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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

熱い!大阪大学法学部!!

2010年01月21日 | ロースクール・司法試験・法曹養成
 今日は、レック専任講師宮武嶺として大阪大学法学部に行きました。

 法律研究会というサークルの定期試験直前緊急勉強会に混ぜてもらいました。

 なんと、2年生と3年生がチームを組んで、大教室で1年生数十人に民法を教えているんです。レジュメには、民法入門という科目の去年の過去問が載っていて、それが解けるように取得時効を教えながら、即時取得との制度比較にまで挑戦して解説してるんです。

 自分の法学部時代と何たる違い!
 2・3年生だって、西日本の国公立で一番難しいといわれる阪大法学部の定期試験を控えているのに、後輩指導とは・・・すげえよ、全く。

 私、感心したので、部長さんに、補足説明のメールを送っちゃいました。だって、熱いんだもん。

 (以下、勉強している方のみご覧ください)

「宮武嶺です。今日は勉強会を見させていただき、ありがとうございました。後輩のために先輩が時間を削って勉強を教える美風は素晴らしいと思います。
取得時効と即時取得について少し補足させてください。
前者と後者の違いは制度趣旨の違いから生じます。前者は今ある事実状態の尊重、後者は権利外観法理が制度趣旨です。ですから、甲が現所有者で、乙が所有権取得を狙う場合、取得時効では乙の10年ないし20年の占有が法律要件となり(20年も乙が占有しているのだからいまさらそれをひっくり返せない)、即時取得を狙う場合には甲が占有していることが信頼の基礎として法律要件になるのです(動産を占有している甲はいかにも所有権者らしいのでそれを信じた取引相手乙を保護する)。即時取得は取引と同時に所有権移転があるので即時というんですね。また、だからこそ、大きな財産である不動産は対象外で、そこも取得時効とちがいます。
このように制度趣旨にさかのぼって理解していれば、二つの制度の法律要件を暗記しなくても良くなるのだろうと思います。
3年生の方が時効の援用についても語られていましたが、事実状態を尊重しつつも当事者の「そんなものもらったら悪い」という意思も尊重しようということで、私的自治の原則の表れなんですね。でもいったん援用があれば効果が占有開始時点に遡って及ぶのは、占有という事実状態はその10年ないし20年から始まっているからなんです。
阪大の定期試験は厳しいことで有名ですので、みなさんの成功をお祈りしています。」


 1年生のお役に立てばいいのですが。

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2 コメント

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先生の阪大上陸について (伊藤塾元受講生)
2010-01-22 02:56:42
伊藤塾の元受講生です。
今は阪大のロースクールに通っております。

今日、宮武先生阪大にいらっしゃってたんですね!
お会いしたかったです。

今日の授業終わりに、レックのチラシに載っていた講義室まで走って行ってみたのですが、
時間が間違っていたのかお会いできませんでした。

また機会がありましたらお会いしたいです。
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お会いしたかったですね! (ray)
2010-01-22 10:25:26
阪大ロースクールにいらしたんですね。すみません!サークル見学のために教室を移動してしまったんです。走ってくださったのに申し訳ないです。
昨日は伊藤塾も説明会をされており、なじみの面々と鉢合わせして、爆笑してしまいました。レックの社員さんはちょっと困ってました。
というわけで、いろいろ露出しますので、お会いする機会があると思います。
よかったら後輩のために、阪大ローの様子なんかもメールでいただけたらと思います。
このブログでもときどき遊んでいってくださいね、なんか別のハンドルネームでもいいですよ。
応援しています。
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