２０１２年５月１９日付け関連記事
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法学部生にもあまり知られていないんですが、今年で旧司法試験は終わり、来年からは予備試験（法律での名称は司法試験予備試験）が始まります。
従来の司法試験は合格すれば一発で司法研修所に入り、裁判官・検察官・弁護士になるのですが、来年からはロースクールから新司法試験、予備試験から新司法試験という二つのルートになります。
辰巳法律研究所の所長のセミナーを動画で見たら、予備試験の合格者は３～４００人じゃないかと言ってます。そうじゃないと世間が許さないと言うのです。
世間が許さないこともやってしまうのが法務省なんで、あの真面目な辰巳にして、認識が甘いなあと思いますね。
まあ、予備試験に真面目に取り組んでるのはレックだけですから。法科大学院というパンフレットを開けたら予備試験のことばかり書いてます。どんなんや。
旧司法試験が２００９年に合格者９０人台で、合格者０・６％です。被爆者の原爆症認定率より低いよ。
たぶん、最終年の今年は５０人ですよ。合格率は０・３％？
だったら、法科大学院としては、せいぜい予備試験は１００人にすべきだと運動するでしょうね。自分たちが危機だもん。そしたら、合格率はたぶん１％です。
司法試験予備試験 論文問題 解答例と合格答案作成上のポイント 判例百選で書く合格答案の作法 追記あり
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予備試験の内容もずいぶんですよ。
５月に行なわれる最初の段階、マークシート方式の短答式試験（５者択一）の時間配分見てください。
試験時間
憲法・行政法／あわせて1時間
民法・商法・民事訴訟法／あわせて1時間30分
刑法・刑事訴訟法／あわせて1時間
一般教養／1時間30分
一般教養は、自然科学・人文科学・社会科学・英語から出題されるのだそうですが、公法・刑事法２科目あわせたより長いってどんなんや。
予備試験って、ロースクールに通う条件（お金・時間）が整わない人のために、ロースクールに行かないでも新司法試験が受けられると言う制度なんですが、ロースクールに一般教養なんて科目ないんですよ。これは大矛盾。
俺たち、教養、関係ないやろ。いや、関係あるけど、試験で試すなよ。
大学教養課程を経ていない人のための旧司法試験一次試験のイメージでしょうね。
ニューヨークに行くのに、オバマ大統領のプラハ演説で耳を慣らそうと思っているような英語力の人間はどん引きですよ。
天王山 論文試験はこんな感じ
試験時間
憲法・行政法／あわせて2時間20分程度
民法・商法・民事訴訟法／あわせて3時間30分程度
刑法・刑事訴訟法／あわせて2時間20分程度
法律実務基礎科目／民事・刑事それぞれ1時間30分程度、あるいは、あわせて3時間程度
一般教養／1時間程度
こちらで問題になるのは法律実務試験ですね。これはロースクールを経ていない人に試されるのは仕方がないと思います。
といっても、事実の経過から訴状や起訴状や準備書面や判決を書かせようと言うのでしょうが、あまりうまくいかないと思いますよ。それって司法研修所出るときの卒業試験（２回試験）で問われることだから。みんな出来なくて、差がつかないと思います。
予備試験には旧司法試験のように大学３年生が原則と言うような受験制限、回数制限が一切ありませんから、うちのクラスにも高校２年生！で申し込んでる人がいます。高校生でも受けられますし回数制限もないので安心して早くにトライできます。
また、予備試験の内容は旧司法試験よりは易しいので（そうでないと新司法試験より難しくなってしまう）、勉強はし易いです。
理論の予備試験、事実の新司法試験という感じでしょう。
ロースクールに入るのにはあの嫌な知能テスト、適性試験を受けないといけませんが、予備試験にはそんな試験はありません。ならば一般教養くらい我慢できるかも。
これからは国家公務員Ⅰ種・Ⅱ種の区別がなくなるので、大学４年での国家公務員試験合格を狙ってる人がさらに上を目指して大学１～３年から予備試験にもトライするんでしょうね。
スノッブな感じですなあ。
旧司法試験をヒマラヤ山脈とすれば、予備試験・新司法試験に合格するのはアルプス山脈、アンデス山脈を越えるようなもの。ロースクール・新司法試験ならゴビ砂漠、アンデス山脈ですか。
いずれにしても厳しい実務法曹への道。半端な勉強では通りません。
p．s．１
日本弁護士連合会の『新しい法曹養成制度の改善方策に関する提言』でも、「予備試験の運用については，予備試験合格者の新司法試験合格率と，法科大学院を修了して新司法試験を受験する者の合格率とが均衡する程度に合格水準を設定すべきであるとの議論も存在する。しかし，法科大学院と新司法試験の現状を前提としてそのような運用がなされるならば，予備試験合格者は相当な多数にのぼることになり，法科大学院制度は危殆に瀕することにすらなりかねない。したがって，予備試験については，改革審意見書の趣旨に沿った形で，あくまでごく例外的な法曹資格取得ルートとしての運用が図られるべきである」とあります。
まさに市民より法科大学院先にありきのとんでもない話です。
さらに、法科大学院制度の本質を失わさせないためにも、この予備試験を通過する人の水準は、「あるべき理想的な法科大学院修了者と同質」の高いものであるべき、とされています。
理想的な修了者じゃなくて、現実の法科大学院修了者と同じレベルでいいはずです。
法科大学院制度に命を懸けた弁護士たちがたくさんいるので、こんなふうになってしまいます。
保守的というか、思考停止というか。
法科大学院と日弁連が一体となって圧力団体になり、文科省と法務省に運動すると思いますね。いやはや。
p．s．２
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だって、ローには大卒じゃないと入れないのでしょ？（違ってたらすみません）
受験条件を限定せず一見間口を広げているように見せて、実は限りなく狭めているとしか思えません。
個人的には受験料10万円でもいいから、予備試験から「わけのわからん、実質的に対策のしようのない」一般教養などを外して欲しいですよ。
一般教養なるものは、大学受験と内容がかぶる以上、現役大学生が圧倒的に優位だと思います。
これでは経験豊富な社会人の法曹への道がどんどん狭くなってしまう。
それでも乗り越えるしかないから、つべこべ言わずやるしかないのですが。
１ 日弁連の対応ですが，宇都宮弁護士が会長に選出された場合には（選出される可能性は別として）どうなると予想されますか？「法科大学院制度に命を懸けた弁護士たち」は執行部から外されるのではないでしょうか。
２ 自民党が下野する前には，自民党議員の中で予備試験の簡素化，拡大を主張する勢力があったように記憶しています。政治的に見て，予備試験拡大派と予備試験縮小派（LS，日弁連）の力関係はどうなっているとお考えでしょうか？
数年前までは、弁護士目指し旧司法試験というただひとつの道であったと思います。
しかも現役の大学生で書士試験を目指す方も少なかったと思います。
簡裁代理権が付与されたとはいえ、書士試験を目指す大学生が増えたのも、2ないし3年のローでの学費ということもあると思います。
書士とローの併願もかなり負担を覚悟の上で併願という方もいるのではないでしょうか。
（登記法は大学でも馴染みのないやっかいな法律ではないでしょうか。）
はやい時期に予備試験のおよその合格者数を発表すべきだと思います。
ローの著名かつ有力な先生方には、予備試験制度自体、旧試を廃止し、ロー制度を経て新試という新しい制度移行に際してのあくまでも過度的な措置と仰る方もいらっしゃいますので、あまり予備試験への期待というのは持てないというのが、自分の考えです。
金で試験内容は買えないですよ。
やはり、理不尽な制度には、堂々と言論で対抗するしかないですよね。
一般教養が社会人に不利とは思わないのですが、なんちゅうか国家公務員試験と発想がかぶりすぎでそれは東大シフトなのかという気はします。それでは予備試験本来の意味が失われますよね。
すずきさん、はじめまして。
１についてですが、宇都宮さんは法科大学院廃止論には与しないと明言しているし、法科大学院教授は弁護士会でも大切な存在の方々ですから執行部からはずれるなんてことありません。っちゅうか宇都宮さんの代表世話人や選挙事務局に法科大学院教授は私を含めて何人もいますよ。
２は政治の世界で、ですか？仙石さんとか千葉さんとか枝野さんとか政権にも弁護士がいて概ね増員賛成なんじゃないでしょうか。弁護士離れて久しいので実情がよくわかっていない感じが・・・予備試験のことまであまり考えていないと思いますよ。自民党には法科大学院否定派が目立ってましたが当選したのかな。
派ができるほど皆知らないという感じでしょうか。
まあ、文科省が予備試験縮小、法務省が拡大ということはあろうかと思います。
まあ、受験生はこんなこと考えても意味ないという気もしてきました。
しかし、辰巳のいうようにほんとに世間が許さないかもしれませんよ。
法科大学院に対する風当たりは不当といえるほど高まるばかりだし、世論を一番気にするのが実は司法改革推進派なので、いつまでも高踏派を気取っていられないかもしれません。
法律科目も実務的なら、わけのわからない学説の勉強しなくていいから、簡単なんじゃないですか。適当な理由で誰かに訴えを起こせば、裁判所での手続きの流れわかるでしょう。
私も共通一次試験の一回目で、二次の問題のレベルがその年だけ恐ろしく低くなって、しかも二次試験の配点が低かったから、＊大合格できました。この一回目の試験こそ、受験情報なしという観点から、テクニックや予備校への資本投下で勝負がつかない点で、チャンスだと思います。
何言ってるか分りません。
しろねこさん。
何言ってるかわからないです。
＞＞難しいのパスしたら高卒レベルなので、
当該部分、除去したほうがいいのでは。何を言いたいのかわからないです。
＞＞たぶん簡単（英語、理科、数学、国語）に突破できるでしょう。
「（英語、理科、数学、国語）」の部分って要ります？
＞＞私も共通一次試験の一回目で、
共通一次試験一回目受験の方なら、今年５０歳前後だと思いますが、
年齢不相応な文章力にゾッとしました。
＞市民より法科大学院先にありきのとんでもない話
「市民」からしてみれば、ちゃんと仕事する法曹が輩出されればいいのではないか。制度自体に「市民」が関係するのか。
＞ロースクールに一般教養なんて科目ないんですよ
適性試験が該当する。あと、法曹倫理とかあるらしいが。
＞ 理想的な修了者じゃなくて、現実の法科大学院修了者と同じレベルでいいはずです。
理由が足らない。
適正試験内容と一般教養の内容がかぶらない。
＞＞ 理想的な修了者じゃなくて、現実の法科大学院修了者と同じレベルでいいはずです。
＞理由が足らない。
なぜバイパスの試験だけ一方的に難しくする必要があるのか理由が足らない。
現実の法科大学院の修了者は、その学問修了レ
ベルで司法試験を受ける事ができると国が判断してる。それとも今は、法律を扱う資格が無い人間も法曹になってるのか？そういう現状を国が許しているということなのか？