Four Season Colors

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読書のよもやま(2025.01.13)

2025-01-13 | 雑文
「宇宙はなぜこんなにうまくできているのか」
村山斉(集英社文庫)

宇宙を中心とした物理について、一般人向け
に、優しく分かりやすく説明してくれる本。

宇宙に関する初心者向けの入門編を色々と出
しているとのことで、著者いわく、その中で
も本書が一番とっつきやすいよう。

著者の書籍は、この本がはじめてなので何と
も言えないが、実際にとてもかなり面白かっ
たので、他の本も読んでみたくなる。

最近(でもないが)読んだものとなると、多
田将さんの宇宙に関する本が記憶にある。

どちらも、初心者かつ数字に超絶弱い自分で
も何とか、書いてあることが漠然とイメージ
できる(分かるとは言っていない)。

数字のセンスのある、実感として理解ができ
る人には分からないが、この世には数字のセ
ンスのない、実感で理解できない人がいる。

自分がまさしくそうであり、一定数存在する
我らのような人には、物理などはもう、その
二文字からして理解ができていない。

そうした数字底辺ともいえる人に、宇宙や物
理に関する文章を最後まで読ませることは、
想像以上に困難なこと。

かつ、文字を追うだけでなく、理系的な理解
はできなくとも、文系的にでも(つまり何と
なく)理解させることは、もはや神業となる。

しかも、物理と宇宙の今にいたる研究のざっ
くりとした歴史が、そのざっくりとした内容
も含めて、本書一冊で読めてしまう。

物理の現象の身近な具定例も分かりやすく、
(なぜか)大学教授系にありがちな繰り返し
もなく、とても読みやすい。

2012年の単行本が基のようであるが、現
時点の内容に改訂されていて、なんと具体例
まで更新されている(と思う)。

自分は実感をもっては理解できないから、血
肉にはならない(身には付かない)が、イメ
ージくらいは何とか記憶に残る。

そんなレベルの人でも、宇宙研究の今が分か
るという、とてもありがたい書籍。