋扈している』のは一目瞭然ですが、それに対する“憶測”が“推測に推測を重ねる”『屋上屋を重ねる』奇々怪々なものに堕してしまったのは残念なこと…と言いますか、『奇々怪々な陰謀論』を“後ろ暗い利権集団があえて流した”…宮武さんの嫌がる『陰謀論』はそこから始まったのでしょうね。
今回“陰謀論者”トランプ氏が“関係者”ケネディJrと共に『米国最大のタブーの一つを公開する』とか息巻いているそうです。
知り合いの“陰謀論者”さんは『やはりトランプ氏は正義の味方だ!』とか見事にトランプ氏のパフォーマンスに『騙されて』おられますが、『(“ネタニヤフ政権の悪辣な共犯者”)バイデン政権以上にしっかりイスラエルを支援する!』とか利権まみれの寝言を言っているトランプ氏が正義の味方のわけがないのですが…。
『ケネディ事件が公になるとまずい利権層A』(バイデン政権支援)に対抗するために『ケネディ事件が公になっても困らない利権層B』(トランプ陣営支援)が機密文書を利用しているだけ…という状況だと思います。
『ショッカー 対 死ね死ね団』の対決は相変わらず『見苦しい』戦いをやらかしてくれますね。(ため息)
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/1319097
☆ケネディ暗殺の文書全公開を主張
トランプ氏、委員会設置で
2024年8月24日 京都新聞
【ワシントン共同】米共和党のトランプ前大統領は23日、アリゾナ州での集会で、大統領選で勝利すれば、暗殺や未遂も含めて大統領を狙った事件を検証する独立委員会を設置すると表明した。1963年の民主党ケネディ大統領の暗殺に関する全ての文書を公開すると主張した。
陰謀論系自称護憲派の即時停戦論者も同じ認識なので、「ウクライナとNATOがロシアを挑発した」という思考閉鎖に陥り、その他の事実を見ようともしません。
この予防戦争という概念は、必然的に自国の軍事費を拡大する方向性を持っています。野口氏もこう述べています。
独裁者の軍隊は弱いのか?(更新)
https://blog.goo.ne.jp/kazzubc/e/bbd69193f8d980dd7e02e3dc28ad2a3d
引用開始----
日中の軍事費の比率は、約1:6にまで広がりました。日本政府は防衛費を倍増することを目指して、その差を縮めようと努力をしていますが、日本の自衛隊と中国の人民解放軍の軍事バランスを保つのは、量的にも質的にも途方もないことであると、このような研究からの推論で分かります。われわれは中国人民解放軍を正しく恐れながら、最新の社会科学にうらづけられた根拠にもとづく軍事力の強化を着実に実行していくべきではないでしょうか。
引用おわり----
弱肉強食という世界観を持つ以上、当然の帰結です。野口氏を引用する即時停戦論者は、彼の言説をよく理解すべきでしょう。
繰り返しますが、戦争の原因が軍事バランスだけではないことが、2014年以降のロシアとウクライナの関係を見ればわかることです。ウクライナが少しばかりの軍事強化をしても、圧倒的にロシアの方が優位(簡単に勝てる)という認識、核大国のロシアにNATOは絶対参戦しないという確信もあったでしょう。(NATOは責任をとって参戦しろ(呆)という陰謀論系即時停戦論者もいますが、いかに机上でしか考えていないかと言うことです。)
そのあたりをうまくまとめたものが次の論考です。
なぜプーチン政権の危険性は軽視されてきたのか―国際情勢分析と認知バイアス―
宇山 智彦(北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター)
https://src-h.slav.hokudai.ac.jp/center/essay/PDF/20220413.pdf
引用開始----
ロシアがバルト諸国の NATO 加盟を多少の不快感は示しつつも受け入れたのに対し、ウクライナの NATO 加盟については実現の見通しが立っていないにもかかわらず繰り返し激しい苛立ちを示し、侵攻にまで至ったのは、歴史的に一体だとロシア側が一方的に考えるウクライナが米欧側に付くことへの怒りのためである。また、超大国ソ連の崩壊を「惨事」と呼ぶプーチンにとって、ウクライナを領土ないし勢力圏の中に取り込むことは、超大国復活の重要な一歩となりうる。つまりウクライナの NATO 加盟問題は、ロシアの安全保障ではなく縄張り意識・帝国意識の問題なのである。
(中略)
ロシアのウクライナに対する攻撃的な態度が通常の意味での安全保障上の考慮によるものではないことは、プーチンらロシア指導部のウクライナへの執着や米欧への一方的な怨念に満ちた発言、および NATO 脅威論とロシアの実際の行動の矛盾を丁寧に分析すれば、すぐに分かることであった。国際政治は必ずしも客観的な合理性で動いているわけではなく、国家の威信や指導者の感情(特に執念や怨念)で動く場合が少なくないということは、クリミア併合やウクライナ侵攻が研究者に与える教訓である。
引用おわり----
そして情報戦。世界各国には広く親プーチン派がウヨウヨしています。右翼と反米拗らせを焚きつけ、法の支配に対する信用を損ねようと企み、結果、暴力に対する忌避感が低下したように思われます。それが戦争犯罪、侵略やテロに対して鈍感な、逆に法の支配を徹底するICCへの敵意をむける理由かと。そしてICCへの敵意(=法の支配)は米国とイスラエルも顕著であり、トランプはそんな空気の中で再生したのではないでしょうか。
Moldova accuses Russia of meddling ahead of its elections and EU referendum
(npr 2024/10/19)
https://www.npr.org/sections/the-picture-show/2024/10/18/g-s1-28762/photos-moldova-referendum-vote-russia-meddling
引用開始----
今月初め、 Viorel Cernautanu 国家警察長官は、ロシアのネットワークが13万人以上のモルドバ国民に賄賂を送り、国民投票に反対し、クレムリンと関係する候補者に投票するよう仕向けたと主張した。同氏によれば、9月だけで約1500万ドルがロシアの Promsvyaz 銀行に開設された口座に送金されたという。
(中略)
親ロシア派の Ilan Shor (2014年にモルドバの銀行から10億ドルを盗んだ罪で欠席裁判で有罪判決を受けた)は、モバイルメッセージングアプリ「テレグラム」で、投票所で国民投票に反対票を投じるよう他の人を説得した有権者に報酬を支払うと公然と提案し、投票所で過半数の人が「反対」票を投じればボーナスを支払うとちらつかせた。
(中略)
支持者の買収は、モスクワの支援を受ける政治家にとって、実証済みの戦術だ。 エネルギー危機の間、ショア氏とその仲間はキシナウで反政府集会を頻繁に開催し、抗議活動参加者に報酬を支払った。参加者の多くは、生活費の高騰に憤慨する高齢の年金受給者だった。
引用おわり----
よろしくお願いいたします
それにしても日本だって人権侵害をなんとかしていかなきゃいけない、憲法を守っていかなきゃいけないときに、一部の自称護憲派がプーチン政権の人権弾圧を完全黙殺とは酷い話ですね
人権保障なくして平和なしです
※トランプ氏の言動が奇矯なのは『作られたキャラクター』で、本来は『狡猾な悪人』であり、警戒すべきはその『狡猾さ』だと周知したいところです。
とはいえ、今回の宮武さんの記事にあるように『加齢のせい』か、発言がやや支離滅裂になりつつあるのは、朗報なのか、それとも…。
https://unlimitedhangout.com/2024/07/investigative-reports/the-man-behind-trumps-vp-pick-its-worse-than-you-think/
☆トランプの副大統領候補の背後にいる男:それはあなたが考えているよりも悪いことだ
UNLIMITED HANGOUT 24/7/18 ホイットニー・ウェッブ (翻訳)
◎J.D.ヴァンスには彼自身の論争もあるが、トランプ新政権で前例のない影響力を持つことになる億万長者ピーター・ティールとの密接なつながりは、自由やプライバシー、監視国家の抑制に関心を持つすべてのアメリカ人を深く不安にさせるはずだ。
袴田さんの事例を見ての通りで、その他では、女性差別撤廃委員会で日本の審査が現在行われているようです。が、日本は「女性差別撤廃条約選択議定書」には批准していません。そうした政府の姿勢が夫婦別姓に対する消極姿勢などに現れています。
また、120カ国が設置している「政府から独立した人権機関」が日本にはない。(米国や中国にもないようです。)そうした機関があれば人権侵害がもたらしたいくらかの悲劇を回避できたかもしれません。
国家人権機関(国内人権機関)とは 機能は?なぜ日本にない? 専門家が解説
https://www.asahi.com/sdgs/article/15055296
このような国際規範・国際協調に後ろ向きな姿勢は国によって濃淡があるでしょう。米国では国連から離脱せよと唱える議員もかつていました。多国間の枠組みを嫌う姿勢が際だって現れたのが、ロシアによる侵略、米国のイラク戦争、イスラエルの数十年にわたるパレスチナ人迫害等々。国連にはこのような横暴とせめぎ合ってきた歴史があります。
国内の人権を守れない国が他国の人権を軽んじることは、名古屋入管での死亡事件に現れており、外国人差別も依然として根強い。さらに自称護憲派がハマスのテロリズムを容認したり、911テロよりポケベルテロの方が悲惨だと命の選別をしたりするくらいで何とも情け無い。
数十年後の日本が、かつて国際連盟を脱退した大日本帝国のように、唯我独尊(左右関係なく)に染まったとき、ロシアのような侵略をする可能性がゼロではないと思います。その芽を摘む営みの一つが人権問題に取り組むことでしょう。
マスク氏 “投票日まで毎日 有権者に100万ドル配る” で物議
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241021/k10014614921000.html
有権者登録を済ませた人が請願書に署名した場合に抽選で支払うというのだが、これが違法か否かで見解が分かれているという。
Musk is giving some US voters $1m. Is it legal? (BBC 2024/10/23)
https://www.bbc.com/news/articles/ced0d1g5zyno
いくらグレーゾーンだと言っても、抽選の条件には有権者登録を必要条件とするので、私にはOUTにしか見えないのだが。
トランプがのし上がったことを見ても、米国にもロシアのような闇があるのだろう。
なお、kleptocracy は泥棒政治家と訳されている。
Self-dealing Trump is Kleptocrats’ Role Model
https://www.hrw.org/news/2019/10/31/self-dealing-trump-kleptocrats-role-model
1,米国企業による外国公務員への賄賂を禁止した海外腐敗行為防止法を「ばかげている」「ひどい法律」と酷評した。
2,資源採掘に関する収支報告を透明化し、腐敗を減らし、公正な資源管理を促進することを目指す国際的な取り組みの「採取産業透明性イニシアティブ(Extractive Industries Transparency Initiative)」から米国を脱退させた。
3,ウクライナを含む海外の反汚職プログラムへの資金提供を削減しようとした。
4,蔓延する汚職により、組織犯罪、深刻な人権侵害が問題視されているグアテマラで、汚職対策委員会の締め付けを助長し 、その結果同委員会は閉鎖された。次の記事に詳しい。
Quid Pro Quo: Did Trump Help Kill Anti-Corruption Probe in Guatemala to Aid Reelection Bid? (democracynow 2020/9/8)
https://www.democracynow.org/2020/9/8/trump_morales_guatemala_anti_corruption_cicig
グアテマラが米国の移民政策を支持する引き換えに委員会支援の撤回に合意した。グアテマラは、大使館をエルサレムに移転させることで米国を支持した。ヘイリー国連大使はグアテマラを訪問した際、
モラレス大統領は、グアテマラを米国への亡命を求める移民のための「安全な第三国」とすることに合意した。
そしてモラレスは汚職防止委員会を閉鎖すると発表した。米国が提供した大砲を搭載した戦車やジープ(麻薬密売組織対策ではあったが)が、委員会のオフィスの周りを旋回した。
そして2019年に同大統領によってCICIGは解散させられる(自身に捜査が及んだためとされている。)。その後、汚職が増大し事態は悪化したことは言うまでもない。しかし、グアテマラ人民は負けなかった。
2023年の大統領選挙で、先住民グループが主導する平和的な抗議活動と、米国とEUが不正行為や腐敗行為を行う役人に一連の制裁を課すなど、高まる国際的圧力の組み合わせにより、Bernardo Arévalo が当選、翌年大統領に就任した。
選挙後、当局による不当な抑圧、選挙結果を覆そうとする企みがあったことは次の記事にある。トランプの「選挙は盗まれた」を思わせる。
Guatemala: Renewed Attacks Against Democracy (HRW 2023/11/21)
https://www.hrw.org/news/2023/11/21/guatemala-renewed-attacks-against-democracy
汚職・腐敗をトランプやプーチンが好むのは、政敵を排除し、法の支配を遠ざけ、フトコロを増やすのに都合が良いためだ。kleptocracy は民主主義を封じることで勢いを増す。トランプが「内なる敵」に対処する目的で軍隊を使用する考えを示唆したことは不気味だ。