フォニックスは、綴りと発音の関係 を 整理 して 身につけるため の もの です。それを 知っておくと、
つづり を みたときに よみかた が わかるようになる
つづり と おと が むすびついて 単語 が おぼえやすくなる
つづり が おもいだしやすくなる
つづり を 推測しやすくなる
など の 利点 が あります。つまり、学習 の 負担 が 軽減 されます。
ただし、フォニックス は ルール が ふくざつ なので、フォニックス を 学習 する こと 自体 が かなり の 負担 に なる と いう かんがえかた も あります。
そして、フォニックス の ルール に あてはまらない 例外 に ついて は、単語 ごと に よみかた を 確認 して まる暗記 する しか ありません。
例外のなかにも 一定のパターンが 見い出される 場合 も あります。たとえば、母音字の あとに 子音字が 複数 あるのなら、その母音字は「短音」で 読む と いう 基本原則 が あります。そういう 意味 では、fight, high, light, night, sigh などは 例外です。しかし、-igh- の よみかた に 関して 類推 が 有効 なので、パターンとして みとめることが 可能 です。bold, cold, fold, gold, hold, mold, old, sold, told など も やはり 例外 ですが、類推 が 有効 なので パターン と して あつかうことが 可能 です。
ほんとう に やっかい な の は、類推 が 通用 しない 例外 です。たとえば、cost, foster, lost の o と、ghost, host, most, post の o は、よみかた が ことなります。bomb, comb, tomb は o の よみかた が それぞれに ことなります。womb と wombat も o の よみかた が ことなります。love, move, rove も o の よみかた が まったく ことなります。
類推 は いっさい 通用 しません。単語 ごと に よみかた を 確認 する しか ありません。
どれが 規則的で どれが 不規則な 例外なのか、つづりを みても わからないのは、英語圏の人たちにとっても おなじことです。
そのような 具合 なので、フォニックス に 対する 懐疑的 な 意見 が あるのも 無理のないこと です。
「ルール が ふくざつ で 例外 だらけ なのだから 混乱 する だけ だ」
「ひとつひとつ 単語 の よみかた を 確認 する ほう が 安全確実 だ」
「発音記号 が あるのだから フォニックス など は 不要だ」
われわれにとって、やはり 最後の たのみ の つな は 発音記号 です。では、発音記号 が あるのに なぜ フォニックス が 必要 なのか。それは 学習 の 負担 を 軽減 する ため です。これが フォニックス の 存在意義 の はず なのですが、類推 の きかない 例外 の 存在 が それを だいなし に しています。基本ルール を ふまえつつ 例外を なんとか しなければ なりません。
英語圏 の 場合、ルール に あてはまらない 例外 は 「サイトワード」として 意識的に まる暗記 することに なっているようです。辞書の 発音記号は、われわれが英和辞典でみかけるようなIPA(国際音標文字)は一般的ではなく、アルファベットに補助記号をつけたり、発音のとおりに つづりかえをする「発音リスペリング」が つかわれたりする よう です。
フォニックスは 基本ルールだけでは ダメ で、例外 の あつかいを おろそかに することは できません。例外を きちんと 把握 しないと 基本ルール の とおり に 発音 して まちがった よみかた に なってしまいます。