11月もいよいよ後半戦に突入。
甲府盆地の平地部でも、各地で色鮮やかな紅葉が見ごろを迎えつつあります。
信玄ミュージアムがある史跡武田氏館跡周辺でも周囲の山々が先週に比べて
ずいぶん紅葉が進み、秋本番を感じさせてくれます。
この時期恒例の武田神社への七五三のお宮参りもピークは越えたものの、
まだまだかわいい着物姿のお子様たちが元気いっぱいに走り回ったり、
家族で記念写真を撮影する姿があちらこちらで見られます。
七五三や観光で賑わう武田神社境内を一歩奥に進むと、隠れた紅葉スポットがあります。
観光のプロのバスガイドさんでも一部の方は知っているようですが、
地元でも意外と知られていない穴場スポット。
それが、武田氏館跡西曲輪です。
西曲輪は、天文20年(1551)に、武田信玄公の嫡男義信公の婚礼に合わせて
造営された義信公の新居でした。
その後、大正8年の武田神社創建時に神社外苑として整備されたようで、
市県民からの多数の献木を受けて、様々な木が植樹されたようです。
その名残りで、今でも様々な樹種が見られるのですが、中でもモミジは、
献木された木の子どもたちが広く分布し、神社の方もモミジを大事にして来られた
こともあって、数も多いのです。
以前、史跡整備の際に実施した植生調査の結果では、見られるモミジの大半がイロハモミジ。
通常、この一帯は山モミジが自生種なのですが、西曲輪がイロハモミジなのは、
人工的に持ち込まれた証拠、という訳で、献木の子孫たちが今の景観を作り出しているのです。
この時期、周囲の山から飛んできた種が発芽して成長した他の広葉樹とともに、赤や黄色の
きれいな紅葉を見せてくれます。
それも今月末までかもしれませんので、興味のある方はお早めにどうぞ。
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西曲輪北枡形虎口一帯
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北枡形虎口の豊臣期の石垣付近
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石垣付近から西曲輪内を見下ろした様子
このところ、冷え込みが弱まったために、紅葉の速度や色合いも落ちています。
そのため、先に紅葉した場所と、まだまだ緑でこれからという場所が混在しているので、
今年は、例年のように一斉に色づいた見事な黄色と赤色に染まった
紅葉の景気にはならないかもしれません。
それでも深紅に染まったモミジと、歴史を感じる石垣。
この場所のショットはぜひカメラに収めてくださいませ。
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