Everyone says I love you !

弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

大阪万博にかかる大阪府市の負担総額が計約1112億円。万博用に松井一郎市長が前倒し利用を宣言した阪神高速・淀川左岸線2期整備事業3000億円(大阪市負担分1300億円)さえ含まず。#維新に騙されるな

2023年12月20日 | 野党でもゆ党でもなく第2自民党の悪党維新
「万博を実際実行する上で必要な費用だと思います。これはある意味僕は投資だと思っていますので、これによってどれだけの経済効果が出るのかということもあわせて府民の皆さまにお示しをしたいと思います」

上下ともクリックしてくださると大変うれしいです。

 

 大阪維新の会代表の吉村洋文大阪府知事と同幹事長の横山英幸大阪市長は2023年12月19日、2025年に開催(予定)の大阪・関西万博にかかる大阪府市の負担総額が計約1112億円にのぼると発表しました。

 維新の二人が絞りに絞ってもまだ認めざるを得なかった大阪府市民の負担分、その内訳は次の通りです

1 会場建設費 最大約783億円(国・経済界と3等分したもの)

2 大阪ヘルスケアパビリオン建設 約118・6億円

3 大阪メトロ中央線の輸送力強化 約47・0億円

4 夢洲(ゆめしま)地区埋め立て工事費 約21・4億円

5 機運醸成 約39・2億円

6 その他(市町村のイベントでの万博PRなど) 約58・9億円以上

 もちろん、岸田政権が公表した「国費」負担の万博直接費用の約1647億円も大阪の府・市民は負担することになります。

 会場建設費783億円の段階で、横山市長は大阪市民が府民・国民として負担する分も合わせると赤ちゃんからご老人まで1人1万9000円の負担だと自白していましたから、これで大阪市民の1人当たりの負担分は数万円は確実ですね。

 それでもやりますか、大阪万博?

【#万博決めたん維新やろ】「万博に関連するインフラ整備計画」の整備費が計9・7兆円。うち大阪万博に直接関係する費用も1兆円超え。万博チケット「購入したいと思わない」人79%。#万博中止、の一択だ

大阪万博には1兆円以上かかる。会場建設費2350億円、日本館建設など837億円、阪神高速整備費3000億円、交通インフラ整備費1000億円、土壌汚染・液状化対策費1554億円、そして地盤沈下対策費。

 

 

 さて、実は万博建設費も当初の3者合わせて1250億円から2350億円と2倍弱に膨れ上がって、大阪府市民の負担が783億円になったわけですが、

1 この内訳に入っているものもまだ上振れする可能性がある

2 維新の吉村氏と横山氏が数字を捜査して入れていないものがある

という問題点があります。

 2について先に言うと、酷い話なんですが、インフラ整備の費用などについては、大阪・関西万博のみに資する金額を算出することが困難だから、万博のあとも継続的に利用されるなどとして、今回の見通しには含めていないというんです。

 それって大阪カジノにも利用できるということなんですよね。

 国はインフラ整備について8390億円かかると言っているのですが、その中には、夢洲と市街地を結ぶシャトルバスのルートとなる阪神高速・淀川左岸線2期整備事業や地下鉄・大阪メトロ中央線の延伸費用などが含まれています。

 この中で、淀川左岸線については、万博の開催決定を受けて2019年、当時の松井一郎大阪市長が2027年春の完成予定だった2期工事区間(約4・4キロ)の先行利用を表明しました。

 しかし、淀川沿いの土壌汚染や軟弱地盤への対応で、当初1162億円とされた総工費は2・5倍の約2957億円に膨らんでいます。

 これを松井氏の後継者である吉村・横山コンビは大阪万博の費用からちゃっかり外したんですよ。

 あのね、この3000億円の負担割合は国が55%大阪市が45%で、大阪市の負担は今では1300億円超えてるんですけど?

【維新の無能】大阪カジノへの路線整備費用がまた1000億円増えて予定の2・5倍の3000億円。土壌汚染や液状化対策費用790億円。カジノ事業者は6・5億円の違約金で撤退可能。大阪カジノはまさにドロ沼だ

 

 

 さらに、万博会場直近まで乗り入れる地下鉄について、大阪市は新たに設置される「夢洲駅」までの未整備区間の工事費を約250億円と見込んでいました。

 ところが、軟弱地盤や想定を上回る地盤沈下への対応などで計約96億円の追加負担が必要となり、22年1月段階で約346億円(うち大阪市負担分が258億円)に増大しています。

 これなんか、万博用の駅まで作るのに大阪万博費用に入れないなんておかしいでしょう?

 前も書きましたが、そもそも夢洲って廃棄物処理場ですから、有毒物質やガス発生の問題があって大事な我が子を行かせたくないという親御さんもいるくらい。

 そして夢洲は埋め立て地として上に建造物を作る予定ではなかった土地ですから、今でもどんどん地盤沈下していて、しかもそれが一様でなく区々に起きているので、非常に危険なんですよ。

 それで、大阪カジノの事業者も地盤改良と地盤沈下に関する大阪市の負担に関する特別条項を結んでいて、どうしようもなくなったら契約解除できることにしています。

『僕たちだったら、自民党政治の「負の遺産」である舞洲、咲洲、夢洲だって有効利用できちゃうもんねえ!』

と橋下徹氏や松井一郎氏らが「イキった」結果が咲洲の大阪府庁舎であり、夢洲のこの惨状なんです。

 はよ、損切りしてくれや、ほんま!

大阪カジノ(IR)予定地の夢洲にさらに地盤沈下リスク。軟弱地盤は想定以上に悪状況。土壌汚染や液状化層も存在。以上が2021年1月に維新の松井大阪市長に報告されていた。

 

ヤ党じゃなくてユ党にされたおおさか維新の象徴、大阪府咲洲庁舎の初のテナント募集が屈辱の応募ゼロ(爆)

 

 

 話は変わって、大阪府市が大阪万博にかかる費用に入れているけれども膨れ上がるのは確実な費用に、

5 機運醸成 約39・2億円

6 その他(市町村のイベントでの万博PRなど) 約58・9億円以上

があります。
 
 なんと、橋本環奈ちゃんが主演する、テレビ朝日開局65周年記念ドラマプレミアム「万博の太陽」が2024年3月にテレビ朝日系で放送される、という報道があって愕然としたんですが、これから国と大阪府市の機運醸成予算を狙った企画がどんどん出てきます。
 
 環奈ちゃんには全く罪がないのですが、
 
「1970年の大阪万博をテーマにした本作は、1964年の東京オリンピックで味わった感動が忘れられない朝野今日子を主人公とするヒューマンホームドラマ」
 
って、万博に東京オリンピックと、あかんたれの寄せ集めの言い訳ドラマじゃないですか(-_-;)。
 
 太陽の塔を作ったから「万博の太陽」って誰が見るねん。
 
 大阪万博開催まであと1年半。
 
 失敗確実な大阪万博は維新の会のすでに断裂したアキレス腱ですが、何とか盛り上げようとこれからも維新が大阪府市民の血税を湯水のように使っての宣伝が続くでしょう。
 
 もう万博は失敗に決まっていると安心しないで、とにかく万博中止、そしてカジノ中止まで頑張りましょう。
 

大阪万博運営費が1・4倍以上の1160億円に。吉村洋文大阪府知事が赤字になっても大阪府市は負担しないと言いながら、万博リングは「圧倒的な唯一無二の木造建築物」「残し方とかいろんなことも含めて検討」w

 

 

この記事の最後にご紹介しておきましたが、フランス誌の日本版クーリエジャポンで

『この時代に万博を開催する意味はあるのか 英紙の皮肉「大阪万博の混乱はドキュメンタリー番組の最高のネタだ」』

という英フィナンシャル・タイムズ紙のイギリスらしい記事の紹介が載っていて思わず笑っちゃいました。

『そんななか、ますます多くの外交官らが前途に待ち受ける課題について内々に不満を漏らし、さらに手厳しいことに、あわよくば参加を辞退するか出展規模を縮小したいとほのめかしている。』

『「実用的だが無意味な」ものを建設する見込みが現実化していると、あるアジアの国の外交官は実情を漏らした。』

『とはいえ、悲惨な結末になろうと成功裡に終わろうと、大阪万博が見応えたっぷりな催しになることは間違いない。そしておそらく、それこそが万博が目指すべき進化系なのだろう。つまり、完成した姿よりも準備を見せ物にするのだ。』

などと言われちゃってて散々です(-_-;)。

全世界的にバカにされながら開催する大阪万博。いっそ「osaka ishin」っていうパビリオンを設けて恥をさらしたらどうですか。

上下ともクリックしてくださると大変うれしいです。

万博 大阪府・市負担費用 約1112億7000万円の見通し

再来年の大阪・関西万博をめぐり大阪府と大阪市は、19日、大阪府庁で、推進本部会議を開き、会場建設費などの府と市が負担する費用について、およそ1112億7000万円になるという見通しを示しました。

大阪・関西万博をめぐり、大阪府と大阪市は、政府が関連事業も含めた費用の全体像を公表したのにあわせて、19日、大阪府庁で、万博の推進本部会議を開きました。
会議では、府と市が負担する費用について、改めて整理したとして、およそ1112億7000万円になるという見通しが示されました。
内訳は、▼会場建設費の府と市の負担分が最大およそ783億円、▼府や市などが出展する「大阪パビリオン」の建設費などが、およそ118億6000万円、▼大阪メトロ中央線の輸送力を増強する費用などが、およそ47億円などとなっています。
また、今回示された見通しに加えて、来年度の当初予算案への計上が見込まれている費用などがあるということです。
一方、インフラ整備の費用などについては、大阪・関西万博のみに資する金額を算出することが困難で、万博のあとも継続的に利用されるなどとして、今回の見通しには含めていないということです。
会議のあと、大阪府の吉村知事は記者団に対し「万博を実行するうえで必要な費用だ。ある意味、投資だとも思っているので、これに見合って、どれだけの経済効果が出るのかということも、あわせて府民の皆様にお示ししたい」と述べました。

【経産相“有識者委で管理徹底”】
再来年開催される大阪・関西万博をめぐり、会場建設費の上振れなどで国の負担が増える見込みとなっていることを受けて、齋藤経済産業大臣は、新たに有識者委員会を設置し、費用の検証を行っていくことを正式に発表しました。
再来年開催される大阪・関西万博をめぐっては、資材価格や人件費の高騰で会場建設費が上振れしたことなどから、国が負担する総額が最大1600億円余りに増える見通しで、さらに今後の広報事業に追加の費用が生じることも見込まれています。
こうしたなか、齋藤経済産業大臣は19日の閣議のあとの会見で、大阪・関西万博にかかる費用が適正かどうか検証するため、新たに有識者委員会を設置すると正式に発表しました。
委員会は、学識経験者や公認会計士、建設コンサルタントなどで構成し、▽会場建設費など国費で負担する事業にかかる費用と、▽入場券の販売収入などでまかなう運営費について、博覧会協会から3か月ごとに報告を受け、検証を行っていくということです。
齋藤大臣は、「国民の理解を得るためには、魅力ある万博とするとともに予算についてもできるだけ透明性を持って説明することが重要だ」と述べ、予算やコストの管理を徹底していく考えを示しました。

 

 

万博整備費、想定上回る地盤対策 「底なし沼」「中止決断を」指摘も

万博推進本部会議終了後、報道陣の質問に答える吉村洋文・大阪府知事(左)と横山英幸・大阪市長=大阪府庁で2023年12月19日午後0時22分、戸田紗友莉撮影

 政府が19日に示した「2025年大阪・関西万博の費用の全体像」では、会場の人工島・夢洲(ゆめしま)(大阪市此花区)へのアクセス向上や周辺整備など、万博に直接関係するインフラ整備費が8390億円に上った。ごみや残土の処分場として埋め立てられた夢洲や周辺工事を巡っては、想定を上回る地盤沈下や軟弱地盤への対応が求められ、関連事業費の上振れが相次いでいる。

大阪の吉村知事「コスト以上の効果ある」

 8390億円の中には、夢洲と市街地を結ぶシャトルバスのルートとなる阪神高速・淀川左岸線2期整備事業や地下鉄・大阪メトロ中央線の延伸費用などが含まれる。淀川左岸線を巡っては、万博の開催決定を受けて19年、当時の松井一郎市長が27年春の完成予定だった2期工事区間(約4・4キロ)の先行利用を表明。しかし、淀川沿いの土壌汚染や軟弱地盤への対応で、当初1162億円とされた総工費は2・5倍の約2957億円(負担割合は国55%、市45%)に膨らんだ。

 また、万博会場直近まで乗り入れる地下鉄について、市は新たに設置される「夢洲駅」までの未整備区間の工事費を約250億円と見込んでいた。しかし、軟弱地盤や想定を上回る地盤沈下への対応などで計約96億円の追加負担が必要となり、22年1月段階で約346億円(うち国負担88億円)に膨張している。

 大阪府・市は19日、万博推進本部会議を開き、政府と足並みをそろえる形で地元負担分を公表。現時点で総額1112億円に上るとした。これには国や経済界と3等分する会場建設費(783億円)や府市が出展するパビリオンの建設費など(118億円)を計上、さらに子供の無料招待分など数十億円を追加する方針だ。

 一方、淀川左岸線や地下鉄延伸などは「万博のためだけの事業ではない」「従来計画されていた」として含めず、参考の事業費と位置付けた。これまでは事業費をオープンにしてきたが、「府市の負担分を抽出するには国との調整が必要」だとして、この日は細かい内訳を示さなかった。

 会議後、報道陣の取材に応じた吉村洋文知事は「1112億円は必要な経費で投資だ。次は大阪府域における経済効果を示し、費用と効果の両方を丁寧に説明していきたい。コスト以上に大きな効果が得られるはずだ」と自信を見せた。【野田樹、戸田紗友莉】

万博の会場建設費と運営費

 14日には、万博を運営する日本国際博覧会協会が運営費の増額案を発表したばかりだ。運営費はスタッフの人件費や安全対策、入場客の輸送などに充てられる。20年12月の基本計画では809億円だったが、人件費の高騰や警備強化で、351億円増の1160億円に引き上げられた。うち969億円は入場料収入でまかなう計画だが、入場券の売れ行き次第では赤字となる可能性が指摘される。

 「私たちのミッションは赤字を出さずに万博を運営すること。ありとあらゆる手段でそのミッションを達成する」。協会の石毛博行事務総長は14日、東京都内で開いた理事会後の記者会見で、そう強調した。

 00年のドイツ・ハノーバー万博では入場者数が約1800万人と想定の半分を下回り、約1200億円の赤字を計上、連邦政府と州政府が穴埋めした。大阪・関西万博の想定入場者数は2820万人だが、東京ディズニーランドと東京ディズニーシーの年間入場者数計約2209万人(22年)などと比較し、「ハードルが高すぎる」との指摘も聞こえる。

 協会によると、入場料収入は当初、想定入場者数を2500万人と設定してはじき出した。一方、今回の増額案では、2820万人の8割に当たる約2250万人で計算。石毛氏は「より保守的に」見積もったという。

 開幕500日前となった11月30日、前売り入場券の販売が始まった。しかし、入場日時やパビリオンの予約ができるのは約1年後。海外パビリオンの建設遅れでその中身も見通せないとあって、世間の受け止めは厳しい。毎日新聞が12月16、17両日に実施した全国世論調査では、入場券を「購入したいと思わない」との回答が79%に上った。夢洲の周辺地図

夢洲の周辺地図

 結果的に赤字となった場合の対応について、西村康稔経済産業相(当時)は7日の参院経済産業委員会で「事業実施主体である協会が業務執行責任を負うのは大前提。国として補塡(ほてん)することは考えていない」と答弁。これを受けて、吉村知事は11日、報道陣に「万博は国の事業。国が負担しないのに、府市が負担することはない」と返した。14日の協会の会見でもこの点に質問が集まったが、石毛氏は「仮定の話にお答えするのは適当ではない」と取り合わなかった。

 実はこの会見、予定より30分以上遅れて始まった。協会の十倉雅和会長によると、直前の理事会で「侃々諤々(かんかんがくがく)の議論」があり、想定時間をオーバーしたためだ。ある関係者は、赤字対応を巡って「協会側が素っ気ない回答ばかりするので炎上した」と明かした。吉村知事が「協会は責任を取れるのか」と追及、理事の一人が「民間だと倒産して社員が路頭に迷いかねない。『ベストを尽くす』だけでは答えになっていない」とたたみかける場面もあったという。

 協会は万博を安定的に運営するため、開幕前に1400万枚の入場券を売って収入を確保する方針だが、この日の理事会で詳細な販売計画が示されることはなかった。協会によると、11月30日からの2週間で12万8425枚が売れ、「今後、尻上がりに伸びていくことを想定している」(石毛氏)と楽観的だが、「販売計画がない中では評価が難しい」との声も上がる。財界のある幹部は理事会でこう迫った。「経済界は現時点で(託された)700万枚の約半分を売るメドを立て、責任を果たしている。協会自身がもっと本気で売るべきだ」【宇都宮裕一、東久保逸夫】

インフラ整備9.7兆円「実態見えにくく」

 大阪・関西万博を巡っては、運営費だけでなく会場建設費も当初の1250億円から2度の増額を経て、最大2350億円に膨れ上がった。岸田文雄首相は「さらなる増額を認めるつもりはない」とする。一方、松野博一官房長官(当時)は11月8日の衆院内閣委員会で「物価高騰など以外の何らかの要因が発生しうる可能性が全くないとは言えないから、今後の増額に関して認めないと発言するのは控えている」と含みを持たせた。記者会見をする自見英子万博担当相=東京都千代田区で2023年12月19日午前11時17分、内藤絵美撮影

記者会見をする自見英子万博担当相=東京都千代田区で2023年12月19日午前11時17分、内藤絵美撮影

 「途方もない金額を示して、実態を見えにくくしている」。元経産官僚で大阪府市の特別顧問も務めた古賀茂明氏は、政府が発表した全体像の印象をこう語った。関連インフラ整備に約9・7兆円などとあるが、用途は「IR(カジノを含む統合型リゾート)など、必ずしも万博だけに限らない。広域的な交通インフラ整備に役立ちますよ」と前置きすることで、受け入れやすくし「既成事実化」する狙いだと指摘する。

 政府が設置するとした有識者委員会についても「やっている感、正当性を演出するアリバイ作りだ。本気でやるなら野党側に人選を頼むなど、批判的な立場の人を入れるべきだ」と提案した。

 万博費用の問題を国会で追及してきた立憲民主党の辻元清美参院議員は取材に「インフラ整備費が大きくなっているのは夢洲というごみの島、底なし沼に会場を造ってしまったからだ。パビリオンは撤去してなくなってしまうのに、電線や下水道を引いてなんの意味があるのか。夢洲でカジノをやるためとしか思えない」と話した。

 市民団体「どないする大阪の未来ネット」の馬場徳夫事務局長(82)は、全体像の公表を受けて「半年で更地になるイベントにこれだけのお金をつぎ込む価値があるのか」と憤慨する。「赤字になれば開催自治体の負担は免れないだろう。傷の浅いうちに中止を決断してほしい」と語った。【藤河匠、池田直】

 

 

万博、これ以上の国民負担許されず 国費負担1647億円

大阪・関西万博の会場となる夢洲で進められている大屋根工事(北東工区)の様子。=11月27日、大阪市此花区(恵守乾撮影)

「万博は国民全体で盛り上げるべきプロジェクト。さまざまな声に真摯(しんし)に耳を傾け、しっかりと対応したい」。自見英子(はなこ)万博相は19日の記者会見でこう語った。

今回、万博の国費負担の詳細を明らかにしたのは、会場建設費が膨らみ、野党から追及を受けた岸田文雄首相が費用の全体像を早急に示す考えを表明したためだ。

自見氏は国費負担の内訳を説明する中で、「透明性をもって示したい」と繰り返し強調し、数字を「アップデート」していく考えを表明した。

万博関連費は増え続けており、巨費を投じて開催する意義が問われている。政府が万博の誘致段階で試算し、更新されていない「2兆円」とする経済波及効果について、自見氏は再試算するよう指示したと明かした。

また、経費の適切な執行管理のため、経済産業省に公認会計士や建設コンサルタントなどによる「進捗(しんちょく)監視委員会(仮称)」を来年1月にも設置。経産省が日本国際博覧会協会に補助・委託した事業費や、協会の運営費の執行状況を3カ月ごとに確認するとした。

万博関連費では、会場建設費がすでに2度増額している。運営費は入場券収入で大半を賄うが、赤字になった場合の補填(ほてん)方法は示されておらず、警備費が別枠で国費負担となった経緯もある。

政府は万博を重要な成長戦略と位置付けるが予算は青天井ではない。費用負担について国民に説明を尽くし、さらなる増額という事態に陥らないようにすべきだ。(井上浩平)

 

 

<picture><source srcset="https://courrier.jp/media/2023/12/18201922/jpp046724025-e1702866009411-1600x900.jpg.webp" type="image/webp" />建設費は当初予算をはるかに超えて膨らむばかり……。2025年大阪・関西万博会場の建設工事が進む大阪・夢洲 Photo by Richard A. Brooks / AFP</picture>

建設費は当初予算をはるかに超えて膨らむばかり……。2025年大阪・関西万博会場の建設工事が進む大阪・夢洲 Photo by Richard A. Brooks / AFP

Text by Leo Lewis

 

建設費の膨張、参加予定国の撤退など混乱の大阪・関西万博について英紙「フィナンシャル・タイムズ」が皮肉めいたコラムを掲載。その手に汗握る展開は、まるでドキュメンタリードラマを観ているようだと揶揄する。

会場はいまだ「殺風景な駐車場」


メキシコとエストニアは撤退を表明したが、デンマーク、カメルーン、ジャマイカはまだ参加を希望している。

建設費のあまりの急騰ぶりに、ブラジル、アルゼンチン、ポーランドは、自国のパビリオンを簡素な「倉庫タイプ」へ変更することを検討中だと伝えられる。

欧州のある国は、日本最大手の建設業者から「希望通りのパビリオンを作ることはできるが、完成は万博が閉幕してから1ヵ月後になる」と告げられたらしい。

ドキュメンタリードラマのシリーズを一気見できる時代にあって、2025年大阪・関西万博の開催準備は「完璧」な進捗を見せている。主催者側が全力で頑張れば、2シーズン分のボックスセットすら制作できるかもしれない。

万博開幕まで1年半を切った大阪湾に浮かぶ人工島、夢洲の光景は、主催者すら認めるように、多くの観点から見て理想には程遠い。

完成すれば各国のパビリオンをぐるりと囲むことになる「木造リング」の建設がようやく着工となった。だが建築現場を視察に訪れた人々はまだ、155ヘクタールもある殺風景な駐車場めいた場所に立ち尽くすばかりだ。

11月半ばには、参加を予定している150ヵ国以上から関係者が集結した大規模な国際会議が開かれた。参加者たちいわく、期待以上に盛況だったとのことだが、そもそも最初から彼らの期待値は驚くほど、そして辛辣なまでに低かった。

同じ月、日本政府は会場の建設費として2350億円を承認した。これは当初予定のほぼ2倍で、さらに増額されるのではとの憶測を呼んでいる。

この上方修正は人件費や資材価格の高騰を理由に正当化されたが、予算の大盤振る舞いには違いない。すかさず反応した地元・大阪のテレビ局は、ただでさえインフレ高騰で苦しみ、不満を募らせている納税者にどれだけ負担が増加されるかを、1円単位で解説してみせた。
 
各国の外交官が漏らした本音

そんななか、ますます多くの外交官らが前途に待ち受ける課題について内々に不満を漏らし、さらに手厳しいことに、あわよくば参加を辞退するか出展規模を縮小したいとほのめかしている。

パビリオン建設予定費が当初の想定を大幅に上回っているケースもみられ、いまだ設計書を提出していない国も半数に上っている。多くの国が日本の複雑怪奇な建築規制に直面し、パビリオン建設に必要な日本の建設業者の確保や承認に四苦八苦している。

「実用的だが無意味な」ものを建設する見込みが現実化していると、あるアジアの国の外交官は実情を漏らした。

これらすべての背景に渦巻いているのは、万博開催の真の目的は何なのか、そしてどのように熱狂を生み出すのがベストなのかという問題だ。

たとえば、ワールドカップやオリンピックといった予算超過が著しいスポーツイベントの場合、究極的にはスポーツ自体が熱狂をもたらしてくれる。しかし、万博はどうだろう?

さらに万博は半年間の会期が終われば建物全体が完全に取り壊されてしまう。ゆえに持続可能性をめぐる問題もつきまとうことになる。

大阪万博には「日本の問題」が凝縮されている


万博の歴史は、1851年のロンドン万国博覧会までさかのぼるが、当時ははるかに明確な目的を持っていた。海外旅行が一般的ではなかった時代、外国の食べ物や技術、文化に触れる機会が限られた世界の人々にとって、万博は素晴らしくスリリングな国際展覧会だった。

大阪万博は多くの参加国とともに、そうしたスリルの「現代版」を提供したいと真に願っているのだろう。そこに疑いの余地はない。

だがマインクラフトのお菓子の村の作り方や、チキンビリヤニのレシピを紹介したYouTubeの動画1本が、大阪万博の想定来場者数2800万人を軽く上回るような時代に、「グローバルリーチ(世界的展開)」を定義するのは難しい。

とはいえ、悲惨な結末になろうと成功裡に終わろうと、大阪万博が見応えたっぷりな催しになることは間違いない。そしておそらく、それこそが万博が目指すべき進化系なのだろう。つまり、完成した姿よりも準備を見せ物にするのだ。

興味深いことに、大阪万博が直面している問題の多くは、日本が抱える課題の縮図でもある。深刻な労働力不足、厳格な規制、予算の大幅な上振れなどがその顕著な例だ。

一方、万博そのものの意義に寄せる信頼も、きわめて日本的といえる。万博は日本が莫大な利益を享受してきた古い世界秩序に感情的に根差している。その秩序は、技術的にも地政学的にも変化を遂げようとしており、新たな秩序は日本にとって格段に不利なものとなるだろう。

それでも、この類のプロジェクトに対する日本のノスタルジックな情熱は、決して侮れない原動力となり、見る者に手に汗握る楽しみを与えてくれるはずだ。

万博をめぐる明らかな混乱と世間の反発は、このドラマシリーズの展開にとって、私たち視聴者をまさに在るべき場所に立たせている。この時代に万博が存在意義を保とうとするのなら、まさにそうあるべきなのだ。

いまの世の中、視聴者の嗜好は大惨事となった音楽フェスや、セレブがオーナーを務める弱小サッカーチームといった感情を揺さぶるドキュメンタリー番組によって形成されている。世界はそうした危機あるいはその危機の克服というドラマを観たがっているのだ。
 
数千億円規模の万国博覧会は、もはや世界にとって不要なものだが、少なくともそのどちらかのストーリーは保証してくれるだろう。
 

 

上下ともクリックしてくださると大変うれしいです。

コメント (7)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 東京地検特捜部が強制捜査。... | トップ | 東京地検特捜部による安倍派... »
最新の画像もっと見る

7 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
大阪市・府を訴えよ! (津木野宇佐儀)
2023-12-21 04:02:12
もし衆議院が解散、となったなら
大阪バンパクに国費を投入しない!、大阪市・府だけでやれ、という候補・政党に投票します!
場合によっては国が大阪市・府を相手取って損害賠償(法的に可能であれば)を提訴できる候補・政党に投票します!
返信する
ニッポン倒すに武力は要らん (時々拝見)
2023-12-21 11:17:11
維新が増えれば自滅する
教育↓医療↓生活↓人材↓技術↓安全↓赤字↑

前に考えたのは
尖閣譲渡は決定よ
国賓招待してくれた

尖閣譲渡は決定よ
天皇訪中しちゃったし

夢洲や地盤も沈むし日も沈む
トコジラミ知事が・・する枕元
返信する
Unknown (津木野宇佐儀)
2023-12-22 01:54:37
>時々拝見さん
>夢洲や地盤も沈むし日も沈む
そういえば、ソチって地盤が軟弱で、スターリンでさえ開発を諦めたようなところを、プーチンが「五つの輪っか」のために大規模建設をごり押しした、という経緯があるそうです。
埋め立ての夢洲沈む月笑う
の「維新バンパク」もプーチン同様ですね。
私はバンパクより、絶対「鯉こく」派です!
返信する
地獄絵図の輪 (時々拝見)
2023-12-23 23:33:12
貞子もまっ青、万博リング、
夏は風除けになります。さらに、6~7月の正午(JST)頃には、リング内にしっかり、直射日光が届きます。維新にとって「想定外」の事態になりそうです。熱中症や食中毒の対応、考えてないでしょうねえ、日除けなんて能天気なこと言ってるくらいですから。
規模は小さいにせよ、原発禍と似た構図…。
返信する
貞子さんなら (津木野宇佐儀)
2023-12-24 02:24:56
>時々拝見さん
>貞子もまっ青、万博リング、
こんなこと、緒方貞子さんなら、真っ赤になって𠮟り飛ばしますよね

>ブログ主さん
トピズレにしてしまって、すみません…
返信する
津木野宇佐儀さん (時々拝見)
2023-12-24 19:25:44
いつも、私の分まで謝っていただき、感謝陳謝しかありません。
トランプーチンピン、アベ氏が貢いだ三人、ということは置いといて、
万博地獄絵図、生徒の修学旅行や校外学習(遠足)の行き先が万博になったら、悲劇です。まあ、大阪の中高生のほとんどは、親の因果が子に報い、でもありますが。
返信する
少し訂正 (時々拝見)
2023-12-25 14:00:55
修学旅行や遠足が万博になっても、親御さんが万博反対の政党・人に投票した生徒の場合は、何の因果か、ですね。
チケット買うまでが万博、というのはホント、先には何も良いことありませんから。
万博地獄絵図、3月~5月、ろくなもんがないのはわかってます。ほかの観光地へ行きましょう。万悪で交通費が上がってるかも知れませんが。
6~9月前半、熱中症で死にたくなければ、やめましょう。風除けリングの中は無風で、直射日光直撃の地獄です。救急搬送もないでしょう。夜も熱気がこもって暑いと思います。日本名物、自販機のある他の所へ行きましょう。
台風直撃なら、熱中症は心配しなくて済みそうですが、行けないか、帰れないかのどちらかでしょう。
デストピア体験をしたい人にはおすすめです。

プレハブだらけか、プロジェクションマッピングと言って、壁に動画を映すだけか?
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

野党でもゆ党でもなく第2自民党の悪党維新」カテゴリの最新記事