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12月4日、イラン軍は、アメリカの無人ステルス偵察機RQ-170を、わずかな損傷を与えただけで、回収することに成功したと発表しました。
あまりに傷が少ないので、イランが宣伝しているような「サイバー攻撃」?で撃墜したのではなく、なんらかの故障で勝手に不時着した(苦笑)のではないかという気がしますが、まだ真相は分かりません。
なお、この偵察機も日本が次期主力戦闘機に採用しようとしている次世代ステルス戦闘機F35を作るロッキード・マーチン社が製造しており、この事件の原因には、アメリカだけでなく同社の技術力の威信がかかっています。
さて、この事件について、オバマ大統領は12月12日、ワシントンで行われたイラクのマレキ首相との合同記者会見で、
「アメリカはイランに対して、イラン東部で回収したアメリカの無人機を引き渡すよう求めている。イランの反応を待っている」と語りました。
まさかイランがすんなり返してくれるとは思っていないでしょうのでしょうが、まるで落とし物を返してくれというような、のんびりした物言いです。
自分たちが違法行為をしたという感覚が麻痺しているようですが、アフガニスタンでやっている無人爆撃機による市民への「誤爆」といい、アメリカは猛省すべきです。
アフガン大統領 米軍とアメリカ政府に「最後の警告」 「誤爆」の連続で、女性子どもを含む多数の民間人死亡
イラン外務省の報道官は、12月13日、定例記者会見で、イランからの無人偵察機の返還を求めるアメリカのオバマ大統領の表明に対して、
「アメリカの偵察機によるイランの領空への侵犯は、世界の平和と治安に反する措置だ」
「アメリカの無人機によるイラン領空への侵犯は、今後真剣に追求され、アメリカもまたこの措置に回答すべきだ」
「アメリカ大統領の表明は、問題の回避であり、この違反行為、犯罪行為を認め、正式に謝罪することで、この行為の結果に責任をとるべきだ」
と述べました。
これは、オバマ大統領はイランに完全に一本取られましたね。国際法違反をしたことを謝罪しろと言われれば、確かに謝るべきで、オバマ大統領の言っていることは盗っ人猛々しいと言わざるを得ないでしょう。
この偵察機はアメリカの領空侵犯という国際法違反のなによりの証拠なのですし、返還請求権などアメリカにはありません。
もし、日本にロシアや中国のステルス機能搭載の無人機が領空侵犯して偵察に来て場合を想像してみてください。潜水艦がこちらに知られずに領海を侵犯してきて偵察しているのも同じ事。
返さないでしょう?
1976年に旧ソ連のパイロットがミグ25戦闘機ごと日本に亡命してきたという大事件がありましたが、あの時も国際慣習法にしたがって、機体は日米で解体して調べ放題調べてしまいました(笑)。
上記の事件は個人的行動でしたが、今回のアメリカのやっていることは国家としての軍事行動で、完全にイランの国家主権の侵害であり、国際法違反です。撃墜したのであろうが、墜落したのであろうが、イランは機体を返してやる義務などないのです。
ロシアや中国がこの機体のステルス機能などの軍事秘密を狙って早くもイランに接触しているようですが、アメリカの自業自得というしかありません。
ブッシュ政権で副大統領だったチェイニー氏などは同じ12月12日のCNNのインタビューで、
「オバマ大統領は、無人偵察機がイランに制御された後、空爆、あるいはその破壊を指示すべきだった。そうすれば、イランによって調査されるのを防げたはずだ」
「オバマ大統領には、破壊するか、それとも返還を要求するかについて3つの選択肢が提案されたが、彼はその全てを拒否した」
「正しい選択肢は、この偵察機がイランの手に渡った直後にそれを破壊することだった。それは空爆によって即座に行うことが可能だった」
と述べました。これはイラン国内に爆撃をしろと言っているわけで、実行すれば完全に戦争です。
策謀家チェイニー 副大統領が創った「ブッシュのアメリカ」
バートン・ゲルマン 著 / 加藤 祐子 訳
強いアメリカ、絶対的な大統領権限を信奉するチェイニーは、道を阻む法慣例や人物を次々と排除していく。9・11のその時、二人に何があったのか。国内盗 聴、開戦への周到な誘引、拷問容認…アメリカが一歩踏み出してしまった舞台裏を、ピュリツァー賞受賞のワシントン・ポスト紙記者が丹念な取材で明らかにする。
日常、我々はGPS(全地球測位システム)でカーナビやGoogleマップや携帯のナビ機能などなど便利に使っていますが、GPSはアメリカの軍事衛星を利用しているのです。
人工衛星軌道上にGPSに使われているだけでもアメリカの軍事衛星が30個も飛んでいて、その他の軍事衛星はいくつあるかも知れず、それらが我々を含む全世界の市民の行動を調べたい放題把握している現状は、考えてみれば恐ろしい話です。
イラクのフセイン政権が大量破壊兵器を所有しているとブッシュ前政権が言い立ててイラク戦争を開始しましたが、当時の軍事衛星でも、大量破壊兵器の開発と運搬・保管がおこなわれていれば把握できていたはずで、私はもともとイラクに大量破壊兵器がないことなど百も承知で、戦争中毒国家のアメリカが戦争を起こしたのではないかと疑っています。
今また、イランの核開発疑惑をアメリカが言い立てて、まるで戦争を起こせる機会をうかがっているかのような緊迫感が漂っていますが、今回の無人偵察機撃墜事件の非は明らかにアメリカにあります。
チェイニ-元副大統領の言っていることなどを見ると戦争がしたくてしょうがないようですが、この事件を新たな戦争のきっかけにするべきではないということだけははっきりと言っておきたいと思います。
9・11同時多発テロから10年 アメリカ市民は犠牲者だが、アメリカは加害者だ
ジョゼフ・E・スティグリッツ著 「世界を不幸にするアメリカの戦争経済 イラク戦費3兆ドルの衝撃」
イラク戦争におけるアメリカの出費は、12年にわたったベトナム戦争をすでに上回り、負傷兵の治療費や退役軍人の手当てなどを考慮すると、少なくとも3兆 ドルにのぼる。しかし、戦況は混沌としたままで、復興の道は見えない-。この実りなき戦争に費やされた膨大な経費は、アメリカ経済、そして世界経済にいか なる衝撃をあたえているのか?ブッシュ政権によるコスト隠蔽操作をあばき、戦争という巨大ビジネスが引き起こす負の連鎖を看破する。ノーベル賞経済学者ス ティグリッツの衝撃作。
「正義の戦争」なんてそもそもない、と思われた方は
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チェイニーって相変わらずネオコンなんですね。
さすが武器商人からお金もらっていただけあるよなあ。石油会社の偉いさんだったっかな?
中でも主催者がインタビューで「そのうち戦争を起こす」と宣言していたことで、まだ純粋な子供であった私の世界の見方が変わりました。
911が起こったときに、即座に「これか」と、番組を思い出しましたが、当時はアメリカも日本も「正義の戦争」に燃えていましたね
。
チェイニーのような人間は既に悪魔に魂を売ってしまったので、どうにもならないでしょうね。ただ、そんな人種に騙されないように国民がもっと賢くなることだけが、戦争を防ぐ道なのでしょうが、最近の右翼化傾向を見ると、危機感が募るばかりです。