
自民党の改憲草案で一番恐ろしいのは緊急事態条項だとよく言いますが、9条の改憲もただ自衛隊を国防軍にするだけではありません。
安倍自民党の憲法改正草案に国防軍の設置が規定されていることはよく知られているのですが、同じ9条に軍法会議が規定されているのはご存知でしょうか。
自民党憲法草案 9条の2第5項
5 国防軍に属する軍人その他の公務員がその職務の実施に伴う罪又は国防軍の機密に関する罪を犯した場合の裁判を行うため、法律の定めるところにより、国防軍に審判所を置く。この場合においては、被告人が裁判所へ上訴する権利は、保障されなければならない。
この国防軍に置かれる審判所というのがいわゆる軍法会議なのですが、これについては、軍法違反の事件が通常裁判所の管轄に属する場合には公開法廷となるため、機密保持を考えると軍隊として機能することは困難だから、軍法会議を設けなければいけないと解説されています。(自民党「日本国憲法改正草案Q&A 以下Q&A p12)。
まず、軍法というものの存在を前提にしているところが今までの日本国憲法とは全く違います。
しかも、この審判所の法曹三者も軍人から選任するというのが自民党の解説ですから、裁判官も検察官も弁護士も全員軍人だというのですが、国防軍の人が裁判官役をやるのか、まさか我々実務法曹を軍人に採用する気じゃないでしょうね。
嫌ですよ、私たちは。
この条項も、上訴する権利というのを保障したのはいいのですが、いったいどこに上訴するのかちっともわかりません(地裁?高裁??)。軍法会議の判決に対して、通常の裁判所に上訴したら機密保持はできないはずじゃあないんですかね。
ここらあたりが、自民党憲法「改正」草案のいい加減なところです。
逆に、著作権とか企業秘密の裁判も、今の裁判所で行われ、機密が漏れたことはありません。だから、通常裁判所で国防関係の裁判をするのは可能なのですが、それなら最初から軍法会議は要らなくないですか?
というわけで、「上訴」というけれども、通常裁判所の審理対象から、事実認定は排除され、法令適用に限局される可能性や、そもそも通常裁判所の上訴権は、秘密保全法との関係では実際的ではなく、削除される可能性があると指摘されています。
法律家の目から見ると、密室で、独自の軍法に基づき、軍人だけで行われる裁判ということで物凄く危険なうえに、かなり不思議な規定の軍法会議。自民党草案が凶悪でかつ非現実的なことがわかる条文です。
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戦場の軍法会議 |
NHK出版 |
罪を犯した兵士を裁くために設けられた旧日本軍の「軍法会議」。太平洋戦争末期、ここで大量の兵士が「不当」に処刑された。戦地で、何が起こっていたのか。これまで秘密のヴェールに包まれていたその実態が、元「法務官」が生前に残した証言テープ、新資料等から明らかになった。未公開資料と遺族・軍関係者への徹底取材から、軍法会議の詳細と法務官・遺族たちの戦後を描き出した力作。
日本国憲法では、人権保障のため、すべて司法権は最高裁以下の裁判所にあるとして、特別裁判所の設置を許していないのですが、自民党憲法改正草案の軍法会議はそこまで変えてしまっています。
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「弁護士の仕事の窓口を広げる」
と、約束していたと思う。
その約束が、
> 裁判官も検察官も弁護士も全員軍人だというのですが、国防軍の人が裁判官役をやるのか、まさか我々実務法曹を軍人に採用する気じゃないでしょうね。
なのではありませんか ? ww
なお、この記事難しくて、他の部分、バード馬鹿だからよく分かんない。
選挙行きたくなるような、何かエールを送ってほしいな。
(文句の多い奴だな・・・って、すみませんのぉ。最近のレイさんラテンじゃないね。元気ですか? ほぼ毎日書いて下さることには感謝)
なんか自民党いい加減ですね。軍を作ったらそういうのも要るんじゃない、じゃあ作れみたいな感じ。ノリでやってんの?こんなんじゃ軍事とか真面目に考えてる人も怒るわ、と左側の私でも思いますよ。
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とはいえ、堅苦しいことは言いませんので、どんどんコメントをお願いいたします!
この頭のおかしい連中が、愚策を連発すればするほど日本の女性の生涯に子供を産む数が限りなく1に近づくのではないでしょうか?消費税を上げて法人税を下げていくなんてまさにそんな感じがします。資本家の側に立つのが保守政党とはいえ、なんかおかしいと思います。
それから、こういう人間たちは自分の親の引いたレールに乗っただけなので自分たちの子供の世代にもレールを引いておかなければなんて考えてるから一億人なんて数を言っているのでしょう。
もはや自爆国家ですね!
あさっては選挙です。何とかこれからのこの国の子供たちのために子供たちが多分望まないような国にしないために最低限の義務を(この国にある唯一の義務だと個人的には思っている)を果たします。隠れシーラカンスのような人々の言いなりになるつもりはない。
それから、ユーチューブに幸福実現等党の国防がどうとかいう三文芝居の広告がはいりますね?こういうのっていいんですかね?すごくむかつきます。
http://blog.goo.ne.jp/mayumilehr/e/15bdf3fa0bc5fbefca288d9c65b94b72
頑張りましょう!
「君達は自衛隊在職中、決して国民から感謝されたり、歓迎されることなく自衛隊を終わるかもしれない。 きっと非難とか叱咤ばかりの一生かもしれない。御苦労だと思う。 しかし自衛隊が国民から歓迎されちやほやされる事態とは、外国から攻撃されて国家存亡の時とか、 災害派遣の時とか、国民が困窮し国家が混乱に直面している時だけなのだ。言葉を換えれば、君達が日陰者である時のほうが、国民や日本は幸せなのだ。 どうか、耐えてもらいたい」
東北の震災では自衛隊は大変な状況の中、2万人近くの人々を休みなく救出しました。多くの友達を失った小学生から、「じえいたいさんありがとう、日本をたすけてください」という手紙を読み、隊員は皆涙を流して頑張ろうと思ったそうです。
自衛隊が民主党や共産党に人殺しの装置だとか、国防軍は悪だ、危険だと言われている今、この時代は平和な幸せな時代なのかもしれませんね。この先他国から攻撃されないという保証はどこにもありません。